• TOP
  • 記事
  • 【ブリヂストンの現場力】真円をつくる匠の技術! タイヤモールドの製造現場 前編

【ブリヂストンの現場力】真円をつくる匠の技術! タイヤモールドの製造現場 前編

ブリヂストンの現場力 サイズによって製法は大違い!! 前編

Arrow編集部

今回の「ブリヂストンの現場力」では「つくる」現場の最前線、タイヤを作るために欠かせない金型(モールド)の製造現場に潜入しました。対応サイズの異なる2つのモールド工場で、ブリヂストンを支える匠の技を探ります!

金型(モールド)って?

生タイヤを加硫する際に使用する、金属製の型。内側にトレッドパタンやタイヤ側面のロゴ、サイズなどが刻まれている。トレッドパタン、サイズごとに異なるモールドを使用する。

複雑なトレッドを忠実に再現

小さなパーツをコツコツ埋め込む!

まずやってきたのは、
福岡県久留米市にある(株)
ブリヂストン モールド事業戦略部 久留米モールド製造課。
久留米工場に隣接したこの工場では、
乗用車用タイヤをはじめ小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤの
モールドを製造していました。

教えてくれた方

  • (株)ブリヂストン
    モールド事業戦略部
    久留米モールド製造課
    工作係 主任

    吉武 秀樹さん

Arrow編集部

吉武さんこんにちは! モールドの製造現場に来るのは初めてで、どんな現場力を見られるのか楽しみです!

吉武さん

タイヤのモールド製造現場へようこそ! モールドはトレッド部とサイド部の2種類に分けて作られます。トレッド部からご紹介しますね。 まずは東京・小平の技術センターで設計したデータに基づいて樹脂でつくられたタイヤのマスターモデルから、アルミニウムを鋳造する時に使う石膏型を作っていきます。

Arrow編集部

歯医者さんで歯形をとるイメージで、タイヤの模型から型取りをするんですね⁉︎

吉武さん

そうです! タイヤのトレッドはさまざまなパタン(模様)がありますから、まずは、石膏などを使ってパタンをトレースしていくんです。そして、それを金属のなかでも加工のしやすいアルミニウムを使って再現します。

Arrow編集部

正確に写し取ることがポイントなんですね!

吉武さん

その通り! 細かいステンレス製の板を埋め込んでトレッドパタンの細かなデザインまで再現していきます。アルミニウムを鋳造した後、規格で定められた真円度が出ているかをチェックしています。その後、なんと……9分割しちゃいます。

Arrow編集部

せっかく円になったのに⁉︎ わざわざ切ってしまうんですか?

吉武さん

最後に組み直すので大丈夫ですよ!

※マスターモデル…金型をつくるためのタイヤの模型

Bマークが輝く理由はモールドにあり!

バラバラになったパーツはこの後どうなっていくのでしょうか。
続く工程では、内面仕上げの極意を教えてもらいました。

吉武さん

ここからは内面仕上げの工程です。9分割したパーツはセクターと呼ばれ、一つひとつ、踏面部および骨溝の細部までバリを取り磨いていきます。

Arrow編集部

溝になる骨の部分を一つひとつ磨くなんて、細かい作業ですね! なんだか緊張感が伝わってきます。

仕上げ作業にはわずかな指先の感覚と高い集中力が求められる

吉武さん

1セクターを仕上げる時間はなんと1時間! 円形のままだとどうしても仕上げづらい部分ができますが、分割して仕上げを行うことで作業性が良くなり、かつタイヤ性能を担保できるんです。

Arrow編集部

なるほど、どの角度からも丁寧に磨き上げるために9等分したんですね! 謎が解けてスッキリしました。

吉武さん

最後に9セクターを円状に並べたらトレッド部は完成です!
続いてサイド部の工程も見てみましょう。サイド部には耐久性の高い鉄を使い、複数の機械で加工していきます。注目は文字加工。ブランド名やブリヂストンのロゴなどを機械加工で削り込んでいくのですが、最終的な仕上げは匠の手に委ねられます。

Arrow編集部

一つひとつ、人の手で文字を仕上げていくんですか!

近年はサイド部のデザインが複雑化しているため、技能員に求められる技術力も高まっている

吉武さん

やっぱり人の目でないとわずかなバリや傷は見つけられないですし、手作業でないときれいに修正できませんから。そうそう、サイド部のBマークをよ〜く見てください。周りよりも黒いですよね。

Arrow編集部

確かに! Bマークだけ真っ黒です。これってもしかして……!

吉武さん

そう、これはプレミアムタイヤに採用しているLUXBLACK®(ラックスブラック)という特別な加工技術です! モールドの表面にレーザーで特殊な加工を施すことで、加硫した際に触れたゴムの部分だけが黒光りします。このLUXBLACK®は遠くからでも文字を視認でき、プレミアム感の演出にも一役買っているんです。

プレミアムタイヤのブランド名やB マーク部分のみ、LUXBLACK® 技術を用いて加工する。モールドの状態ではB マークが反転している
Arrow編集部

よく見るとBマークの中に細かな切り込みが入っていることがわかります! Arrowの「お客様の声」にも「LUXBLACK®カッコいいですね!」という声がありました。これがブリヂストンのプレミアムタイヤのアピールに貢献しているんですね!

吉武さん

こうして作り上げたサイド部とトレッド部のセットで、1組のモールドとなります。ここ久留米モールド製造課では年間で約300組を超えるモールドを生産しているんですよ。

完成したモールドは、国内外の各工場へ出荷される
Arrow編集部

クレーンで移動させるんですね。

吉武さん

一般的な乗用車用タイヤのサイズのモールド1組で1t近くありますから。でも、鉱山・建設車輌用タイヤ(ORタイヤ)用のモールドはもっと大きく、もっと重いんですよ。違いを感じるためにも、日本モールド工業さんにぜひ行ってみてください!

Arrow編集部

はい、行ってきます!


みんなからのコメント待ってるよ!
コメントする

※「コメントする」を押してもすぐにはコメントは反映されません。
管理者にて確認の上、反映されます。コメント掲載基準については こちら をご覧ください。
尚、投稿者につきましては、管理者でも特定できない仕様になっております。

コメント(0)

ページトップへ戻る