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極限の環境で確かめた、サステナブルなタイヤの実力 東海大学と共に挑んだ3,000km

3,000kmを走破する世界最高峰のソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge(以下、BWSC)」において、タイヤに求められるのは、軽量であることに加え、極限の環境に耐えられる耐摩耗・耐久性能、そして極限まで低い転がり抵抗だ。一方で、再生資源・再生可能資源の使用比率を高めると、品質や性能に影響が出る可能性がある。これらの使用比率を高めながら、本当に性能を維持できるのか――。

その課題にブリヂストンと共に挑んだパートナーが、東海大学ソーラーカーチームだ。双方の情熱が交わった挑戦について振り返る。
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(株)ブリヂストン
モータースポーツタイヤ・技術開発統括部門 MS技術開発課

木林 由和さん

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東海大学
情報理工学部 情報科学科                

二ノ宮 孝仁さん

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東海大学
工学部 機械工学科                   

木村 遥翔さん

性能を落とさず再生資源・再生可能資源の使用比率を高める

太陽光パネルを通じて得た電力だけで、オーストラリア大陸3,000kmを走破するBWSCでは、限られたエネルギーをいかにロスなく推進力へ変えるかが勝敗を分ける。そして、走行時に生じるエネルギーロスの大きな要因の1つがタイヤの「転がり抵抗」だ。

ブリヂストンはBWSCでのタイヤ供給を開始して以来、形状・構造・素材の全てを突き詰め、転がり抵抗を極限まで抑える検討を続けてきた。そして2025年大会では、再生資源・再生可能資源の使用比率を高めながら、従来のタイヤと同等性能以上のものを開発するという、高いハードルに挑む必要があった。この挑戦を支えたのが、東海大学ソーラーカーチームである。

高い技術力、そして実行力を持つ信頼できるパートナー

東海大学ソーラーカーチームは、約50名の学生で構成され、車両の設計から組み立て、走行まで、全てに対して、学生が主体的に取り組む。ブリヂストンでBWSC用タイヤの設計を担当した木林さんは、同チームを開発パートナーとして選んだ理由をこう語る。「チームの皆さん一人ひとりのレベルが非常に高いんです。車両の精度や運転技術にそれらが表れています」。

タイヤの実証テストでは、数ミリ単位の摩耗や抵抗の変化といった、ごくわずかな差を検証する必要がある。そのため車両のアライメントが狂ったり、複数いるドライバーの技量がバラバラだったりすると、テスト結果が「タイヤによるものなのか、車体やドライバーによるものなのか」を正確に判断できなくなる。その点で東海大学は、車両の設計精度やチームレベルが極めて高く、安定したデータを提供してくれる貴重なパートナーだ。

「実証試験では、限られた時間の中で複数のタイヤを比較するため、長距離の連続走行が必要です。非常にタイトな条件下で、ブリヂストンの要求する試験を完遂できるチームワークと対応力があります」。東海大学は、高い技術精度とチームとしての実行力を兼ね備えた存在としてブリヂストンの信頼を集めている。

大きな緊張と責任を感じて重ねた検証

2025年大会を見据えた実証テストは、秋田県・大潟村の専用コースで実施された。タイヤの摩耗を正確に確認するためには、一定以上の走行距離が必要となる。1日に約500km、3日間で約1,500km を走行するハードなスケジュール。また、本番に近い速度域や距離で走行することも、チームにとって初めての経験だった。

秋田県・大潟村で行われた実証テスト

「天気や温度の変化で路面状況が変わるなか、3日間で目標とする距離が決まっています。しかも自分たちがテストしたタイヤが他のチームでも使われるわけですから、プレッシャーは大きかったです。でも、ブリヂストンさんが信頼して託してくれている。その期待に応えようと、『絶対に走り切る』と決めて全員で取り組みました」とドライバーの二ノ宮さんは振り返る。

二ノ宮さん「プレッシャーは大きかったですが、『絶対に走り切る』と決めて全員で取り組みました」

また、マシンの整備を担当した木村さんも語る。「タイヤ以外の箇所で何か不具合があってはいけない。日の出前からみんなで準備し、事前に決めたスケジュールやそれぞれの役割や段取りをすり合わせ、チームで協力して取り組みました」。

木村さん「スケジュールやそれぞれの役割や段取りをすり合わせ、チームで協力して取り組みました」

こうした実証を数回重ね、タイヤの耐久性や安定性を検証。試験の結果、性能に問題がないことを確認し、本番で使用されるタイヤの準備が整った。

サステナビリティの追求は続いていく

2025年8月、オーストラリアで行われたBWSC本番。東海大学ソーラーカーチームは総合5 位で完走を果たした。高い比率で再生資源・再生可能資源を用いながらも、高い性能を実現できたことを、レ-スで見事に証明した。

2025年大会では、世界中から出場した34チームのうち32チームがブリヂストンのタイヤを採用。過去の大会から、上位常連の欧州勢チームも次々とブリヂストンのタイヤに切り替えており、「今や『ブリヂストンのタイヤでなければ勝てない』という声は多いです」と木林さんは語る。「極限の環境でこれだけ安定した走行ができるタイヤを開発できたことは大きな成果です。私たちはこれまでもずっとサステナビリティを追求してきましたが、それを技術の力で具現化し、対外的に示せる場としてBWSC程意義のある舞台はありません」。

木林さん「極限の環境でこれだけ安定した走行ができるタイヤを開発できたことは大きな成果です」

極限のレースを通じて、サステナビリティとパフォーマンスの両立を証明したブリヂストン。その挑戦は、モビリティの未来を切り拓く技術実証の場を通して、これからも続いていく。

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コメント(1)

究極のサステナブルさん

ソーラーエネルギーの活用ってある意味究極のサステナブルだと思ってます。太陽なくなったら私たち死んじゃうから、なくなる心配しなくていいし。ソーラーの活用には色々課題があって実現性が低いのかもですが、ぜひ今後もブリヂストンが支援することを望みます。

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