【こんにちはアローです!】“人”の力がブリヂストンブランドをさらに輝かせる

今回はブリヂストンリテールジャパン(株)代表取締役社長の田中さんにお話を伺います。
「こんにちは田中さん、今日はよろしくお願いします!」
ブリヂストンリテールジャパン(株)代表取締役社長
田中 浩二さん
福岡県出身。1993年に(株)ブリヂストンに入社し、自動車用品事業でバイヤー業務を担当。その後、バン・小型トラック・バス用タイヤの商品企画や西日本支店でのリプレイスタイヤ販売に従事。2014年からは秋田カンパニー(現在の地区本部)の社長を務め、ブリヂストンタイヤジャパン(株)(現 ブリヂストンタイヤソリューションジャパン(株))執行役員などを経て、2019年にブリヂストンリテールジャパン(株)の代表取締役社長に就任。
- 幼少時代の将来の夢
-
テニス部の顧問となって選手を育てる
中学生の頃に始めた軟式テニスに熱中し、大学卒業まで続けました。特に中学・高校時代の監督にお世話になり、その方への憧れから一時は教師を目指していました。ただ、ブリヂストンスポーツ(株)がテニス用品を展開※していたことや、地元・福岡県がブリヂストン創業の地で抜群の知名度を誇っていたことなどから、最終的に今の道を選びました。
※ブリヂストンスポーツ(株)のテニス事業は2020年末に撤退しています
- ご自身の性格を一言で表すと?
-
竹を割ったような性格
昔から即断即決派。中途半端な状態で放置はせず、きちんと答えを出します。もちろん、決めたことには全力投球! 日々決断を迫られることが多いので、即断即決思考は仕事に役立っていると感じます。周りからは「もっと悩んだほうが良いのでは?」と言われることもありますが…。
- 愛用しているブリヂストン商品
-
「REGNO」
愛車に装着しているのは乗用車用プレミアムタイヤ「REGNO」です。通勤には電車を使いますが、休日は妻や娘の運転手も兼ねて(笑)、ドライブを楽しんでいます。
- リフレッシュ方法
-
軟式テニス、飲み会
子どもが大きくなって自分の時間を持てるようになったため、約2年前から地域のクラブに入会し再びテニスを楽しんでいます。汗を流すと気分爽快! 日焼けで真っ黒です!
- ブリヂストンに入社して驚いたこと
-
ブランド力の高さ
名刺を出した時にブリヂストンのことを知らないというお客様に今まで出会ったことはありませんし、販売の現場でもブリヂストンの商品を“選んで”くださっている方が非常に多くいらっしゃいます。また、コクピットやタイヤ館では、スタッフの接客力や作業の丁寧さがタイヤの購買意欲にもつながるので、人財もブランド力の大切な要素だと捉えています。
今までのキャリアにおいて、印象に残っている「失敗」のエピソードについて教えてください。
入社してすぐ、工場実習中に起こしてしまったあの出来事は一生忘れられません。彦根工場の押出工程でタイヤの製造を学んでいたある日、設備トラブルが発生。先輩方と共に機械からゴムを取り出し、別の場所へ運ぶ作業にあたりました。慌ただしく1日が終わり、社宅へ戻って同期たちとくつろいでいると職長から電話が入り、「田中君、名札はあるかな?」と。確かめてみると、作業服の胸ポケットに留めていたはずの名札がありません。出荷前の検査工程で、割れた名札がタイヤから発見されたと知らされたのです。機械からゴムを取り出していた際、気付かぬうちに名札がゴムにくっついてしまったようで、ゴムと共に成型、加硫と各工程を進んだ名札はバラバラに割れ、結果的に約3,000本のタイヤが出荷停止となる事態になりました。多大なる損害を出してしまった事態に背筋が凍り、間違いなくクビだ…と眠れぬ一夜を明かしました。
翌朝、重い足取りで出社したところ、事実確認はあったものの私をとがめる人は誰1人としていませんでした。いっそ叱り飛ばしてくれた方が楽だったかもしれません(笑)。この一件を通じて、今後自分に部下ができたなら失敗の全責任を負う覚悟を常に持っていようと心に決めました。誰かが一生懸命にやったこと、悪気のないことを責めることは上司の役割ではありません。社長となった現在も、この出来事を思い出しながら自分を律しています。

