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2023年国内販売数量 No.1! 世界最高峰のゴルファーたちを支える、ブリヂストンのゴルフボール

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ブリヂストンスポーツ株式会社(以下ブリヂストンスポーツ)は、2023年、国内販売数量No.1を獲得しました! 店頭で最も売れたゴルフボールブランドを世に送り出し、更なる進化を続けているブリヂストンスポーツ。今回はゴルフボールに着目し、その奥深い世界を紐解きます。既にゴルフを楽しんでいる方もそうでない方も、ぜひご覧ください。
※2023年ゴルフボールブランド別年間国内販売数量ベース 
出典:株式会社矢野経済研究所小売店実売動向調査「YPSゴルフデータ」 2024年1月現在

ブリヂストンスポーツが歩んできた、 ゴルフボールの進化

創業翌年の1932年からブリヂストンはゴルフボールの開発を始めました。当時は日本のゴルフ人口がまだまだ少ない時代でした。そして、1935年には第1号の国産ボールを発売し、その後もさまざまな革新的技術を搭載したゴルフボールを世に送り出しています。その性能は国内外から高い評価を受け、プロ/アマチュア問わず多くのゴルファーから認められています。

そして、商品開発において技術革新を追い求める姿勢はもちろんのこと、店頭での販売量を拡大するための諸施策の実行、生産部門での量産体制構築など、各現場での取り組みの結果、「2023年国内販売数量」No.1を獲得することができました。

タイヤとゴルフボールの共通点「接点の科学」に情熱を注ぐ

ゴルフは、クラブとボールがコンタクトする、たった1/2000秒の「接点」ですべてが決まるスポーツと言われています。「接点」へのこだわりはタイヤと通ずるものがあり、ブリヂストンのゴルフボールにはタイヤ開発で培われた解析技術などが活用されています。更に最近では、サステナブル素材の材料開発においても連携を深めています。

ユーザーの声が開発の原動力に

ユーザーとの「接点」も、ゴルフにとって大切な要素の一つ。新商品開発は企画・販売部門がユーザーの声を集めてくることから始まります。小売店の担当者や購入者から寄せられたご意見の他、お客様のスイングに合わせて最も飛ばせるボールとクラブをご提案するボールフィッティングイベント、各地区のゴルフ連盟が主催するアマチュア向け研修会で挙げられた要望など、ゴルフボールに対するさまざまなニーズを分析しています。
また、商品開発には国内外で活躍する契約プロからもご協力いただいています。中でも2024年2月に新しく発売した「TOUR B  X/XS」は、長年世界のトップで活躍しているプロゴルファー、タイガー・ウッズ選手(以下ウッズ選手)の要望に応えるべく開発された注目のゴルフボールです。その仕上がりに、ウッズ選手から「ブリヂストンの開発者たちはGenius(天才)だ!」と称賛の声をいただきました。

一体どのように開発されているのでしょうか。
知っているようで知らない? ゴルフボールの中身
ゴルフボールの中心には、ゴムでできた「コア」(もしくはセンター)と呼ばれる芯があります。それを「インナーカバー」や「アウターカバー」と呼ばれる薄い樹脂の層で包んでいます。

コア、インナーカバー、アウターカバー、それぞれの材料の反発性や硬さ、厚みなどに加え、ボール表面のディンプルの形状や塗装など、ボールの性能を決める要素はいくつもあります。ゴルフボールの商品開発では、ユーザーが求める性能を実現するためにこれらの最適な組み合わせを研究しているのです。

Geniusな開発チームが探求し続けた性能と音の関係

前作である2022年モデルの「TOUR B X/XS」は国内外の選手からの評価が高く、2024年モデルの開発にあたって「あまり変えないでほしい」という声もいただいたほどでした。そこで大幅に刷新はせず、ゴルフボールとして求められる基本性能は進化させつつも、打った時のフィーリングを向上させる方向での開発を進めました。しかしフィーリングの向上は、開発チームにとって困難の連続でした。
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ブリヂストンスポーツ
ボール商品開発部
部長

笠嶋 厚紀さん

1994年の入社以降、ゴルフボール開発一筋。ディンプルや成型用金型を担当したのち、2007年からはアマチュア用ボールの開発を担う。2014年からはプロ/アマチュア両方のボール開発を統括している。

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ブリヂストンスポーツ
技術開発本部 技術開発室
室長

甲斐 雅貴さん

1995年に入社し、日米での計測・評価を中心にゴルフギア及びレッスンやフィッティングの技術開発に広く携わる。現在は新商品開発における計測・評価、ブリヂストンゴルフ公式アプリのスイング解析機能の開発を担当。

