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「現物現場」で商品供給を学んだドミトリイさんにお話を伺いました

(株)ブリヂストンは、ウクライナ避難民学生・留学生の受け入れを行う日本経済大学の取り組みに賛同し、同大学が受け入れる学生に対し、2022年からインターンシップを実施しています。

今年も2/5~2/16の期間でインターンシップが実施されましたが、今回は受入を行ったBSJPタイヤ生産供給企画部の皆さんと、インターン生のヤコブレブ・ドミトリイさんにお話を伺いました!

(左から)BSJPタイヤ生産供給企画部 BSJPタイヤPSR・TBR供給企画課の岩尾さん、同課課長の大山さん、ヤコブレブ・ドミトリイさん(インターン生)、生井さん

Arrow編集部 ドミトリイさんがブリヂストンのインターンシップに参加しようと思ったきっかけを教えてください。

ドミトリイさん 2022年に来日したのですが、ウクライナにいた頃から日本に興味がありました。将来は日本の会社で働きたいと思っています。今回、ブリヂストンのインターンシップに参加した理由も、いずれ始まる就職活動の前に、日本企業の仕事の様子を見る貴重なチャンスだと思ったからです。
Arrow編集部 以前から日本に興味を持たれていたんですね。今回、(株)ブリヂストンのBSJPタイヤ生産供給企画部の皆さんがドミトリイさんを受け入れたわけですが、普段はどういう業務を担当されているんですか?

大山さん 私たちの部は、乗用車用のタイヤから特殊タイヤまで、国内で生産される商品の供給計画をつくる役割を担っています。同じ部門には国内工場の生産を計画する部署や、国内物流の予算のオペレーションを管轄する部署がありますが、それらの部署と連携しながら、供給計画をつくっています。
Arrow編集部 商品の供給をハンドリングする重要な役割ですね。今回、ドミトリイさんを受け入れることを決めた理由はなんですか?

大山さん インターンシップの概要について連絡を受けた際に、我々の部門内のどの部署で受け入れるのが留学生にとって良い経験になるのかな?という話をメンバーとしました。中でもBSJPタイヤ生産供給企画部は、海外輸出向けも含めた、国内生産品の供給をコントロールする部署で、グローバルと連携した調整業務も存在しています。こういう日本と海外との繋がりを意識できる業務は、留学生にとってもイメージがしやすく、将来の仕事にも活きるのではと考えました。また、今回のインターンシップに限らず、外部の方を受け入れるという機会はなかなか得られません。自分達にとっても大変貴重な経験になると考えました。

岩尾さん ただ、インターンシップの期間は2週間と限られていることから、部署の業務全体をドミトリイさんに理解いただくことは難しいと思いました。そこで、少し内容を絞って、我々の業務の一つである、PSI管理業務を一緒に体験してもらいたいと考えました。
Arrow編集部 PSI管理?…すみません、解説をお願いしてもよろしいでしょうか?

岩尾さん PSIは3つの言葉の頭文字から来ています。PはProduction(生産)、SはSales(販売)、IはInventory(在庫)です。商品供給を考える際に、イメージすべき考え方として「期初の在庫量+生産量-販売量=期末の在庫量」という関係式があります。この式を頭に入れながら、適正な在庫量を保つために、先々の販売予測も参考に生産量を決めていく。これを管理するのがPSI管理業務です。季節性などの要因を加味しながら、販売量の変動予測から、在庫量をどのレベルに保つべきか、そのために生産量をどう調整すべきか、関連部署と協議をしながら業務を進めていきます。

オフィスで勤務をするドミトリイさん

Arrow編集部 さまざまな要因で変動する販売予測をベースに、会社として適正な在庫量を保つべく供給を管理していく。正確な計算や、関連部署との密な連携が求められる業務ですね。ドミトリイさんはこのお仕事についてどう感じましたか?

