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半世紀前の自転車が蘇る 創業家が使用した自転車をレストア

ブリヂストンサイクル(株)(以下、BSC)がレストアした自転車が、東京都府中市にある「石橋正二郎資料館」に展示されました。
今回レストアした自転車は、創業家がかつて軽井沢別荘で使用していたものです。創業者の孫にあたる石橋 寬さんより、BSCの史料として価値があるためレストアしたいというご要望があり実現しました。
約4カ月にわたる丁寧なレストア作業を終え、当時の姿に蘇りました。

半世紀以上前の名車たちをレストア

今回レストアを行った車種は、BSCの発展を支えた技術「ダイカスト製造」によるフレームを採用し、実用性と軽量を追求したシティサイクル「スーパーライトSLF」と「スーパーライトSSL」です。
スーパーライトシリーズは、1960年代の発売以来、モデルチェンジを繰り返し2010年代まで販売していたロングセラーブランドでBSCを代表する商品でもありました。「スーパーライトSSL」は1972年にグッドデザイン賞を受賞しています。

今回レストア作業を担当したのは…

■修繕・組立を担当:玉田 健一さん
今回レストアした車種は、私が入社した頃BSCで取り扱っていたものでしたので、大変懐かしく、親しみを持って作業に携わることができました。製造から50年以上経っているはずですが、どの自転車も状態が良く、雨に濡れない場所で大切に保管されていたことがよく分かりました。「ダイカスト製造」でBSCの発展を支えた自転車の復元に携われたことをうれしく思います。
当時と同じ部品は無かったので似たものを探して使ったり、部品を繰り返し磨いたりする作業は苦労しました。

■グラフィックデザインを担当:米村 内蔵助さん
2台とも当時のブリヂストンのモノづくりを感じることができる貴重な車両です。それらのレストア作業に携われたことがうれしいですね。
私は、劣化・欠損したマークを再現し、当時施されたグラフィックデザインを蘇らせる作業にあたりました。
一番大変だったのは、車両に施されたマークを再現するためのデータ作成です。マークの劣化が激しく、きれいに剥がしとれない状態だったため、車両にマークを貼ったままトレーシングペーパーを使ってデザインを全て手書きで写し取りました。
欠損した範囲もあり、残っている部分を元にデザインを再現するのに大変苦労しましたが、やりがいがありました。

■塗装を担当:黒須 隆さん
お話を頂いた時、レストアする製品を懐かしく思いつつも、上手くできるか少し不安でした。当時と同じ塗料を入手することは不可能だったので、現在使用できる塗料の中からレストアする車種に近い色をベースに塗料を調合し、実際に塗装して同じ色が出ているか確認する作業を数回繰り返しました。
また、バスケットは、樹脂コーティングが剥がれサビが発生していたので、サビを落とし塗装表面をきれいにした後に塗装を行いました。作業は大変でしたが、当時の美しい姿に組み上がった姿を見たときには今までの苦労が吹っ飛び、レストアチームに参加できたことを誇らしく感じました。

蘇った自転車

■1973年製 スーパーライトSLF スタッガード型シングル (ピンク)
■1973年製 スーパーライトSSL ダイヤモンド型シングル (シルバー)
石橋 寬さんはレストアされた自転車をご覧になり、「BSCのかつての名車が蘇り、来館者にもBSCの高い技術力をアピールできるのではないかと思います。BSCの皆様のご尽力に感謝いたします」とのお言葉を頂きました。

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