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従業員のチカラを引き出す!「活きいきプロジェクト」

ブリヂストンは、事業戦略と連動した付加価値創造により、企業価値向上を図るとともに、個人の成功・自信の波及を通じて、多様な人財が輝けるようになることを人財戦略の軸としています。「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」の実現、24MBPの最優先課題である「経営・業務品質の向上」には、ブリヂストンのDNAに共感し、体現する「ブリヂストンらしい人財」が必要であり、一人ひとりの生産性・創造性の向上が不可欠です。会社の成長と従業員一人ひとりの成長の実現が両輪となるよう、さまざまな職場で取り組みを進めています。

ブリヂストングループ各社でも生産性・創造性の向上、そして、会社の成長と従業員の成長の実現が両輪となることを目指した活動が進められています。なかでもブリヂストンBRM(株)では、従業員が成長し満足する会社づくりを目指した風土改革「活きいきプロジェクト」が行われています。“従業員の成長こそが、会社が成長するための一番の原動力”という思いから、このプロジェクトが始まりました。経営陣からのトップダウンではなく、従業員自身がさまざまな取り組みを発案し、実行しています。社外から多数表彰を受けるなど、大きな成果を出しているこのプロジェクトについて、あゆみを伺いました。
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ブリヂストンBRM(株)
代表取締役社長              
須藤 克己さん

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ブリヂストンBRM(株)
人事・総務/経理本部 人事・総務部 総務課
髙杉 雅史さん

※ 須藤さん、髙杉さんのプロフィールは2024年取材時点のもの

ブリヂストンBRMを未来に続く会社にするために。 従業員が主体となって、カルチャーを変えていく

Arrow編集部 「活きいきプロジェクト」が始まった経緯を教えてください。

須藤さん プロジェクトが立ち上がったのは2017年。ちょうど私がブリヂストンBRMの社長に着任した年ですが、着任当初、社内の暗い雰囲気が気になりました。その裏には、日々の生産に追われ、仲間同士のコミュニケーションが不足しているなど、さまざまな要因がありました。

髙杉さん 私は当時から総務課にいたのですが、ルーティン業務が多く、“何かを変えて良くしていく”という面でのやりがいに欠けている感覚を少なからず持っていました。また、それは組織に所属する以上、仕方のないことだとも思っていました。

須藤さん しかし、会社を良くしていく上での主役は間違いなく従業員です。社長に就任する前、「日本でいちばん大切にしたい会社」(坂本光司著)という本を読み、大きな影響を受けました。「会社の主役である従業員が仕事をすることに喜びを感じ、幸せになって初めてお客様に喜びを提供することができる」という考え方に強く共感し、これこそがブリヂストンBRMが、これからも成長を続けていくために目指すべき方向だと思ったのです。そもそも、従業員や従業員の家族・地域社会を大切にすることはブリヂストンの創業者、石橋 正二郎さんの考え方そのものですので、違和感はありませんでした。1人でも多くの仲間に「この会社に入れてよかった」と思ってもらえるような風土を目指して「活きいきプロジェクト」を立ち上げました。

須藤さん

Arrow編集部 反応はいかがでしたか?

髙杉さん 驚きましたが、同時にやったことのないことに挑戦できるというわくわく感がありました。須藤社長の「まずはやってみよう」という声がけと真剣さにも心を動かされました。

須藤さん 「どうせまた数年経てば社長も交代するし、その後はまた元通りになるのでは?」という声もありましたね。ただ、私の思いに共感してくれた従業員がキーマンとなって、挑戦マインドが広がりました。
Arrow編集部 どのように取り組みを進めたのでしょうか?

須藤さん ステークホルダーを大切にし、人の幸せを実現する行動を継続して実践している会社を表彰する「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を、5年以内に受賞することを目標に掲げました。その上で、私自身が海外赴任時に学んだ教訓なども踏まえ、「6つの視点」から改革にトライしました。「マネジメント」「人財育成」「風土・文化」「コミュニケーション」「黒字化・顧客満足」「人事・労務制度」です。お手本となるような他社様を訪問しながら、何に取り組むべきか検討を進めました。

髙杉さん 実行メンバーは、ブリヂストンBRMで働く全国の拠点から人事部を中心に集まりました。そして毎週定例ミーティングを実施し、より良い会社になるための施策案を出し合いました。「6つの視点」それぞれに部会があり、それぞれの施策を実行しています。

須藤さん 実行した施策の数は正直数え切れませんが、印象的なものの1つとして、社会貢献活動があります。部門ごとに毎月1件以上の社会貢献活動を行っていますが、部門の責任者からは、「今ではルーティンとして、みんなが当たり前に活動をしています」という声を聞きます。本当に従業員の皆さんには頭が下がります。これはブリヂストンの企業理念や「Bridgestone E8 Commitment」の浸透にも役立っていると思っています。

髙杉さん 各活動には一人ひとりの個性が活かされています。私自身も書道の経験を活かして、お客様のお名前を毛筆で書いたウェルカムシートの作成を担当しています。工場見学時のおもてなしの一環として実施しているのですが、現在は、ブリヂストンBRM全拠点の来工者のお名前を書いています。大切に持ち帰ってくださる方も多く、やりがいを感じますね。

