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【こんにちはアローです!】「意志と情熱を携えて、何度だって挑戦を」(株)ブリヂストン 常務役員 製品開発管掌 兼 新技術実行化推進室長 草野 亜希夫さん

今回は(株)ブリヂストン 常務役員の草野さんにお話を伺います。
「こんにちは草野さん、今日はよろしくお願いします!」

(株)ブリヂストン 常務役員 製品開発管掌 兼 新技術実行化推進室長

草野くさの 亜希夫あきおさん

神奈川県出身。1995年に入社し、自動車メーカーに納入する新車装着タイヤ(OEタイヤ)の開発に従事。その後モータースポーツ開発部門のFormula 1®担当として、3年間レースに帯同。2010年からは乗用車用タイヤ開発に携わり、2017年にタイヤ開発第3本部長に就任。以降、欧州OEタイヤや先進タイヤなどの開発をリードし、2023年7月から現職。

Information

幼少時代の将来の夢

自動車エンジンのエンジニア

小さい頃からミニカーが大好きでした。高校生のとき、友人と夜行列車に乗って三重県の鈴鹿サーキットへ行きました。生で見たFormula 1®のレースの感動は今でも忘れられません。特にレースに供給されていたエンジンに興味を持ち、大学ではエンジンの基礎工学を研究しました。

愛用しているブリヂストン商品

「ALENZA」

愛車に装着しているのはSUV専用タイヤ「ALENZA LX100」です。友人からの評判も良いタイヤで、先日はブリヂストンのタイヤ開発にご協力いただいているレーシングドライバーの立川祐路選手からも「このタイヤはすごいですね!」と直接お褒めの言葉をいただきました。

ご自身の未来像

「買ってよかった!」と思っていただけるタイヤを開発

製品開発管掌として、これからも魅力ある商品作りを続けていきたいですね。お客様に「ブリヂストンだから安心だね」「このタイヤを買ってよかったな」と思っていただけるように頑張ります! また、開発に携わるエンジニアたちの笑顔を一つでも増やしたい。先日、開発部門のみんなで車に乗って「走るわくわく」を感じるイベントを開催したのですが、子どものように喜ぶみんなの笑顔を見てこちらまでうれしくなりました。

ご自身の性格を一言で表すと?

臆病、不器用

私が一番恐れているのは慢心です。そのため、臆病なくらい慎重に物事を進めます。それに「本当にこの判断で良いのだろうか」と深く考えることで、新たな発見や気付きがあるんです。

リフレッシュ方法

ジョギング、スイミング

健康維持のために体を動かすよう心掛けています。ワークライフバランスを考えて、効率よく働いてこそ、成果も挙げられると思います。最近はなかなか体を動かせていませんが……。

今までのキャリアにおいて、印象に残っている「失敗」のエピソードについて教えて下さい。

ここでは話し切れない程、これまでたくさんの失敗を重ねてきました。中でも印象に残っているのは、Formula 1®用タイヤの設計・開発担当としてレースチームに帯同していた時のことです。トヨタに2年、ウィリアムズ・レーシングに1年ほどエンジニアとして帯同し、1年のうちおよそ200日はイギリス以外のヨーロッパの国々の出張先で過ごしました。朝と夕方の2回行われるチームミーティングでレース結果や今後の天気とレース展開の予想、各エンジニアによる部品の状態の報告があり、これらの情報をもとに次のレースに向けた改善計画を練る。つまり毎日が試行錯誤、失敗と改善の繰り返しでした。

そんな日々で学んだことは、モノは嘘をつかないし、レースは結果が全て。だからこそ、自分が納得のいく結果が出せるまで諦めずに徹底的に挑戦し続けることが大切だということです。仲間たちも「絶対に結果を出すんだ」という覚悟を持ってレースに挑んでいました。言語や文化の違いに悩んだこともありましたが、この3年間での学びは今に通じるとても大きいものでした。

また、欧州向け乗用車用タイヤ開発に携わった新人時代には、開発担当がするべき重要な業務を諸々すっ飛ばし、量産工場へ販売されるタイヤの生産立ち上げの依頼をかけてしまったことがありました。通常であれば量産プロセスの確認などが必要なのですが、先輩から引き継いだばかりで右も左もわからず……。今思い出しても申し訳ないことをしてしまいました。毎週鳥栖工場に通い詰め、関係各所からお叱りとお力添えをいただいたおかげで無事に立ち上げを完了させ、納期を守ることができました。周りの人達に助けられて、今があるとしみじみ思います。