ご自身の人生におけるターニングポイントを教えてください。
ブリヂストンタイヤジャパン(株)で秋田カンパニー(現 ブリヂストンタイヤソリューションジャパン(株)の秋田地区本部)の社長を務めた2年間です。西日本支店や北日本支社での勤務経験もあり、現場のことはそれなりに分かっているつもりでした。しかし、秋田カンパニーでは想像以上にお客様との距離が近く、信頼関係を積み上げるためにさまざまな試行錯誤が必要だと痛感しましたね。私も社長として取引先との関係づくりに奔走。商品を通じていかにお客様のお役に立てるのかを丁寧に伝えました。距離が近いからこそ、ご提案に対するお客様の反応がすぐにわかる点は魅力でした。
また、秋田県はコミュニティのつながりが濃い地域です。私の知らぬうちに顔が知れ渡っていたようで、スーパーでの買い物中にお客様から突然話しかけられた、なんてことも。自分の立ち振る舞いや言動が周囲に大きな影響を与えるのだと、自覚が芽生えた時期でもあります。
経営において大切にしていることを教えてください。
コクピットやタイヤ館で取り扱う商品は、他社さんの店舗でも購入できるものがほとんど。適正価格での販売を目指している私たちにとって一番の競争力は、やはりお客様一人ひとりに合った“One To One”の接客です。人財を育むために、昨年から新しい評価システムを取り入れました。接客・作業技術・デジタルの3つのスキルについて細かく項目を立て、半年に一度棚卸しする取り組みです。自分の現在地を把握して次なる目標を立てることで、モチベーションアップにつなげています。
また、現場でのコミュニケーションも大切にしていて、月に2〜3回は店舗を訪問しています。本社から発信した情報がきちんと届いているか、現場の反応はどうかなど、課題の吸い上げに繋げられますから。次なる施策について率直な意見をいただくことも。日々お客様と誠実に向き合われている姿から、元気をもらっています。ちなみに、今日もこれから北海道の店舗に行きます。

冬商戦に向けた意気込みをお願いします。
昨年の記録的暖冬や物価高が影響し、お客様の消費マインドは冷え込み気味で、今年も厳しい冬商戦が想定されます。今年は販売施策のキャンペーンと連動させた「スタッドレス購入意向アンケート」を前倒しで実施しています。スタッドレスタイヤの購入を予定・検討されているお客様、つまり見込み客をリストアップし、より効果的な販促アプローチを仕掛けています。「しっかり止まる、曲がる」という乗用車用スタッドレスタイヤ「BLIZZAK」の商品力を改めて訴求するとともに、また利用したいと思ってもらえるような満足度の高い接客で、リピーターの獲得を目指していきます。
加えて、現場の皆さんには、繁忙期だからこそ体調管理やタイヤ交換作業時の事故・けがには一層の注意を払っていただきたいと思います。明るく前向きに、冬商戦を乗り越えたいですね!
ブリヂストンリテールジャパンの皆さんへメッセージをお願いします。
ブリヂストングループをリードする会社になりたいですね。今、自動車産業を取り巻く環境は大きく変化しています。一人ひとりが消費財ビジネスの市場価値を生み出し、ブリヂストンを引っ張っていく存在であるという自覚を持って、環境の変化に対応し続けましょう。
そして、失敗を恐れずにチャレンジしていただきたいです。失敗も1つの成果ですし、挑戦の過程での気づきはモチベーションにも繋がります。現職に就任してから最初のチャレンジとなった集客施策のデジタル化では、抵抗感を示す方もいらっしゃいました。それまでは、紙のチラシを配布して集客を行っていたのですが、自分たちが一消費者という立場で買い物をする際、まずやることと言えば、インターネットで検索じゃないかと。必要性を粘り強く伝えながら数年がかりで整備を続けることで、タイヤ館のWebサイトやSNSを通じて来店機会を増やすことができましたし、顧客情報をデータ化したことで、サービスの質の底上げにもつながりました。長い道のりでしたがやり切って良かったと感じています。
新しいことにチャレンジするにはそれなりにパワーも必要ですし、予想だにしなかった壁と向き合うこともあるでしょう。そんな時こそ、できない理由ではなく「どうすれば乗り越えられるか」を考えることで、ゴールに近づくことができますよ。

※「コメントする」を押してもすぐにはコメントは反映されません。
管理者にて確認の上、反映されます。コメント掲載基準については こちら をご覧ください。
尚、投稿者につきましては、管理者でも特定できない仕様になっております。