コミュニケーションの積み重ねが心の距離を縮めていく
ブリヂストンは、事業戦略と連動した付加価値創造により、企業価値向上を図るとともに、個人の成功・自信の波及を通じて、多様な人財が輝けるようになることを人財戦略の軸としています。「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」の実現、24MBPの最優先課題である「経営・業務品質の向上」には、ブリヂストンのDNAに共感し、体現する「ブリヂストンらしい人財」が必要であり、一人ひとりの生産性・創造性の向上が不可欠です。会社の成長と従業員一人ひとりの成長の実現が両輪となるよう、さまざまな職場で取り組みを進めています。
ブリヂストンの各部門では、経営層と従業員との間で、対話の機会を大切にした取り組みが進んでいます。なかでも、(株)ブリヂストンのグローバルタイヤ生産・エンジニアリング管掌では、組織のトップを務める山﨑さんご自身が、タウンホールミーティング(以下、THM)やグループディスカッションを積極的に開催。所属メンバーとの対話を重ねてきた手応えや今後の展望についてお話を伺いました。
ブリヂストンの各部門では、経営層と従業員との間で、対話の機会を大切にした取り組みが進んでいます。なかでも、(株)ブリヂストンのグローバルタイヤ生産・エンジニアリング管掌では、組織のトップを務める山﨑さんご自身が、タウンホールミーティング(以下、THM)やグループディスカッションを積極的に開催。所属メンバーとの対話を重ねてきた手応えや今後の展望についてお話を伺いました。

(株)ブリヂストン
グローバルタイヤ生産・エンジニアリング管掌
山﨑 憲二さん
メンバーの違和感を払拭するために全ての意見に目を通していく
Arrow編集部 コミュニケーションを強化する施策として、THMに着目したきっかけを教えてください。
山﨑さん 2019年に私が着任する前からTHM自体は行われていましたが、私がこれに注力して取り組んでいこうと決めた背景には、就任時に実施した大きな組織変更にあります。
現在のグローバルタイヤ生産・エンジニアリング管掌の前身にあたる組織体制は、専門分野の異なるスペシャリストたちが部署ごとに固まっているものでした。もちろんメリットもあったのですが、私にとっては部署と部署との間に見えない壁があり、サイロ化しているように見えました。そこで、まずは経営戦略と連動した担うべき機能を明確化し、その機能を果たしていくために必要な組織を再設計しました。そしてその組織の役割に応じた人財を当てはめていったので、結果として1つの部署に分野の異なるスペシャリストが混在する、従来にはなかった組織体制となりました。
従来の組織体制に慣れていた所属メンバーの皆さんにとっては、当初は大きな違和感があったはず。これを取り除くべく、組織を変えた狙いや背景、そして自分の思いを積極的に伝えていきたいと思ったのがきっかけです。
山﨑さん 2019年に私が着任する前からTHM自体は行われていましたが、私がこれに注力して取り組んでいこうと決めた背景には、就任時に実施した大きな組織変更にあります。
現在のグローバルタイヤ生産・エンジニアリング管掌の前身にあたる組織体制は、専門分野の異なるスペシャリストたちが部署ごとに固まっているものでした。もちろんメリットもあったのですが、私にとっては部署と部署との間に見えない壁があり、サイロ化しているように見えました。そこで、まずは経営戦略と連動した担うべき機能を明確化し、その機能を果たしていくために必要な組織を再設計しました。そしてその組織の役割に応じた人財を当てはめていったので、結果として1つの部署に分野の異なるスペシャリストが混在する、従来にはなかった組織体制となりました。
従来の組織体制に慣れていた所属メンバーの皆さんにとっては、当初は大きな違和感があったはず。これを取り除くべく、組織を変えた狙いや背景、そして自分の思いを積極的に伝えていきたいと思ったのがきっかけです。
Arrow編集部 具体的にどのようにTHMを実施してきたのでしょうか?