失敗して初めて知ること、学ぶことがたくさんありました。失敗は財産であり、過剰に恐れる必要はないのだと声を大にしてお伝えしたいです。

執務室の中で気に入っているものや、愛用の品を教えてください。

気に入ったものは長く使う性格で、中でもコップとコースターは20年近く使い続けています。コップは子どもが産まれた時に産院から記念にいただいたもの、コースターは子どもが小学生のころに手作りしてプレゼントしてくれたものです。仕事の合間に一息ついて、元気をチャージしています。

また、執務室の前にはお菓子やオリジナルの「くさのさんガチャ」が設置されています。コミュニケーションの一助となるようにと、開発部門の若手がアイデアを出してくれたものです。訪れてくれた人だけが回せるガチャガチャの中身、ぜひ皆さんも確認してみてください。

草野さんは製品開発をリードされています。タイヤ開発の醍醐味を教えてください。

開発の世界は、モノが全てを語ります。データや評価で白黒はっきりする潔さはとても好きなところですね。また、ブリヂストンは2030年 長期戦略アスピレーションの実現を目指し走り続けています。新たなプレミアムの創造、そしてBridgestone 3.0を達成するには「断トツ商品」の更なる進化が欠かせないと考えています。そのような覚悟を持って、これからもタイヤ開発に挑戦していきたいですね。

エンジニアの皆さんには、もっと積極的に「走るわくわく」を体感していただきたいと考えています。ご存知の通り、タイヤは車と地面の唯一の接点であり、車の性能に大きく影響を及ぼす部品。タイヤの存在感や運転してみて感じたことを、自分の言葉で語る。そうした体験に開発のヒントが秘められているかもしれません。「断トツ商品」の更なる進化に向けた第一歩として、ぜひ自分が携わったタイヤや材料、部材を“感じて”みてください。

9月に行われたメディア4耐にはドライバーとして参戦されました。モータースポーツの魅力を教えてください。

高みを目指して挑戦し続ける、成長の余白があるところでしょうか。運転することは楽しいですし好きなのですが、今でもうまくできないことが多く、車自体を“操る”領域まで達していないと感じています。9月にGlobal CTOの坂野さんと共に参加した「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」でも、周りがプロのドライバーばかりで緊張してしまいました。自分なりに納得のいく走りができたのは最後の5周くらいでしたね。

人は悔しさや失敗の味を知ると自分自身に新たな課題を課し、厳しい鍛錬を重ねるようになります。次第に勝ち・負けへのこだわりや新たな挑戦への意欲が湧き出てきて、一回りも二回りも大きく成長させてくれます。ブリヂストンが掲げる「極限への挑戦を通じて人財を輝かせる」とは、まさにこのステップを指すのだと思います。

個人的には、叶うのであればまたドライバーとしてレースに参加したいと思っています。そして私のようにモータースポーツを楽しんでいる人の姿を見て、誰か1人でも「ハンドルを握ってみよう」と思ってくれたらうれしいです。

キャリア形成において大切だと思うことを教えてください。

意志を持ち、情熱を持って行動することです。なぜなら、意志と情熱は未来を変えるための原動力となるからです。タイヤ開発に関わる者として、新技術を開発し、結果を出すことにこだわりを持っています。その土台にあるのは、「より良いタイヤづくりで未来をもっと良くしたい」という意志と情熱です。

今は「受け入れるもの」、将来は「その延長線上にあるもの」と思っている人はいませんか? 私は、今は「改善余地に溢れるもの」、将来は「変えるために存在するもの」だと考えています。3年先、5年先、どのような未来を実現したいですか? 今何ができるでしょうか? ぜひ一度、自分の中の意志や情熱と向き合って、一歩踏み出してみてください。自分たちの手で、一緒に未来を創っていきましょう。


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コメント(2)

伸びしろだらけ!さん

記事を読んでとても為になりました。
自身を「伸びしろだらけ」と考えて前向きに頑張ろうと思います!

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車好きさん

会社人生、最初から100点を取れることなんてほとんど無いですよね。スモールスタートでやってみて、小さなところから失敗を重ねながら成長していきたいですね。

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