創業者の歩み
ブリヂストンの基盤を創りあげた創業者 石橋正二郎氏はどのような人だったのでしょうか? 私たちブリヂストングループの全員に受け継がれる「ブリヂストンらしさ」の源は創業者の人柄や考え方などにあるはずです。このコンテンツでは、創業者 石橋正二郎氏のエピソードを連載で紹介していきます。

石橋正二郎が福岡県久留米市に生まれたのは、1889年2月1日のこと。誕生日が旧正月の二日であることにちなみ、正二郎と名づけられました。虚弱体質で物静かだった子ども時代の正二郎に大きな影響を与えたのが、母方の祖父・緒方安平と叔父・とし太郎です。
祖父の安平は商才に長けていて、醤油の醸造業、炭鉱事業、出版、質屋…と幅広く事業を展開する実業家。正二郎も成長するにつれ、その積極的な仕事ぶりに関心を持つとともに、「お前たちも俺のように偉くなれ」と励ましてくれる祖父を、敬愛していました。
そして、正二郎が生涯を通じて貫いた経営理念の形成に影響を及ぼしたのが、叔父のとし太郎。とし太郎はまだ子どもだった正二郎に、「人間は世の中のために働かねばならぬ、それが何よりも大切だ」といつも教えていました。自身は事業には失敗したものの、漢籍(中国の書籍)を愛読する真面目な人だったといいます。
進取の気性に富んだ実業家の祖父と、社会への尽力を語る理想家の叔父。それぞれの信念を持つ二人が、正二郎がその後歩んでいく人生の“道しるべ”となったのです。
*本文中は敬称略
参考文献:「私の歩み」(石橋正二郎著)
「石橋正二郎」(小島直記著・ブリヂストンタイヤ(株)刊)