「エアフリー」がついに公道を走る!

やっほ~。みんなお花見は楽しんだかな?
今回は、次世代タイヤ「エアフリー®」の公道実証試験の様子と、その開発ストーリーお伝えするよ。ブリヂストンは2008年から空気充填の要らない次世代タイヤとして、「エアフリーコンセプト」の開発に挑戦し続け、遂に3月27日に公道デビューを果たしたんだ。それを機に、タイヤの名前も「エアフリーコンセプト」から「エアフリー」へ!

実用化に向け実証実験がスタート

これまで東京・小平にあるB-Mobilityのコースを4000キロ走り、安心・安全を確認してきた「エアフリー」。今度は公道に出て、さまざまな路面や道路環境でエアフリーの特性や機能を検証し、社会実装に向け、準備を進めていくよ。一般道路では、わだちやマンホール、落ち葉の上を走ることもあり、そうした道路環境で走ることで、新たな気づきを得て改善につなげいてくんだって。まずは、東京・小平市近郊の公道でスタートするよ。

実際に走っている様子はこちら!
東京・小平の街を颯爽と走っている「エアフリー」。小平周辺で勤務している人は、青色スポークの「エアフリー」を見かけることもあるかもね?!


2008年の「エアフリーコンセプト®」からどのように進化してきたのか、設計担当の(株)ブリヂストン ソリューション開発第5課長 吉田さんにお話を聞いてみたよ。

お話を聞かせてくれた吉田さん

―吉田さん、改めて公道デビューを果たした「エアフリー」の特徴を教えてください

吉田さん まずは、パンクしないということ。そして空気圧管理も不要で省メンテナンスになります。そして、一番の特徴はリサイクル性です。サステナビリティビジネスモデルをエアフリーで実現しています。リトレッドができるほか、樹脂でできたスポーク、トレッドのゴムはリサイクル可能です。エアフリーは高齢化・地方の過疎化・労働力不足による移動の制限といった地域社会の課題解決に貢献できると考えています。

一公道で走行するまでのハードルも高かったのではないでしょうか

吉田さん そうですね。樹脂のリサイクル性を維持しながら、車両を支える、タイヤとしての機能を両立させるところが苦労しました。また、公道で走行するためには法規への適合性について確認が必要です。現行法規の解釈とその対応方法について法規を担当する開発企画管理部門に助言をいただき、国土交通省と何度も交渉することで公道走行にこぎつけました。交渉のポイントは安全性を証明することでしたので、市販の軽自動車に装着し、B-Mobilityでの60km/h、4000kmの試験走行を通じて、壊れないことを実車評価でも確認しました。プロジェクトメンバーのみんなで試験走行を行い、安心・安全を実現しました。

公道で実証試験を開始した「エアフリー」

一ちなみに、2008年の開発からどのように進化してきたのでしょうか?

吉田さん 2008年の開発当時は、金属製で今よりもかなり複雑な構造をしていました。ただ、それだと生産性に課題があり、熱可塑性樹脂、大まかに言えばプラスチックを材料として採用することになったんです。一方、プラスチックの材料は金属よりも熱に弱く、常に走行時の温度を気にする必要がありました。そこで、試作品を何度も故障させ、故障形態をしっかり解析することから始め、これまで積み重ねた解析データにシミュレーション技術も組合せて設計することで、壊れない「エアフリー」を実現したんです。

2008年に開発した金属性の試作品

一耐久面で大きな進化があったんですね。最後に、今後の意気込みを教えてください。

吉田さん これまでは、東京・小平のB-Mobilityで試験走行を重ねてきましたが、公道ならではの減り方などを検証したいと思っています。公道に出ることでB-Mobilityの試験走行では気がつけなかった新たな気づきを得て、改善につなげていきたいと思います。また、今後は乗り心地面も改善していきたいと思います。
「エアフリーを世に出し、世に問う」をプロジェクトのビジョンとして掲げ、社会実装に向けて開発を進めていきます。

