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中高生が2050年のモビリティサービスを考える!雲雀丘学園サマー合宿「商品・サービスコンセプトワーク」編

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8月1日(火)~3日(水)の三日間、東京・小平にあるBridgestone Innovation Park(以下、BIP)にて、雲雀丘学園中学校・高等学校(兵庫県宝塚市)の皆さんと(株)ブリヂストンの従業員による「サマー合宿」が実施されました。この合宿は、雲雀丘学園の課外活動への協力要請にブリヂストンが応える形で実施されたもので、生徒の皆さんが、社会課題やそれらに対する解決策などを考え、成果物としてまとめていく過程を通じて、思考力・判断力・表現力を培う目的で開催されました。

合宿期間中は、生徒の皆さんが「ラジコンカータイヤ設計」と「商品・サービスコンセプトワーク」の二つのグループに分かれ、それぞれ活動を行いましたが、今回は「商品・サービスコンセプトワーク」グループの模様をお伝えします!

まずはブリヂストンやタイヤについてしっかり勉強

まずは、Bridgestone Innovation Galleryの見学ツアーから。館長を務める(株)ブリヂストン BRIDGESTONE DESIGN・ブランド管理部の森さんから、ブリヂストンの歴史やタイヤの構造についての説明を受けました。従業員の皆さんはご存知の内容でも、生徒の皆さんにとっては初めて耳にする話ばかり。こまめにメモを取りながら、森さんの説明に耳を傾けます。

合宿前から練ってきた先入観の無い斬新なアイデア

本合宿のメインテーマは「商品・サービスコンセプトワーク」ですが、合宿中にゼロからアイデアを考えるわけではありません。実はこの合宿の前から、雲雀丘学園の皆さんはモビリティサービスの案を練ってきていました。三つの班に分かれ、「2050年のモビリティ社会がどうなっているか?どんな社会課題があるか?」という未来の状況もイメージしながら、アイデア出しを既に行っていたのですが、それぞれ個性的で興味深いものばかり。合宿を通じてどのように形になっていくのでしょうか?

初めて乗る車いす モビリティサービスを考えるヒントに

ブリヂストンのメンバーと本格的にコンセプトワークに入る前に、(株)ブリヂストン R&D改革推進部 組織イノベーション推進課の小倉さんと一緒に車いす体験を行いました。皆さんにとって初めて乗る車いす。興味津々で動かすうちに、あっという間にコツをつかんでいました。車いすを使っている方と同じ目線に立ち、同じ感覚を共有することで、どういう困りごとがあるか?どうしたらそれを解決できるか?を身をもって考える貴重な体験。これらが後の提案に活かされていきます。

技術やデザインのプロ達と意見交換 より実用性を意識したアイデアへ

合宿前に練ってきたモビリティのアイデアについて、ブリヂストンのメンバーも加わって議論していきます。普段、技術開発やデザイン考案の仕事をしているプロ達と意見を交わせる貴重な場。「ここにはこういう課題があるかも?こういう工夫をしてはどうだろう?」など、本当に新しいビジネスを話し合う会議のように、活発な意見交換が行われました。生徒の皆さんにとっても、自分達には無い目線を持つ従業員からの意見やアドバイスは、とても参考になったようです。
「ある二つの性能について、片方を高めると、もう片方が犠牲になるトレードオフの関係になることはよくあります。両方の性能を高めていくためにどういう工夫ができるか。とても難しいのですが、それを考えていくことがとても重要です」。ご自身の研究開発の経験も踏まえ、生徒の皆さんにメッセージを贈る(株)ブリヂストン 探索事業開発第1部門 ソフトロボティクス事業開発推進部の大野さん。

世代を超えてシェアできる車いす 「ジェネレーションインクルーシブモビリティ」

ブリヂストンのメンバーとも協働し、各班がアイデアを昇華させたこの合宿。いよいよ最終日の発表会を迎えます。1班は世代を超えてシェアできる車いす、「ジェネレーションインクルーシブモビリティ」を提案しました。乳幼児用に3~4年ベビーカーとして使用した後は、メンテナンスを経て、大人用の車いすとして使用できる新しいモビリティです。ベビーカーの廃棄量を減らせる、サステナビティ性も高いモビリティです。パワーアシストの電気を確保する「走行中給電システム」や、デザインや振動吸収を目的とした「エアフリーコンセプト」を採用するなど、ブリヂストンの技術も随所に活用されています。

海も陸もこの一台で 「日常使いの水陸両用車」

続いて2班の発表です。2班は「日常使いの水陸両用車」を提案しました。離島に住んでいる方が、離島や本州までを移動するうえで便利なアイデアを考えてくれました。よりデザインと機能性についてリアリティを追求したこちらのモビリティ。陸と海、異なる環境それぞれに対応できるタイヤの構造について考えられており、車体の高さなどは日本の法律に準拠するように緻密に計算されています。今まではクルマや船、飛行機などの、乗り物を乗り換える必要がある移動も、こちらの水陸両用車だけで対応できることも増えそうですね。

車いすでも一人で気軽に出かけられるモビリティ 「だれでもどこでもいつでも」

最後は3班の発表です。3班は足が不自由な人もそうでない人も、誰でも使いやすい小型のモビリティを提案しました。車いすサイズのこの乗り物、電動による走行が可能で、パンクによるトラブルを減らすために「エアフリーコンセプト」が採用されていたり、降雨時には「ラバーアクチュエータ」によって自動で屋根が出てきたりと、快適な移動を支えるアイデアが詰まっています。さまざまな車いすが抱える課題について、「どうしたら解決できるだろう?」とよく考えられた新しいモビリティです。

お客さんにとっての「わくわく」を

生徒の皆さんによる素晴らしい発表の後は、(株)ブリヂストンの統括部門長がメッセージを贈りました。

Gサステナビリティ統括部門長の稲継さん
「『商品・サービスコンセプトワーク』グループの皆さんにとって、製品のデザインだけではなく、ビジネス全体のデザインを学ぶ良い機会になったのではないかと思います。そのなかで、お客さんにとっての『わくわく』を意識していただいた点や、狙った機能を実現するための緻密な計算、秀逸なキャッチコピー、本当に生徒の皆さんはよく考えて発表してくれたと思います。『ラジコンカータイヤ設計』グループの皆さんには、企業における”開発”の重要性について身をもって体感いただけたのではないかと思います。試行錯誤をしながら、当初の想定と何が違ったか、失敗をどう次につなげていくか、というポイントをよく理解していました。これは事業活動にとっても非常に重要なことです。」
サステナブル・先端材料統括部門長の大月さん
「自分も兵庫県出身ですということを一番伝えたかったです(笑)皆さんがブリヂストンに来ていただけることが決まってから、『どういう体験を皆さんに提供できるだろうか?皆さんの将来に役に立つ体験を提供できるだろうか?』ということをずっと考えていました。自分が学生の頃にはこういう社会体験をできる場が少なかったので、将来どういう方向に進めば良いかを考えるのに苦労しましたが、今はさまざまな社会体験をする場があります。ぜひ、今後も積極的にそういう場に参加して、『どういう世界なら自分も成長しながら社会に貢献できるか』を考えていただければと思います。」
「ラジコンカータイヤ設計」と「商品・サービスコンセプトワーク」。二つのテーマにそれぞれ生徒の皆さんが全力で取り込んだサマー合宿。期間中はブリヂストンのメンバーも生徒の皆さんに負けないくらい全力でサポートをしました!生徒の皆さん、ブリヂストンの皆さん、本当にお疲れ様でした!

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