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「統合報告」って何のこと?制作を担当した皆さんに熱い想いを聞いてきました

ブリヂストングループの中長期的な企業価値向上に向けた考え方や取り組みについて、ステークホルダーの皆さまに深く理解いただく目的で、昨年から「Bridgestone 3.0 Journey Report(統合報告)」が発行されています。
今年の6月にも全111ページにもわたる「Bridgestone 3.0 Journey Report(統合報告2023)」が発行されましたが、今回はその制作に携わった皆さんにお話しをお伺いしました!

(左から)
(株)ブリヂストン IR部 IR 財務サステナビリティ報告企画課長 横井 智哉さん
(株)ブリヂストン Gサステナビリティ戦略企画部 サステナビリティパートナーシップ推進課 加藤 恵利子さん
(株)ブリヂストン Gサステナビリティ戦略企画部 サステナビリティパートナーシップ推進課 曽根 直幸さん
(株)ブリヂストン Global CEO室 橋本 翔一さん

”統合”報告とは? ブリヂストンらしさを追求した制作

Arrow編集部 「Bridgestone 3.0 Journey Report(統合報告)」ですが、そもそも”統合”報告とは、何と何を統合したんでしょうか?

曽根さん まず、企業に開示が求められる情報として、お金やビジネスに直接関わる「財務情報」と、将来の会社の利益に影響を与える可能性があるものの定量的な表現が難しい「非財務情報」があります。ブリヂストンではこれまでは、財務情報は「アニュアルレポート」、非財務情報は「CSRレポート」や「サステナビリティレポート」として、それぞれ別の媒体で発信していました。これら二つの情報の統合が「統合報告」だと思われるかもしれませんが、あくまで統合報告とは、組織が中長期的な価値創造を実現するためのコミュニケーションのプロセス全体のことを指します。当社が中長期的にどのように価値を創造していくか、この仕組みを包括的に説明するために、財務情報と非財務情報を、過去~現在~未来、といった観点で区分せず、「統合」的なアプローチで捉えることが必要になりました。そこで、昨年から「Bridgestone 3.0 Journey Report(統合報告)」として統合報告書を発行し、統合報告のプロセスを実践しています。

曽根さん

加藤さん 以前から統合報告への移行について議論を重ねていました。そのなかで2020年にサステナビリティを中核に据えた経営戦略を発表し、中長期的な成長戦略とサステナビリティを一体として語れるようになったことは統合報告へ移行できた大きなきっかけでした。また2022年には"Bridgestone E8 Commitment"が企業活動全体の軸に位置付けられました。ブリヂストンが事業戦略とサステナビリティを両立させる当社独自の価値創造プロセスを、一貫したストーリーとして伝えていく上でも、統合報告は重要になっていくと思います。

横井さん ひと昔前に比べれば、機関投資家※1の皆さんがサステナビリティに関する指標をより気にするようになったと実感しています。皆さんとの面談においても、それらの指標について、今後どうなっていくのか?という質問を受けることが多くなってきています。こういったコミュニケーションにおいても、この統合報告書は非常に役立っています。
※1 機関投資家:個人ではなく、企業体として投資する組織のこと。銀行、保険会社、年金基金、証券会社、投資ファンドなどが該当する。
Arrow編集部 従来、別々に発信していた財務情報、非財務情報を統合する大変さなどはありましたか?

加藤さん 統合報告書で大切なことは二つあると思っています。一つは「ステークホルダーが統合報告書に何を期待しているかを把握し、反映すること」。もう一つは「ブリヂストンらしさをしっかりと出していくこと」です。特に二つ目のポイントについて、社名を記載しなくてもブリヂストンの報告書だということが分かるくらい独自性を出すべきだと、社外取締役のデイヴィス先生からもアドバイスをいただいたのですが、いかにそのブリヂストンらしさを出すのかが大変でした。統合報告書に求められるものや、他社がどのような報告を行っているかを入念に調べながら、いかにブリヂストン流に発信すべきかを、社内外の関係者の皆さんと考えながら作り上げました。また、記載内容が具体化した後に、ロシアによるウクライナ侵攻や、BSAMへのサイバーアタックなどの想定外の事態が起こり、それらに対応するために内容を差し替えながら制作するのにもとても苦労しました。

加藤さん

三つの部門だけではなく、皆でつくりあげた統合報告書

Arrow編集部 不測の事態にも対応しながらブリヂストン流の統合報告書をつくりあげていったんですね。制作にあたって、皆さんはどういう役割分担で対応されたのですか?