約1年3か月をかけ、小平のB-Mobilityで約4000kmの試験走行を繰り返したプロジェクトメンバーのみなさん

遂に公道デビューを果たした「エアフリー」が世の中に広がっていくのが楽しみだね!
それでは、またね~。
従業員試乗会も実施!
公道での実証試験が始まる前日、関連部署向けの試乗会が開催されました。試乗した方からは、「ハンドリング性能は、市販されている乗用車用タイヤと変わらない」「ちょっと乗り心地は硬いけれど、しっかり支えられている感じがして、安心して運転することができた」といったコメントがありました。「壊れない」耐久性を確保した「エアフリー」、今後は乗り心地なども改良されていく予定です。

みんなからのコメント待ってるよ!
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コメント(8)

0425さん

中でもタイヤ=黒を覆している点が良いと思いました。
未来の感があって愛車に着けてみたいなーー!

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Arrow愛さん

”公道”を走る段階までこぎつけたプロジェクトメンバーの”行動”力…恐れ入りました。
従業員試乗会で実際に体感してみたくワクワクしています!
皆さんの物事を前進させる力に刺激ももらいました。引続きの前進を期待しています。

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なるほどエアフリーさん

エアフリーの存在自体は知っていましたが、正直何がいいのかわからなかったです。
今回の記事を読ませていただき、空気の補充がいらないことで、メンテナンスの手間が省け、高齢化が進む地域での負担軽減や安心安全なカーライフに役立つことがわかって感動しました。
公道デビューをきっかけに、更なる進化に期待します!
がんばれエアフリー!

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エアフリーコンセプトの問題点が知りたいですさん

エアフリーコンセプトって素人目では凄くいいアイディアだと思うんですけど、逆にまだ広がっていないのって既存タイヤより何が劣っているんですか?

この記事を読んでいるとパンクしない、空気圧管理も不要で省メンテナンス、リサイクルできて環境にも良いと、良い所ばかりのように見えるので、ご質問です。

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ご質問ありがとうございます。さん

興味を持って頂き非常にうれしく思っております。
 長い歴史のある空気入りタイヤと比較すると性能面では追いつけない点は多々あり(例えば乗り心地等)、その差を埋めるべく技術開発を進めています。
 一方でその性能差を理解しつつエアフリーの特徴を活かした社会貢献の形を探索すると共に、
新たなモビリティーと新たな社会での使われ方にエアフリーを組み合わせた新たなビジネスモデル構築を目指し、チーム一丸となってプロジェクトを推進しています。

ご回答ありがとうございます。さん

是非、実現してほしいです。
いち消費者の意見でしかないんですけど、エアフリーコンセプトは安全性さえ確保できたら市場に出してしまって良い気がしてます。エアフリーは素人目にはビジュアルもコンセプトも、明らかに既存タイヤとは「違う製品」ですから、性能評価で既存タイヤと比較する必要はないのではないでしょうか。多少、乗り心地が悪かったとしても、人によってはそれが「エアフリーコンセプトの味」として認識してくれるかもしれませんし、乗り心地よりも新しいビジュアルやエアフリーのメリットから選んでくれる消費者もいるのではないかと思います。仮に各性能の劣等性から消費者にエアフリーコンセプトが受け入れられなかったとしても、ゴムタイヤの快適さが際立つと共に、「ブリヂストンは新しいコンセプトに挑戦する先進的企業」というブランド戦略に繋がる気がします。

横から失礼しますさん

例えば乗り心地なんかはタイヤだけでは解決するのは難しく、サスペンションなど自動車メーカとの協業などによっても改良代がいくらでもあると思います。サスペンションで拾いきれない微細な振動は防振ゴムに頼るなどもあると思います。非常に期待しています。

おとなりさんさん

公道デビューおめでとうございます!
吉田さんもみなさんもとてもいい表情ですね^^
ここまでたくさんのご苦労があったと存じますが、更なるご発展を心より祈念しています。

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