アートシンキングを体験

仕事をする上で大切な、ロジカルシンキング、デザインシンキング、アートシンキングの3つの考え方。
ロジカルシンキングは皆さんも良くご存じのとおり、論理的に分析し、課題解決すること。そして言葉の意味合いがよく似ている、デザインシンキングとアートシンキング。これらの違いをご存じですか?

8月28日、東京・小平のBridgestone Innovation Park(以下、BIP)で、アートを通じた新たな社会価値の創出につなげることを目的としたワークショップイベントが行われました。このワークショップを企画した(株)ブリヂストン 共創推進統括部 オープンイノベーション推進課の山田さんと、ワークショップ講師の流(ながれ)さんにお話を伺いました。

ワークショップに参加した従業員の皆さんの作品

なぜアート思考が必要なのか?

Arrow編集部 改めて、デザインシンキングとアートシンキングの違いを教えてください。

山田さん デザインシンキングはお客様の困りごとをお客様以上に理解し、共感するというところが出発点なのに対し、アートシンキングは直感や本能を大切に、美意識をもって突破する力です。
変化が激しい時代に求められるのは、問題提起力、価値想像力と一般的に言われており、既存の枠にとらわれずに新しいアイデアを生み出すアートシンキングの考えはとても重要です。

Arrow編集部 いわゆるVUCAの時代において、アートシンキングの考えが役に立つということなんですね。
※Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)

山田さん そうですね。今回のワークショップでは、現代アートの第一線で活躍するアーティストの流 麻二果(ながれ・まにか)さんを講師として迎え、アーティストの視点や思考を皆さんに学んでいただきます。見えないものを生み出すアーティスト。アーティストの作品には、彼らのそれまでの生き方や人生観などが表現されていると言います。

流さん 現代アートは今を生きている一人のアーティストの「目線」残す作業です。アーティストのバックグラウンドにも注目して作品を見ると、そのアーティストの目線を疑似体験でき、自分自身の可能性を広げることができます。また、色というのは、100人いれば100通りの物事の見方や感じ方があると言われています。アート作品を鑑賞することで、「何を表現しようとしているのか」「なぜその作品が描かれたのか」「作品を見て何を感じたのか」を考えることで、想像力を養うことができます。

山田さん 磨かれた想像力はビジネスの場面においても役立ちます。例えば、お客様自身が気づいていないニーズを想像してみたり、新たな商品やサービスのアイデアにもつながったりすることを期待しています。

ワークショップイベントを企画した背景や目的について参加者に説明する山田さん

直感をカタチに

ワークショップでは、参加者の皆さんが、アート思考を実際に体験。3つの色を使って自分の体験や考えを表現し、発表します。お題はいずれかの2つ。

①    これまでの人生で印象的な場面や美しかった場面を表現
②    今の日本を客観的に3つの言葉で表現

色は、14色のフィルムシートから3色選びます。色の重なりも考慮しながら透明なキューブに貼りあわせていきます。
参加者の一人、(株)ブリヂストン TBタイヤ設計第4課の落合さんは、「これまでの人生で印象的な場面や美しかった場面」を、鮮やかな黄緑色のキューブで表現しました。山登りで感じた風と匂いを表現したようです。また、「今の日本を客観的に3つの言葉で表現」するというお題を選んだ(株)ブリヂストン 探索事業開発推進部の萱嶋さん。萱嶋さんはアメリカでの滞在経験も踏まえ、日本での子育ては「不安」や「不信」を感じることが多いそうですが、子どもを見ていると「情熱」も感じられるそうです。それらを異なる3色で表現されていました。 

発表の様子

参加者からは、「今回のワークショップイベントを通じて、他者の体験から想像を膨らませる経験ができた」「多くの情報が溢れる昨今、自分の価値観を大切にしながら他者への共感力を上げることは、イノベーションを起こすのに役立ちそう」「自分自身が会社を通して社会にどのような価値を発信できるのか、一人ひとりが考えるきっかけになった」「今までになかったようなワークショップで、明日から使える具体的な思考法を体験できる今回のような活動が、組織を活気づけていくと思う」といった感想が寄せられました。
このワークショップをきっかけにアート思考が浸透し、新たなイノベーションが生まれることに期待しましょう!

流先生と(アロー君)とワークショップに参加した皆さん

今回講師としてお越しいただいた流先生の作品は、ブリヂストンクロスポイントがある東京・日本橋のミュージアムタワー京橋に展示されています。お近くにお越しの際は、ぜひご覧ください。

オフィス受付階に展示されている流先生の作品の1つ「繁り栄え Air of prosperity」

今回のアーティストワークショップの模様は、Bridgestone Open Innovation Hub (OIH) の社内向けホームページでもご紹介しております。こちらも是非ご覧ください。
【イベント情報】アート思考を体験!アーティストワークショップ「日本の色」 ~開催後報告~
※(株)ブリヂストンの従業員(BSJ)のみ閲覧可能です

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