【Part1】走るわくわくを支えるブリヂストンの団結力 〜スーパー耐久シリーズ、タイヤ供給の裏側〜

ブリヂストンは、これまでもモータースポーツに限りない情熱を注いできました。モータースポーツの文化の発展に貢献し、10年後、20年後も「走るわくわく」を提供し続けることを目指していきます。
2024年からは、「スーパー耐久シリーズ」(以下、S耐)のオフィシャルタイヤサプライヤーを務めますが、運営元のスーパー耐久機構からの要請を受けて、昨年5月のシリーズ2023第2戦から前倒しでタイヤを供給しています。
なぜS耐に参画したのか、そこにはどのような挑戦があったのか。関わる皆さんにお話を伺いました。
2024年からは、「スーパー耐久シリーズ」(以下、S耐)のオフィシャルタイヤサプライヤーを務めますが、運営元のスーパー耐久機構からの要請を受けて、昨年5月のシリーズ2023第2戦から前倒しでタイヤを供給しています。
なぜS耐に参画したのか、そこにはどのような挑戦があったのか。関わる皆さんにお話を伺いました。
スーパー耐久とは?
S耐の特色 通称「偉大なる草レース」
▶︎市販車をベースにしたカスタムカーから、メーカー試作車、本格的なGTマシンまで多彩なマシンが混走
(成績はクラス別)
▶ 1台を2〜4名のドライバーが担当
▶ プロとアマチュアのドライバーが同じ土俵で勝負
▶ 水素燃料車など新機軸のマシンも参戦
▶ レース時間は3時間〜24時間とバリエーションに富む
▶︎市販車をベースにしたカスタムカーから、メーカー試作車、本格的なGTマシンまで多彩なマシンが混走
(成績はクラス別)
▶ 1台を2〜4名のドライバーが担当
▶ プロとアマチュアのドライバーが同じ土俵で勝負
▶ 水素燃料車など新機軸のマシンも参戦
▶ レース時間は3時間〜24時間とバリエーションに富む
3,000本のレース用タイヤを来月中旬までに用意できないか――。
急きょ前倒しでタイヤ供給の依頼がブリヂストンに寄せられたのはレースが行われる2カ月を切ったタイミング。2024年に向けて準備を進めてきたとはいえ、関わるメンバーにとってこのハードルを乗り越えるのは簡単なことではありませんでした。
モータースポーツを足元から支えたいというメンバーの情熱がレースの実現を叶えました。
急きょ前倒しでタイヤ供給の依頼がブリヂストンに寄せられたのはレースが行われる2カ月を切ったタイミング。2024年に向けて準備を進めてきたとはいえ、関わるメンバーにとってこのハードルを乗り越えるのは簡単なことではありませんでした。
モータースポーツを足元から支えたいというメンバーの情熱がレースの実現を叶えました。

(株)ブリヂストン
国内モータースポーツオペレーション部
国内モータースポーツオペレーション課
小原 該さん
――S耐とブリヂストンの関わりについて教えてください。
S耐はレースの理念として、「技術を向上させるなか、限りある資源を大切に使い、環境に配慮しながらモータースポーツ社会の発展につなげていく」ことを掲げています。ブリヂストンはこの理念に共感して、2024年から「オフィシャルサプライヤー」としてタイヤを供給します。
S耐は日本最大級の参加型レースとして歴史を重ねた間口の広いレース。グリップ性能はもちろん、長持ちする耐久性の高いタイヤを供給し、参加者が継続してレースを楽しめることが私たちに期待されています。
年間のタイヤ供給本数は約1万2,000本。現在は久留米工場からゴムを調達し、主に開発工場で生産していますが、ゆくゆくは鳥栖工場で量産することを予定しています。
S耐はレースの理念として、「技術を向上させるなか、限りある資源を大切に使い、環境に配慮しながらモータースポーツ社会の発展につなげていく」ことを掲げています。ブリヂストンはこの理念に共感して、2024年から「オフィシャルサプライヤー」としてタイヤを供給します。