山﨑さん まず、年2回行っていたTHMを、年4回に増やしました。それでも不十分さを感じたので、これとは別に、担当者4 ~ 5名ずつとグループディスカッションを行う場も、継続的に設けています。
THMでもグループディスカッションでも、参加してくれたメンバーの本音をより多く聞きたいと思っていましたが、当初はなかなか意見が出ず、事前に質問を募っても集まりが芳しくない状況でした。
そこで、私に意見や質問をする心理的ハードルが下がるよう、仕組みについても試行錯誤しながら、継続的にPDCAを回し続けたところ、少しずつですが声が集まるようになってきました。私自身も皆さんが挙げてくれた1件1件の声に必ず目を通し、自分の言葉で返すように心掛けてきました。これは今に至るまでずっと継続していることです。私と皆さんとの「対話」を続けていった結果、今では皆さんからの意見も多く出るようになりました。また、当初は多かった組織変更やTHMの開催意義に対する疑問や懐疑的な意見も少なくなり、前向きな意見が多くなっています。
山﨑さん まず、年2回行っていたTHMを、年4回に増やしました。それでも不十分さを感じたので、これとは別に、担当者4 ~ 5名ずつとグループディスカッションを行う場も、継続的に設けています。
THMでもグループディスカッションでも、参加してくれたメンバーの本音をより多く聞きたいと思っていましたが、当初はなかなか意見が出ず、事前に質問を募っても集まりが芳しくない状況でした。
そこで、私に意見や質問をする心理的ハードルが下がるよう、仕組みについても試行錯誤しながら、継続的にPDCAを回し続けたところ、少しずつですが声が集まるようになってきました。私自身も皆さんが挙げてくれた1件1件の声に必ず目を通し、自分の言葉で返すように心掛けてきました。これは今に至るまでずっと継続していることです。私と皆さんとの「対話」を続けていった結果、今では皆さんからの意見も多く出るようになりました。また、当初は多かった組織変更やTHMの開催意義に対する疑問や懐疑的な意見も少なくなり、前向きな意見が多くなっています。
自分次第で実践できることは全て対応
Arrow編集部 集まった皆さんの声は、どのように生かしていきましたか?
山﨑さん 例えばTHMでの私の身だしなみについて、「カジュアルな格好をされた方が参加者としては話しやすいです」という声がありました。当初は参加メンバーへの敬意を表しジャケットを着用し参加していたのですが、その意見を聞いてからは、ミーティング当日はカジュアルな格好をすることを心掛け、皆さんとの心の距離を近づけることを意識しています。それから、私も決して悪気があったわけではないのですが、「足や腕を組んだり、のけぞった体勢に見えたりすることがあり、威圧感があるのでやめた方がいいです」というご意見も頂きました。無意識にやっていたことでしたが、THMの場だけでなく、普段から気を付けるようになりましたね。他にも参考になる意見が多く、自分次第で実践できることについては、全て対応しているつもりです。こういう地道なPDCAの積み重ねによって、THMへの理解度や満足度も上がってきていると感じており、実施後のアンケートにもそれらが数字として表れてきています。
山﨑さん 例えばTHMでの私の身だしなみについて、「カジュアルな格好をされた方が参加者としては話しやすいです」という声がありました。当初は参加メンバーへの敬意を表しジャケットを着用し参加していたのですが、その意見を聞いてからは、ミーティング当日はカジュアルな格好をすることを心掛け、皆さんとの心の距離を近づけることを意識しています。それから、私も決して悪気があったわけではないのですが、「足や腕を組んだり、のけぞった体勢に見えたりすることがあり、威圧感があるのでやめた方がいいです」というご意見も頂きました。無意識にやっていたことでしたが、THMの場だけでなく、普段から気を付けるようになりましたね。他にも参考になる意見が多く、自分次第で実践できることについては、全て対応しているつもりです。こういう地道なPDCAの積み重ねによって、THMへの理解度や満足度も上がってきていると感じており、実施後のアンケートにもそれらが数字として表れてきています。
一人ひとりと向き合い、これからもみんなで取り組んでいきたい
Arrow編集部 THMやグループディスカッションで、参加者とはどのようにコミュニケーションをとっていますか?
山﨑さん THMでは毎回、アイスブレイクを冒頭に入れ、「何でもいいから言ってみて」と、お互いにオープンに語り合える雰囲気づくりからスタートしています。最初は皆さんが固まってしまうことも多かったですが、最近は必ず質問が出てくるようになりました。テーマを設定することもありますが、基本的には自由討議です。
一方でグループディスカッションについては、私に質問したい内容をあらかじめアンケートで募り、内容が近い質問を書いてくれたメンバーを同じ回に集めて、活発な議論ができるように工夫しています。最近ではお茶菓子を用意したりして、話しやすい雰囲気づくりを意識しています。所属員全員と会話することを目指して1年中ずっと開催していますが、一人ひとりの顔を見ながら健全なコミュニケーションができるのがメリットですね。Face to Faceの大切さを実感できる取り組みです。
山﨑さん THMでは毎回、アイスブレイクを冒頭に入れ、「何でもいいから言ってみて」と、お互いにオープンに語り合える雰囲気づくりからスタートしています。最初は皆さんが固まってしまうことも多かったですが、最近は必ず質問が出てくるようになりました。テーマを設定することもありますが、基本的には自由討議です。
一方でグループディスカッションについては、私に質問したい内容をあらかじめアンケートで募り、内容が近い質問を書いてくれたメンバーを同じ回に集めて、活発な議論ができるように工夫しています。最近ではお茶菓子を用意したりして、話しやすい雰囲気づくりを意識しています。所属員全員と会話することを目指して1年中ずっと開催していますが、一人ひとりの顔を見ながら健全なコミュニケーションができるのがメリットですね。Face to Faceの大切さを実感できる取り組みです。
Arrow編集部 その他にもコミュニケーションで意識していることはありますか?