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ブリヂストンスポーツ
ボール基礎技術開発部
部長

永沢 裕之さん

1997年に入社し、ゴム開発に携わる。分析業務やウレタン材料の開発担当を経て、2018年からはゴルフボールを構成するすべての素材の材料開発を担当している。

“音”からスタートしたボール開発

「欲を言えば、あと少しアプローチでの『ディープ感』が欲しいな」。

ゴルフボールの開発チームへそうリクエストしたのは、世界的なゴルファーであるウッズ選手でした。2017年、「ブリヂストンのボールを使いたい」 と、ウッズ選手からアプローチがあり、ブリヂストンスポーツと契約しました。打感に対する感覚をこれまで何度もすり合わせてきた開発チーム。彼らでさえ、ウッズ選手の言う「ディープ感が欲しい」というリクエストに最初は何のことを言っているのかわからず、頭を悩ませたと言います。

商品開発部の笠嶋さんは言います。「『ディープ感』はウッズ選手ならではの表現です。それも何か一つの性能・状態ではなく、さまざまなポジティブな要素が合わさった状態を指していることがこれまでの対話でわかっていました。より良い商品を目指すためには、この『ディープ感』の正体を暴き、解決しなければならなかったんです」。

その言葉を紐解くヒントは音にありました。計測・評価を担当した甲斐さんは言います。「ウッズ選手はゴルフボールがクラブに吸い付くような、“乗り感”を好む傾向がありました。逆に好みでないのは、ボールを打った時にクリッキー(マウスのクリックのような、カチカチというプラスチック音)な音がするもの。私たちは“乗り感”があり、クリッキーな音がしない軟らかさを感じられるものを『ディープ感』と表現しているのではないかと考えたんです」。

そこで、甲斐さんを中心とした計測・評価チームは打音を数値化。「ウッズ選手の感覚的な表現を定量化するため、打球音の周波数解析を行ったところ、クリッキーな音とは打球音のある特定の高周波成分であることがわかり、これを抑える材料・構造を目指す方向性が固まりました」。

打音データの周波数を見える化したもの

ゴルフにおける「音」の大切さ

ゴルフにおいてボールを打った時の音はプレーにも影響します。野球のように球の球速や回転数、高さなどが一球ごとに異なる競技と違い、ゴルフは静止したボールを打つスポーツ。自分がどこにどのように飛ばしたいかイメージして打ちます。イメージには打感も含まれ、その打感の大部分は音からくるものと基礎研究でもわかっています。打った時の打感、つまり音がイメージと異なると思った通りのショットが打てず、結果的にスコアが乱れてしまいかねないのです。

「飛ぶのに、止まる」二律背反の性能を極め続ける

ウッズ選手の求める「ディープ感」を叶えるために。笠嶋さんは言います。「ボールの一番外側にあるアウターカバーに軟らかい材料を採用することで、アプローチショットの際のクリッキー音は抑えることができます。ただそれではスピンがかかりやすくなってしまい、ドライバーショットのように飛距離を出したい場面では、思うように飛ばなくなってしまいます。これまでも開発チームが追い求めてきた『飛んで、止まる』というゴルフボールの永遠の課題と改めて対峙することになったんです」。開発チームは頭を悩ませ、アプローチショットに大きな影響を及ぼすアウターカバーと、ドライバーショットの際に内部で反発力を生み飛距離を伸ばすインナーカバー、中と外でそれぞれ異なる新材料を探し始めました。

材料開発を担当した永沢さんは「飛んで、止まる」という二律背反の性能を導き出すために「正直、とても苦労しました」と振り返ります。「材料供給メーカーからカタログや技術資料を取り寄せるところから始めました。しかしどこにも音についての記載はありません。実際にサンプルを取り寄せて手で叩いてみたり、床に落としてみたりと一つひとつ確かめるほかなかったんです。量産工場での生産性も考慮し、分子構造にまで着目しながら材料開発を繰り返しました」。

同時並行して、笠嶋さんや甲斐さんらはテストセンターのショットロボや高速度カメラを使ってスピンのメカニズムを分析。どの部分にどのような材料を使用して組み合わせたら良いか、最適解を科学的に導き出していきました。