S耐は日本最大級の参加型レースとして歴史を重ねた間口の広いレース。グリップ性能はもちろん、長持ちする耐久性の高いタイヤを供給し、参加者が継続してレースを楽しめることが私たちに期待されています。
年間のタイヤ供給本数は約1万2,000本。現在は久留米工場からゴムを調達し、主に開発工場で生産していますが、ゆくゆくは鳥栖工場で量産することを予定しています。
――前倒しでタイヤ供給を始めた際の状況はいかがでしたか。
昨年4月にS耐を運営するスーパー耐久機構から急きょ前倒しでタイヤ供給の依頼が寄せられました。今回の緊急サポートでは、開発工場、量産工場のほか、生産計画や物流部門の皆さんはじめ、また 契約締結においては、法務部門など、多くの部門の皆さんに多大なるご協力をいただきました。タイヤ供給に関しては、2024年を見越して開発していたタイヤを数千本の規模で急ピッチに生産し、レースを支えることができました。
特に、ブリヂストンにとってS耐をサポートする最初のレースになった第2戦の富士24時間レースでは、通常モータースポーツの現場でオペレーションを担ってくれている京浜運輸の皆さんの他に、ブリヂストンタイヤソリューションジャパン(株)(BTSJ)や、ブリヂストンリテールジャパン(株)(BRJ)から総勢50名の方々にサポートに入っていただきました。24時間体制で深夜にトラブルがあっても対応できる体制を組んだのです。人員体制はじめ、レース現場における安全なオペレーション対策もあり、無事に24時間終了のカウントダウンを見届けた際は、安心感と達成感でいっぱいでした。レースを支える関係者が一人ひとりの情熱を持ち寄り、バリューチェーン全体でアジャイルに対応できたことでレースに間に合わせることができたと実感しています。最終戦では、2023年のレースをブリヂストンが支えたことに対する御礼のアナウンスがあり、場内から拍手をいただき、感慨深かったです。
昨年4月にS耐を運営するスーパー耐久機構から急きょ前倒しでタイヤ供給の依頼が寄せられました。今回の緊急サポートでは、開発工場、量産工場のほか、生産計画や物流部門の皆さんはじめ、また 契約締結においては、法務部門など、多くの部門の皆さんに多大なるご協力をいただきました。タイヤ供給に関しては、2024年を見越して開発していたタイヤを数千本の規模で急ピッチに生産し、レースを支えることができました。
特に、ブリヂストンにとってS耐をサポートする最初のレースになった第2戦の富士24時間レースでは、通常モータースポーツの現場でオペレーションを担ってくれている京浜運輸の皆さんの他に、ブリヂストンタイヤソリューションジャパン(株)(BTSJ)や、ブリヂストンリテールジャパン(株)(BRJ)から総勢50名の方々にサポートに入っていただきました。24時間体制で深夜にトラブルがあっても対応できる体制を組んだのです。人員体制はじめ、レース現場における安全なオペレーション対策もあり、無事に24時間終了のカウントダウンを見届けた際は、安心感と達成感でいっぱいでした。レースを支える関係者が一人ひとりの情熱を持ち寄り、バリューチェーン全体でアジャイルに対応できたことでレースに間に合わせることができたと実感しています。最終戦では、2023年のレースをブリヂストンが支えたことに対する御礼のアナウンスがあり、場内から拍手をいただき、感慨深かったです。

(株)ブリヂストン
モータースポーツ開発部門
MSタイヤ設計第1課
澤井 冴さん
――S耐で使われるタイヤの特徴と供給を実現するために設計で工夫したことを教えてください。
S耐のタイヤは全7クラス・約50チーム分をワンメイクで供給し、参加されるお客様に購入していただいているため、さまざまな車種にフィットする多種多様なサイズ・性能が求められます。ジェントルマンドライバーと呼ばれるアマチュアから、SUPER GTに出場しているプロドライバーの方まで、幅広く対応できる性能を意識した設計がポイントでした。