須藤さん 工場見学時のおもてなしの数々は、お客様から好評を頂いています。「こんなおもてなしをしたらどうだろう」という実行メンバーたちのアイデアで内容が充実していきました。実際、来工者の方からは「感動しました!」「お取引したいと思えました」という多くのお声を頂いており、ありがたく思っています。

来工者へのおもてなしの数々

活動紹介
ブリヂストンBRMで取り組んでいる、従業員の幸せと良い会社づくりの両立を目指した活動の一部をご紹介!
マネジメント
理念の浸透と実践、環境経営、健康経営、ダイバーシティを柱とした良い会社づくり

人財育成
個人別10カ年計画による計画的な育成 など

風土・文化
社会貢献活動(各拠点で毎月実施、報告)、3S活動の推進 など

コミュニケーション
サークル活動、お花見など家族を交えたイベントの開催、コミュニケーションスペースの設置 など

黒字化・顧客満足
感動する工場見学によるおもてなし など

人事・労務制度
入社3年目のお祝い表彰「夢叶式」の実施、福利厚生の充実、子育て支援 など
Arrow編集部 「活きいきプロジェクト」によって、会社にはどのような変化があったのでしょうか?

須藤さん 目標であった「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」については、2021年に審査委員会特別賞を受賞。加えて、ブリヂストングループにおける最高位の表彰、Bridgestone Group Awards(BGA)でも大賞を受賞し、従業員の誇りや自信になったと思います。加えて、最近は、企業ホームページに掲載している「活きいきプロジェクト」の活動内容を見て、採用募集に応募したという人も出てきました。

髙杉さん 会社の雰囲気は大きく変わりましたね。仕事にやりがいを感じている仲間が増え、離職率も大きく改善しました。私自身、会社に来るのがとても楽しみなんです。

髙杉さん

Arrow編集部 今後の目標を教えてください。

髙杉さん これから新しいメンバーが入ってきても活動が続けられるよう、今はマニュアル作成にも励んでいます。もっともっとたくさんの仲間とプロジェクトを盛り上げていけるように、働きかけていきたいです。

須藤さん 活動の浸透はまだ道半ばと思っています。新しく仲間に加わった従業員もたくさんいますので、活動の浸透度をさらに上げるために、引き続き愚直に、着実に活動を継続し、ブリヂストンBRMの文化として定着させていきたいと思います。従業員の活力向上のために何が良いかを考え、チャレンジしていくことが、結果として良い成果を上げられる会社づくりにつながるものと信じています。

ブリヂストンBRMから学ぶ! 従業員の幸せと良い会社づくりを 両立する活動のポイント

活動の「軸」をぶらさない
何のためのプロジェクトなのか、共通認識を持つことが大切です。軸をぶらさない、メッセージ発信と取り組みを続けることで、共感して賛同する仲間がだんだんと増えていくはずです。

目標設定
組織風土という形として表れにくい変化を捉えるために重要なのが、定量的な目標の設定。自分たちが活動に取り組む上で重要視する項目と目標を立てることは有効です。

従業員の「やってみたい」意識を尊重
従業員の意欲と意思を尊重し、「やってみたい」施策の吸い上げと実行の後押しをしましょう。これが一人ひとりの参画意欲を高めます。成功体験や失敗を次につなげることが、活動の好循環を生んでいきます。

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コメント(6)

デジ樽さん

昨年海外(インド・シンガポール)のお客様を連れて、工場見学をさせて頂きました。
工場全体がとても綺麗で整っており、皆様が活き活きと働いている姿からは、チームの一体感や誇りが伝わってきました。
お客様からも「数々のおもてなしに非常に感動しました!!」と大変興奮した感じでフィードバックを頂いております。
こうした細やかな気遣いが、会社全体の雰囲気をより一層良くしていると感じました。
また是非ご訪問させてください。

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BRM髙杉さん

コメントいただき有難うございます。
お客様にご満足いただけたこと、そしてお喜びいただけたことを大変嬉しく思います。
これからも一層の努力と進化を重ねてまいります。またのご訪問を心よりお待ちしております。

ボトムダウンさん

物凄く大切な反面、物凄く難しい取り組みだと思います。
トップからの指示で「やらされる」だけでは単なる無駄業務になってしまうし、ボトムからの意見だけでは、業務が忙しくなればすぐにかき消えてしまいます。価値ある提言をしっかり拾って実用化できるトップと、活発に意見を出せる創造的なボトム、その両輪がうまくかみ合って初めて意味のある包括的な取り組みかと思います。小さなプロジェクトからでいいから、グループ全体でこういう事ができたらいいのに、と思います。

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BRM須藤さん

コメント有難うございます。是非工場見学にもお越しください。

萬事如意さん

軸をブラさず方針を定めて、愚直なボトムアップの活動の積み重ねで企業風土を変えられた素晴らしい事例だと思います。BRM社に学んでブリヂストングループの風土も変えていけたらいいなと思いました。

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BRM須藤さん

コメント有難うございます。是非工場見学にもお越しください。

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