ドミトリイさん とても多くの情報を理解していないといけないので、頭の処理が追いつかないというのが正直な感想です(笑)。ただ、部署の皆さんが、デスクワークだけではなく、タイヤの生産工場や倉庫といった現場にも連れて行ってくれたので、生産や供給のイメージができました。

岩尾さん せっかくブリヂストンに来てくれたので、「現物現場」で仕事をイメージしやすいように、インターン期間中のカリキュラムは必死に考えました。オフィスの机で数字とにらめっこしていても、本当の理解にもつながらないと思ったので、埼玉県にあるブリヂストン物流(株)の製品倉庫や、(株)ブリヂストンの栃木工場にも訪問してもらいました。
生井さん ドミトリイさんは「頭の処理が追いつかない」と謙遜していますが、本当に飲み込みが早いなと感じます。ブリヂストンに来て、知らないことばかりで大変だと思いますが、好奇心を持っていろいろと質問してくれるので、教える側としてもとてもやりがいがあります。また、得意な英語ではなく、なるべく日本語でコミュニケーションをしようと頑張っている様子も伝わってきます。我々の日本語もほぼ理解できているので、特にリスニングについては、これまでに相当努力してきたんだろうなと思います。

Arrow編集部 デスクワークだけでなく、まさに「現物現場」で商品供給をイメージできるように工夫されたんですね。ドミトリイさんから見て、部署の皆さんの印象はいかがですか?

ドミトリイさん インターンシップに参加する前はとても不安だったのですが、皆さん親切でフランクに接してくれるので、とてもありがたいです。また、ミーティングにも参加させてもらったのですが、全員がコミュニケーションを取りながらスムーズに進めていて、チームワークもとても良いんだなと思いました。

課内のメンバーとミーティング

Arrow編集部 ドミトリイさんが来てから、受け入れ側の皆さんが感じた職場の変化や気づきなどはありましたか?

大山さん 我々が普段やっていることは、外部の方にとっては簡単に理解できないことなんだと改めて実感しました。ただ、今回のインターンシップのように、「現物現場」でいろんなものを見てもらうことはとても大切なんだという気づきにもなりました。新入社員や異動者を受け入れる際に、ドミトリイさんを受け入れた経験は大いに活きると思います。

生井さん ドミトリイさんや海外の方に限った話では無いのですが、相手に自分の説明を理解してもらうためには、本当に丁寧なコミュニケーションが必要なんだな、と改めて気づかされました。個人的にはドミトリイさんと過ごした2週間を通じて、「こうすれば相手に伝わるんだ」というコツを掴めた気がします。

ドミトリイさんの質問に丁寧に応える大山課長

Arrow編集部 受け入れた皆さんにとっても学びのあるインターンシップだったんですね。ドミトリイさんの将来に向けて、エールをお聞かせください。

生井さん 今でも日本語でジョークを言えるくらいなので、特に私から言うほどでもないのですが、ご本人が更に伸ばしたいと仰っているスピーキングについて、これからも努力を続けてほしいですね。

岩尾さん 何かを吸収しようという好奇心旺盛な姿勢、わからないことを自分で調べる積極性、一生懸命メモを取る勤勉さなど、ドミトリイさんには多くの素晴らしい長所があります。これからも変わらず、大切にしてほしいです。

大山さん 将来、日本で働くという夢を叶える。また叶えたその後にも、今回のインターンシップでの学びや経験を活かしてくれると嬉しいですね。またどこかで一緒に仕事ができる日がくるかもしれませんし、その日を楽しみにしています。

ラップアップミーティングで堂々とインターンシップの成果を発表するドミトリイさん

Arrow編集部 最後にドミトリイさんから意気込みをお願いします!

ドミトリイさん 今回のインターンシップを通じて、日本で働きたいという気持ちがより強くなりました。これからも日本語の勉強を続けながら、大学で専攻している経済学の勉強ももっと頑張って、日本で働くという夢を叶えたいと思います!

ラップアップミーティング後のフェアウェルパーティー、BSJPタイヤ生産供給企画部長の佐藤さん(右から2番目)も加わって一緒に記念撮影

編集後記:Arrow編集部より

得意な英語を使わずに、すべて日本語で質問に答えてくれたドミトリイさん。インタビュー中は、BSJPタイヤ生産供給企画部の皆さんが彼の受け答えをサポートしていましたが、ドミトリイさんも、冗談を言って場を和ませようとする姿が印象的でした。それぞれが思いやりの気持ちを持った素敵なチームだと思います。またいつの日か、皆で一緒に仕事ができる日が来るといいですね!

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