また、1回のレースにつき用意するタイヤの数は、ドライ(乾いた路面)用とウェット(雨で濡れた路面)用合わせて数千本。現在、S耐で使用しているタイヤは開発工場の他に鳥栖工場で製造していますが、特殊な構造を取り入れすぎると量産体制の構築が難しくなってしまいます。そのため、設備投資や作業への影響が小さくなるような構造や材料を使用しています。さらにはサステナブル視点でマイレージが長く、かつ回収からリサイクルが可能な汎用材料を使用しています。
S耐のタイヤは全7クラス・約50チーム分をワンメイクで供給し、参加されるお客様に購入していただいているため、さまざまな車種にフィットする多種多様なサイズ・性能が求められます。ジェントルマンドライバーと呼ばれるアマチュアから、SUPER GTに出場しているプロドライバーの方まで、幅広く対応できる性能を意識した設計がポイントでした。
また、1回のレースにつき用意するタイヤの数は、ドライ(乾いた路面)用とウェット(雨で濡れた路面)用合わせて数千本。現在、S耐で使用しているタイヤは開発工場の他に鳥栖工場で製造していますが、特殊な構造を取り入れすぎると量産体制の構築が難しくなってしまいます。そのため、設備投資や作業への影響が小さくなるような構造や材料を使用しています。さらにはサステナブル視点でマイレージが長く、かつ回収からリサイクルが可能な汎用材料を使用しています。
――設計・開発担当として、どんな時にやりがいや誇りを感じますか。
設計・開発担当はレース会場に積極的に足を運び、各チームのピットを回ってタイヤの使用状況や摩耗状態を確認します。その際、選手から直接タイヤの感想をいただくことも少なくありません。ダイレクトにフィードバックをいただける環境は設計・開発担当にとって大きなメリットですし、お褒めの言葉をいただいた時は誇りを感じます。
時には選手から部材の詳細や他社製品との構造の違いなど、想定よりも専門的な質問をいただくことも。私は昨年1月に異動してきたばかりということもあり、初めて会場入りした5月の第2戦では選手からいただいた質問に一人では十分な回答ができず、悔しい思いをしました。その悔しさをバネに、設計の傍ら先輩方の応対を見聞きしたり、研究データを読み込んだりと、情報のインプットを続けています。
現場でのコミュニケーションはタイヤ開発の大きな推進力です。そして、モータースポーツは「走る実験室」として、その活動で培った知見・技術でレース用タイヤ以外のタイヤの品質向上を後押ししています。今後もより良いタイヤを追求し、ここで培われた技術が市販のプレミアム商品にも貢献するという意識をもって開発に向き合っていきます。
設計・開発担当はレース会場に積極的に足を運び、各チームのピットを回ってタイヤの使用状況や摩耗状態を確認します。その際、選手から直接タイヤの感想をいただくことも少なくありません。ダイレクトにフィードバックをいただける環境は設計・開発担当にとって大きなメリットですし、お褒めの言葉をいただいた時は誇りを感じます。
時には選手から部材の詳細や他社製品との構造の違いなど、想定よりも専門的な質問をいただくことも。私は昨年1月に異動してきたばかりということもあり、初めて会場入りした5月の第2戦では選手からいただいた質問に一人では十分な回答ができず、悔しい思いをしました。その悔しさをバネに、設計の傍ら先輩方の応対を見聞きしたり、研究データを読み込んだりと、情報のインプットを続けています。
現場でのコミュニケーションはタイヤ開発の大きな推進力です。そして、モータースポーツは「走る実験室」として、その活動で培った知見・技術でレース用タイヤ以外のタイヤの品質向上を後押ししています。今後もより良いタイヤを追求し、ここで培われた技術が市販のプレミアム商品にも貢献するという意識をもって開発に向き合っていきます。
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