【師匠と弟子】考え抜く姿勢が、「最高の品質」を生み出していく

農業機械や建設機械の足元を支えるゴムクローラは、1968年にブリヂストンが世界に先駆けて開発した商品です。今回の「師匠と弟子」では、熊本工場でゴムクローラの加硫工程を担当している福永 竜彦さんと仲山 雄将さんにお話を伺いました。


師匠
(株)ブリヂストン
熊本工場 製造第2課 第1クローラ係 職長
福永 竜彦さん
(1989年入社)
相手の第一印象 | 自分の意見をしっかり言う子 |
---|---|
相手に直してほしいところ | 考え過ぎず、本能で突き進め! |
相手の尊敬するところ | 素直さ |
相手を動物に例えると | 馬(賢くて素直だから) |
相手に望むこと | あなたが上司、わたしが部下になったときはお手柔らかにね |


弟子
(株)ブリヂストン
熊本工場 製造第2課 第1クローラ係 職長補佐
仲山 雄将さん
(2008年入社)
相手の第一印象 | 怒らせないようにしよう |
---|---|
相手に直してほしいところ | 特にありません |
相手の尊敬するところ | 判断力、リーダーシップ |
相手を動物に例えると | ライオン(リーダーシップを発揮して班をまとめ上げていたから) |
相手に望むこと | これからもよろしくお願いします |
自分の意見をしっかり言う子 | 相手の第一印象 | 怒らせないようにしよう |
---|---|---|
考え過ぎず、本能で突き進め! | 相手に直してほしいところ | 特にありません |
素直さ | 相手の尊敬するところ | 判断力、リーダーシップ |
馬(賢くて素直だから) | 相手を動物に例えると | ライオン(リーダーシップを発揮して班をまとめ上げていたから) |
あなたが上司、わたしが部下になったときはお手柔らかにね | 相手に望むこと | これからもよろしくお願いします |

2006年に(株)ブリヂストンEMKに入社して、その後に(株)ブリヂストンでのアルバイトを経て、2010年に正社員になりました。同じ年に、班の職長に就任されたのが福永さんでしたね。

仲山くんの第一印象は「生意気な青年」かなあ。でもこれは褒め言葉。自分の意見をはっきり言う、しっかり者っていう意味だよ!

福永さんがよく「考えながらモノをつくれ」とおっしゃっていたので、それを忠実に守っていたんですよ!(笑)。福永さんから何か言われる前に、自分の頭で考えて、先回りして行動することを意識していました。

うんうん、指示を受けたらもっと良い方法がないか考えてから実行していたね。上司の立場からするとヒヤヒヤすることもあったけど、蓋を開けてみれば良い成果を出していたから、これはリーダーの素質があるな、と。細かく指摘し過ぎずに見守ってきたつもりだよ。

ありがとうございます。ゴムクローラの加硫工程は特に考える力が品質に直結する工程だと感じています。約20種類の部材を金型の上に一つひとつ並べるなど、手作業の多い工程ですから。作業標準書のとおりに並べたつもりでも、それぞれの部材のほんの僅かなズレが外観不良につながってしまいます。

金型の印に合わせて部材を正確に並べるって、簡単そうに聞こえるけれど本当に難しく、奥深い世界だよね。いかにきれいに仕上げられるかは、まさに職人の美学。

しかも、熊本工場で製造するゴムクローラは幅が100㎜の小さいものから、1mの大きなものまで多種多様。品種ごとに組み合わせる部材の種類や重ね方、外観不良が出やすい場所も変わってきますから、探究心が尽きません。

加硫機でどのようにプレスされるのか、ゴムの流れを想像することがミソなんだよな。

正直、最初の頃はゴムの流れなんてさっぱり分からなかったです。先輩方に教わりながら数をこなしていくうちにだんだんと分かるようになりましたが、それでも5年はかかりましたね。徐々に不良品の数も減ってきて、やっぱり考え抜く姿勢って大切なんだなって。

起こった事象の背景を考え抜くことが成長の一番の近道になるからね。

現物現場の大切さを教わったのも福永さんからでした。トラブルを報告するとすぐに現場に来てくれましたよね。ただ、電話で報告する時は大変でした。事実だけでなく、「自分なりの対応策や見解まで情報を揃えるのが報告だ」って、よく指摘されました。

職長って、1直のうちに電話が4〜50回鳴るんだよ。1件あたり5分くらいで解決していかないといけないから、報告を受けても情報が揃っていないと正しい判断ができない。だから口酸っぱくお願いしていたんだ。

す、すごい電話の数ですね…。判断力はどのようにつけていったんですか?

海外の工場で過ごした経験が大きいのかもしれない。アメリカの工場でのプロジェクトや、ポーランドでの工場立ち上げにも携わったことがあるんだけど、一緒に仕事をしたのは、言語だけでなく、育ってきた文化や考え方も異なる多様なメンバー。そんな仲間達に納得してもらって動いてもらうためには、さまざまな情報に基づき、正確な判断をして、粘り強く説明していくことが大切だって痛感したよ。

そうだったんですね。2016年に熊本地震が発生した時も、今どうするべきか、福永さんや他のリーダーの皆さんが慎重に判断を重ねながら対応しましたよね。

僕もよく覚えているよ。本震が起こったときには照明も割れて停電で真っ暗になってね。それでも工場から1人もけが人を出さなかったことは何よりだったし、自分たちの当時の対応を誇りに思っているよ。もう1つ、仲山くんとの思い出といえば2017年のJリージョンTQM大会に一緒に参加したことだな。

クローラ部材の前処理工程の改善事例を発表した時ですね。化工品代表として、グローバル大会を目指してみんなで一生懸命準備しました。

改善活動そのものもそうだけど、大会に向けた準備も含めてすごく良い経験だったんだよね。新しい景色が見えた感覚があって、次の世代にも味わってほしい、つなげていきたいって強く思ったよ。その役回りは仲山くんに期待したい!やらないかんよ。

まずは職長補佐の仕事を全うして、一人前になることを目指します!師匠、これからもよろしくお願いしますね。
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