【師匠と弟子】安定稼働を守り続ける保全業務の誇りとやりがい − (株)ブリヂストン 鳥栖工場 設備課 保全係

今回は、2023年の「設備保全技能競技会」の溶接競技で優勝した(株)ブリヂストン 鳥栖工場の田中さんと、4年にわたって押出工程の機械保全業務で、田中さんを指導した酒井さんにお話を伺いました!


師匠
(株)ブリヂストン
鳥栖工場 設備課 保全係 検査工程担当
酒井 馨一さん(2004年入社)
相手の第一印象 | いつも笑っている |
---|---|
相手に直してほしいところ | ロッカーの3S意識が低いところ |
相手を動物に例えると | カバ(口を大きくあけて豪快に笑う) |
相手に望むこと | 僕の上司になるくらい活躍してください |


弟子
(株)ブリヂストン
鳥栖工場 設備課 保全係 押出工程担当
田中 純さん(2008年入社)
相手の第一印象 | 優しい |
---|---|
相手に直してほしいところ | あるはずがありません! |
相手を動物に例えると | シカ(スマートでセンスがある) |
相手に望むこと | これからもご指導お願いします |
いつも笑っている | 相手の第一印象 | 優しい |
---|---|---|
ロッカーの3S意識が低いところ | 相手に直してほしいところ | あるはずがありません! |
カバ(口を大きくあけて豪快に笑う) | 相手を動物に例えると | シカ(スマートでセンスがある) |
僕の上司になるくらい活躍してください | 相手に望むこと | これからもご指導お願いします |
酒井設備保全技能競技会の優勝、おめでとう。溶接作業を見ていて「お、うまいな」と思ってたけど、まさか優勝するとは。
田中ありがとうございます!プレミアムタイヤを生産する鳥栖工場の代表として、成果が残せて良かったです。
酒井純くんと最初に会ったのは、定期採用で純くんが加硫工程の保全業務に配属された時かな。僕はOJT担当で、当時からよく笑う、明るい印象だったよね。
田中酒井さんは、年齢も比較的近くて話しやすく、優しいというのが第一印象でした。その時も親切にいろいろ教えていただきましたね。
酒井2020年から2023年まで押出工程の保全業務で一緒だったけど、一番印象深いエピソードはそのちょっと前にあった補修作業だよね。押出工程の熱入れロールが故障して、年末年始の5日間にわたって朝から晩まで4人で修理した。
田中あれは大変でしたねえ。とにかく寒かった。機械から水漏れして、いくら溶接してもどうやっても水が止まらなくて。

酒井工場としてもあまり例のない故障で半分手探り。先が見えないまま生産再開予定の連休明けが迫ってきて、もう気が気じゃなかった。
田中万策尽きたと思った時にひらめいたのが酒井さんでした。「溶接できないなら水漏れ箇所をセメントで埋めよう」と。標準にも書いていないやり方で、僕にはとても思いつかない発想でした。溶接をあれだけ試していたら「何とか最後までやり切る」って普通考えると思うんですけど、スパッと別の発想に切り替えるのがすごいと思いました。
酒井現場でできることはないか、常に視野を広くして考えるように心掛けているからね。純くんは確かシフトで応援の形で加わってくれたんだよね。音を上げずに諦めない姿勢が頼もしいと思ったよ。
押出工程の保全業務って、補修もそうだけど、点検基準に沿った押出機の定期的なチェックが主な仕事だよね。どういう気持ちで取り組んでる?
田中昔からの設備も多いので、今後も長く使い続けられるように愛情を持って取り組んでいます。そして、他の工程よりも一台一台の装置が複数の建屋をまたぐ程長く大きいので、他のマシンよりも機械を停止するチャンスが少ない分、メンテナンスの機会を無駄にしたくない。もちろん、安全を確保した上で取り掛かることが一番大切です。

酒井そうだね。特に補修は災害につながるリスクが高い業務だよね。機械が途中で止まっているところに呼ばれるわけだから、予期できないタイミングで機械が動き出す危険は常にある。
田中日々の点検の他に、壊れたところを直すのも保全係の大切な仕事ですからね。リスクをゼロにすることはできないかもしれませんが、危険予知で自分にも仲間にも災害が起きないように徹底することは常に意識しています。
酒井一番は焦らないこと、うかつに手を出さず、多少時間がかかっても確実に安全措置すること。それから故障箇所だけでなく機械全体を見るように意識するよね。若い人には、これまでに蓄積されてきた先輩たちの経験を伝えています。
田中自分の身は自分で守るのは当然ですが、そのための知識をまずきちんと教えるということですね。
酒井教えると言えば、僕が押出工程から検査工程の保全業務に異動して、純くんがリーダーになったよね。キャリア入社された方が押出工程の保全係に配属されたけど、リーダーとしての意気込みは?
田中自分の下にメンバーがついたことがあまりないので、これからどうやって指導していくか試行錯誤の毎日です。酒井さんの下にいて感じたのは、自分でまず手を動かすことで育てていく姿勢です。必ず自分で動かして、マシンのクセや注意すべきポイントをその場で伝える。そんな教え方をしていただいたので早く身に着けることができました。これは見習いたいなと。
それから、酒井さんに教えていただいたのは点検業務の重要性です。時間があれば機械を点検したり油を差したりしている酒井さんの姿を見ていると、潤滑油を必要なタイミングで差すための管理や点検で未然に故障を防ぐことこそ保全の本業だと思います。

酒井僕の師匠もそうだったんだよね。ぜひ次の担当の人にも引き継いでいってほしいです。また、鳥栖工場ではデジタルによる予兆管理など最先端技術を積極的に活用して、設備保全でグローバルNo.1を目指しています。新しい保全のスタイルをここから築いていきたいね。
田中そうですね。うまく活用できるともっと保全の精度が上げられるんじゃないかと思っています。
酒井いつ故障するかわからないものを見える化できれば、故障する前に交換する仕組みづくりができる。ぜひ純くんに先頭を切ってもらいたいね。
田中いえいえ、酒井さんに教えていただきながら取り組んでいます。「酒井さんがいなくなって押出の保全がダメになった」と言われないよう頑張りますので、これからもご指導よろしくお願いします!
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