曽根さん Gサステナビリティ戦略企画部は統合報告書全体のとりまとめを担当しました。実は統合報告書は一年を通してPDCAサイクルを回しながら企画・制作を行っています。昨年は6月末に発行した統合報告書を起点に、下期にかけて機関投資家や有識者などのステークホルダーとの対話を通じて、報告内容や当社に対する期待・関心事項を抽出・分析しました。分析結果は次年度の企画につなげるとともに、経営や取締役へも報告・共有し、取り組みや情報開示の強化につなげています。制作が本格化する1月以降は、報告書の制作会社との調整や全体的なトーンの統一など編集の役割とあわせて、内容面では各主管部署と連携を密に取りながらサステナビリティに関連するパートを主に担当しました。

橋本さん Global CEO室は、Global CEO コミットメント、経営戦略や事業戦略、などのパートを担当させていただきました。日頃から対外発表などGlobal CEOの社内外コミュニケーション事務局業務に従事していますが、それらの内容と整合性・一貫性を担保しながら、メインの読者である社外の方に対して分かりやすく伝えていくことを、制作にあたって強く意識しました。担当パートが全部で70ページくらいあったのですが(笑)、さまざまな関連部署の皆さんのご協力のおかげで、やり遂げることができました。

横井さん IR部は財務戦略に関わる部分、ROICや財務データなどの数字に関する情報の精査などを担当しました。また、IR部としてはこの統合報告書を上手く活用していくことがより重要なミッションだと思っています。特に今の時代、機関投資家の皆さんが企業について調べる際、統合報告書を読むというのがトレンドになっていますので、この報告書を用いて、ブリヂストンの考え方やスタンスを皆さんにしっかりと説明し、ご理解いただくことが大切ですね。

横井さん

社内外から大きな反響 フィードバックを活かして改善

Arrow編集部 昨年に初めて統合報告書を発行した後の反響はいかがでしたか?今年に活かされた点なども教えてください。

加藤さん 社外のメインターゲットである機関投資家の皆さんには、こちらで想定していたよりも興味を持っていただき、統合報告書に対するフィードバックを直接個別面談で伝えてくださる方も多かったです。中には報告書に付箋をビッシリ貼るくらい、隅々まで読み込んでくださる方がいたのが印象的でした。また、社内からは「会社の方向性に対する理解が深まった」というお声をいただいた一方で、「文字量が多いから何が重要かわからない」という意見もありました。これらのフィードバックについては、今年の報告書制作にも活かされています。

曽根さん 重要な情報をわかりやすくすべく、今年の報告書は図や文字の視認性をより向上しています。他にも「2021年からの中期事業計画の進捗を知りたい」という意見も多くいただいたので、なるべく定量的なデータを見せるような構成にしています。また20名ほどのグループ従業員や社外のパートナーの方にも報告書の中に登場いただき、実際に業務に携わっている方の顔や想いがより読者の皆さんにより伝わるように意識しています。

橋本さん 経営戦略については2022年8月に「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」を発表し、加えて中期事業計画 (2021-2023)の進捗や、次の中期事業計画 (2024-2026) の策定進捗も都度、四半期決算のタイミングを中心に、Global CEOから社内外に発信頂いています。「長期戦略アスピレーションや中期事業計画の進捗を知りたい」というニーズに対して、統合報告書ではこれらの発信内容を一つのストーリーとして伝えられていると思うので、ぜひ多くの方に読んで欲しいですね。
横井さん 中期事業計画 (2024-2026)の重要KPIとしてROICがありますが、これについては昨年の統合報告書よりもしっかりと記載して伝えるようにしています。ROIC改善のための活動についても、現場やオフィス、それぞれの取り組みを紹介して、さまざまな職場の人に実感を持って読んでもらえるようにしています。

さまざまな場所で会社を支える多くの仲間に読んで欲しい

Arrow編集部 従業員の皆さんに読んで欲しい点やアピールポイントなどがあればお願いします!

橋本さん まず、統合報告書の制作には多くの方にご協力いただきましたので、この場をお借りして御礼を申し上げます。自部署についてはもちろん、会社全体や他部署の活動について知るうえでわかりやすい報告書になっています。また、従業員の方の生の声もたくさん掲載していますので、会社の仲間がどういう想いで業務を行っているかという点もぜひ見ていただければ思います。

橋本さん

曽根さん 会社が今、置かれている状況や、これからどうしていくのかという点がしっかりと語られています。バリューチェーン全体について触れられていますので、さまざまな部署の方が読んでも、自分ごととして捉えられるのではないかと思います。また、サステナビリティビジネスモデルの部分でも、ビジネス全体の循環を意識した図になっていますので、それらが経営の中核として織り込まれている点も見ていただきたいです。

横井さん 今は、四半期ごとに中期事業計画の進捗を社外に説明していますが、それらの要点について、この統合報告書にギュッと凝縮されています。中期事業計画はどんどん更新されていきますが、統合報告書は一貫して発信している内容がよくまとまっていますので、多くの方にぜひ読んでいただきたいです。
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今、そしてこれからのブリヂストンをさまざまな人に理解してもらうために、多くの部署の皆さんが力を合わせて統合報告書をつくっています。まだ読んだことがないという方はもちろん、ブリヂストンの置かれている状況やこれからの方向性を改めて「Bridgestone 3.0 Journey Report(統合報告2023)」で確認し、自分の仕事と関連付けながら読んでみるのも良いかもしれませんね。
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ブリヂストン企業サイトに統合報告に関する特設ページが開設されました!こちらも是非ご覧ください!
https://www.bridgestone.co.jp/ir/library/integrated_report/2023/

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