山﨑さん 基本中の基本ですが、日々の挨拶を大切にしています。毎日、皆さんが働いているフロアから自分の執務室まで50mくらいあるのですが、出勤する際には「おはよう!」、退勤時には「お先に!」をこまめに、周囲に聞こえるよう、歩いて回って挨拶をするようにしています。挨拶をされて嫌な気分になる人はいませんし、これも大事な積み重ねだと思っています。
今では、職場の皆さん同士の挨拶も増えてきて、一人ひとりの心の距離が近くなってきたと感じています。
山﨑さん 基本中の基本ですが、日々の挨拶を大切にしています。毎日、皆さんが働いているフロアから自分の執務室まで50mくらいあるのですが、出勤する際には「おはよう!」、退勤時には「お先に!」をこまめに、周囲に聞こえるよう、歩いて回って挨拶をするようにしています。挨拶をされて嫌な気分になる人はいませんし、これも大事な積み重ねだと思っています。
今では、職場の皆さん同士の挨拶も増えてきて、一人ひとりの心の距離が近くなってきたと感じています。
Arrow編集部 今後、取り組んでいきたいことなどがあれば教えてください。
山﨑さん 一人ひとりの生産性・創造性を向上させることが、会社の成長に不可欠です。今後も対話を中心とした活動を継続し、これらの向上を図るとともに、他には何ができるか、これからも皆さんと一緒に考えて、取り組みを進めていきたいと思います。
山﨑さん 一人ひとりの生産性・創造性を向上させることが、会社の成長に不可欠です。今後も対話を中心とした活動を継続し、これらの向上を図るとともに、他には何ができるか、これからも皆さんと一緒に考えて、取り組みを進めていきたいと思います。
山﨑さん直伝! 円滑なコミュニケーションのための上司の心得
✓ コミュニケーションは双方の働きかけが大切
発する側の「こういうつもりだった」は通用しませんし、受ける側も「受け身な姿勢を取るだけ」では、建設的なコミュニケーションは成り立たないことを意識すると良いと思います。
✓ 声がけや感謝の気持ちを忘れずに
リーダーからの声がけは、特定の人に偏らず、幅広いメンバーに行うことが組織全体の雰囲気を良くします。また、会議や打ち合わせで説明・報告してくれた人への、感謝と敬意を込めた「ありがとう」の言葉は大切にしたいですね。
✓ 耳の痛い話も聞き入れる
嫌な話に対して、耳に栓をしていたら裸の王様になってしまいます。聞き入れなければならないことは聞き入れる姿勢を持つことが大事です。これは社会人である以前に、人である以上、一生取り組んでいかなければいけないことかもしれませんね。
発する側の「こういうつもりだった」は通用しませんし、受ける側も「受け身な姿勢を取るだけ」では、建設的なコミュニケーションは成り立たないことを意識すると良いと思います。
✓ 声がけや感謝の気持ちを忘れずに
リーダーからの声がけは、特定の人に偏らず、幅広いメンバーに行うことが組織全体の雰囲気を良くします。また、会議や打ち合わせで説明・報告してくれた人への、感謝と敬意を込めた「ありがとう」の言葉は大切にしたいですね。
✓ 耳の痛い話も聞き入れる
嫌な話に対して、耳に栓をしていたら裸の王様になってしまいます。聞き入れなければならないことは聞き入れる姿勢を持つことが大事です。これは社会人である以前に、人である以上、一生取り組んでいかなければいけないことかもしれませんね。

全て当たり前のことですが、自分でもなかなかできていない部分もあります。今後も基本に忠実に、さらなるコミュニケーションの強化に努めていきたいと思います。
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