ブリヂストンスポーツテストセンターで使用しているショットロボ。スイングスピードやスピンや打出し角などの打撃条件を自在に設定でき、一定の条件でデータを収集できる。

「Genius!」ウッズ選手が評価したのは……

検証の結果、「アウターカバーに衝撃吸収材を新たに配合することでディープ感を付与し、ゴルフボールがクラブに吸い付くような“乗り感”を実現できることがわかりました。また『NEWリアクティブiQ・ウレタンカバー』と称するこのアウターカバーはクリッキーな高周波音を抑える効果だけでなく、傷つきにくく長く使えるという性能もプロに評価されています。量産体制の構築のみならず、数千個にわたるプロトタイプ生産で新材料検証を支えてくれた関工場には大変感謝しています」。
更にインナーカバーも従来からパワーアップ。「剛性や比重などを調整したNEWハイスピードインナーカバーによって、ドライバーショットなど強い力を加えた時に大きな反発力を生み出します。これによって飛距離は向上。スピンも抑えられ、風に強い弾道を実現しました」。
ボールに傷が付くとどうなる?

ゴルフボールの表面には、ディンプルと呼ばれる小さな凹凸があります。ディンプルは、ボールが飛んでいく際の空気の流れを整え、空気抵抗を低減する効果があります。もしボールに傷が付いてしまうと、本来のディンプルの性能を発揮できず、飛距離が出なくなったり、ボールがまっすぐ飛ばず、曲がってしまったりする等の影響が出てしまうのです。

ボール表面の凹凸がディンプル

こうしてできあがったプロトタイプは、2023年秋に再びウッズ選手の元へ。試打後、ウッズ選手はこんな言葉を開発チームへ送りました。「アプローチなど短い距離のショットではスピン性能をアップ、ドライバーなどのロングショットでは飛距離をアップしてくれた。長年素晴らしいボールを生み出しているブリヂストンの開発陣はGenius(天才)だ。彼らにそう伝えてほしい」――。

開発チームは喜びを噛み締めました。「“モノ”ではなく開発した“人”に対して評価いただけたことは非常に誇らしかったですね。試行錯誤しながら進んできた道は間違いではなかったんだと確信が持てました」。積み上げてきたウッズ選手との信頼関係と、「飛んで、止まる」という二律背反に対して真っ直ぐに向き合い続ける開発チームが、ゴルフボールの新しい境地を開いた瞬間でした。

2024年2月、新しい「TOUR B X/XS」の販売がスタートしました。長年「接点の科学」を突き詰めてきた開発チームですが「まだまだ進化の余地はあります」と口を揃えます。「ウッズ選手との契約は、ウッズ選手側からブリヂストンに声をかけてくださったことからスタートしました。あらゆるメーカーのゴルフボールを試し打ちして、ブリヂストンのものを使いたいとおっしゃってくれたんです。この時のように、多くのプレーヤーが『使いたい!』と思うようなゴルフボールをつくり続けること。これが私たちの目指す先です」。

ゴルフを楽しむすべての人の夢を載せて。世界で活躍する選手の挑戦や”ゴルフのわくわく”を支え、ブランドプロミスである「最高のパフォーマンスをあなたと。」の実現に向けた挑戦は続きます。
販売数量No.1を支える生産の現場から
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ブリヂストンスポーツ (株)
関工場長 井上 道夫さん

コロナ禍において密を避けやすいゴルフは市場が拡大し、 関工場ではゴルフボール増産のため、生産体制構築を行ってきました。従業員の皆さんには、早出残業や休日出勤の他、勤務シフトも3班3交代制から4班3交代制にシフト変更をお願いしたり、設備面においてもゴルフボール成型機の増設をしたりと増産に取り組んできました。それでも需要に追い付かず、採用にも力を入れています。従業員数はコロナ禍前の2020年から 1.7倍に増え、ベテラン従業員は新人教育に奮闘しながら高い品質維持に取り組み、新たに加わった仲間は先輩のサポートを受けながら日々成長しています。

お客様に1ダースでも多く使っていただくための取り組みの結果、 2024年は2020年比1.7倍の生産数量を計画しています。今後も工場と開発、販売が一体となり、お客様に高品質なブリヂストンのゴルフボールをお届けできるよう取り組んでいきます。

現在も積極的に採用活動を行っているので、興味のあるお知り合いの方がいればお声がけのほどよろしくお願いします。

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BSP人事さん

井上工場長からのメッセージにありますブリヂストンスポーツ関工場の求人情報下記にございます!

https://www.bs-sports.co.jp/recruit/seki/

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