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【師匠と弟子】音楽を通じて感動や喜びを届けたい ーブリヂストン吹奏楽団久留米

師匠と弟子

1955年にブリヂストンの創業者石橋 正二郎によって創設されたブリヂストン吹奏楽団久留米(以下、楽団)。今年で創設70周年を迎え、「最高の音楽で社会に貢献」という楽団の使命のもと、地域の音楽文化向上と社員の文化活動を目的に音楽活動に取り組んでいます。今回の「師匠と弟子」に登場するのは、新旧コンサートマスター(以下、コンマス)のお2人。演奏における楽団の責任者で、楽団を支える“要”として、2023年末まで11年間にわたってその役割を担った井貝さんと、2024年からコンマスを引き継ぎ、70周年という節目のコンサートに臨む奈良さんに、2人だからこそわかるコンマスの重要さや理想のコンマス像などを語り合っていただきました。

退団した今は、楽団の一番の追っかけです

師匠

(株)ブリヂストン
鳥栖工場 製造第2課 第1成型係

井貝 謙太さん(2006年入社)

相手の第一印象 鹿児島弁なまりがあるなあ…
相手に直してほしいところ 特にありません
相手の尊敬するところ とにかく優しいところ
相手を動物に例えると 犬(忠誠心と人懐こさ)
相手に望むこと 今度飲みに行こう!
憧れの背中を追い続けて、今は自分が引っ張る番

弟子

(株)ブリヂストン
久留米工場 製造第2課 成型係

奈良 康平さん(2014年入社)

相手の第一印象 優しくて器の広い人
相手に直してほしいところ 特にありません
相手の尊敬するところ 物事を先読みするところと、自分だけでなくメンバーに献身的なところ
相手を動物に例えると 犬(周囲から頼られる存在)
相手に望むこと これからもいろんな相談に乗っていただきたいです
鹿児島弁なまりがあるなあ… 相手の第一印象 優しくて器の広い人
特にありません 相手に直してほしいところ 特にありません
とにかく優しいところ 相手の尊敬するところ 物事を先読みするところと、自分だけでなくメンバーに献身的なところ
犬(忠誠心と人懐こさ) 相手を動物に例えると 犬(周囲から頼られる存在)
今度飲みに行こう! 相手に望むこと これからもいろんな相談に乗っていただきたいです
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奈良くんが入社して、楽団のメンバーに加わったのはもう10年以上前か。僕が2023年に退団するまで、同じクラリネット奏者として9年間演奏を共にしてきたね。確か鹿児島の高校から就職したんだよね。

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はい。高校では吹奏楽部に所属していました。就職後も音楽を続けるために仕事と両立できる環境を探していました。そんな時に顧問の先生が紹介してくれたのがブリヂストンだったんです。

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僕も同じように就職先を探していたんだけど、大阪の工業高校出身の僕にとって、ブリヂストンで働きながら企業楽団として演奏を続けることのできる環境はとても魅力的だった。楽団メンバーは久留米工場・鳥栖工場の従業員で構成され、3交替勤務でタイヤを製造しながら、個人練習・全体練習を通じてスキルアップに励んでいる。仕事も音楽も妥協しないメンバーばかりだよね。入社してからは、地域貢献活動などを通じて、地元の皆さんに愛されている存在なんだというのも実感したよ。

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楽団のメンバーは、九州はもちろん、北は北海道、南は鹿児島までいろんな地域出身の方がいますね。私もそうですが、メンバーたちは、演奏会に足を運んだり、CDやYouTubeで演奏を聴いたり、入社前に楽団の演奏に魅了されて「自分も一員になりたい」という想いを持った人が多いんだと思います。

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同じクラリネット奏者として、毎月の定期演奏会や年1回の吹奏楽コンクールなど、常に一緒に演奏してきたね。ペアを組むことも多く、一番良い音を出せる関係だったと思ってる。今では新旧コンマスという立場だけど、当時は“同志”だと思っていたよ。

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ありがとうございます。井貝さんの演奏をずっと間近で見ることができて本当に勉強になりました。私が入社した時から井貝さんはコンマスで、その背中をずっと追いかけてきました。2024年からそのバトンを受け継ぎましたが、当時は本当に自分で良かったのかと不安に思うこともありました。でも、みんなから信頼されるコンマスになるために、自分なりのイメージをしっかりと持って、指揮者の先生の意図をくみ取れるよう努めています。

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謙虚で誰にでも分け隔てなく接する優しさがありながら、誰よりも練習に打ち込むストイックさを持つ奈良くんなら安心して任せられると思ってた。指揮者もコンマスはクラリネットから選ぶと決めていたし、そんな姿をいつも見てくださっていたから「奈良くんしかいない」と話は早かったね。コンマスは演奏における楽団の責任者として、メンバーを引っ張っていく姿勢も大事だけど、僕にとってコンマスは「誰よりも音楽に没頭する存在」だと思うんだ。

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音楽に没頭する存在ですか?

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演奏の質は、会場の大きさや気温、残響の長さ、お客様の人数などたくさんの要素が複雑に組み合わさることで変わってくる。どれだけ練習を重ねても、その日その場でしかつくれない音楽があると思うんだ。だからこそコンマスはメンバーを引っ張る存在として「誰よりも音楽に没頭する」ことで、会場の空気感や指揮者の意図を正確に読み取る必要がある。そうすることで全員の気持ちを1つにして、塩谷先生がよくおっしゃっていた「モノホンの音楽※」を追求することができると思うんだ。

※2011年~2012年まで指揮者を務め、2012年に亡くなられた塩谷晋平先生がよく話していた言葉。その遺志は現在も楽団で受け継がれている。
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なるほど。当時の井貝さんには、常に周囲に気を配り先読みしているという印象を持っていましたが、そういう意味だったんですね!僕も誰よりも音楽に没頭している姿を見せることで、メンバーからも指揮者からも信頼されるコンマスを目指していきたいです。

楽団が目指してきた「モノホンの音楽」について語る2人。「キレイな音の追求はもちろんですが、音符一つひとつに意味があり、団員全員がそれらを自分の中で解釈をし、和声を組み立て、その音色を共有し合っていく。そんな気の遠くなるような作業を諦めずにずっと続けていくことで、楽団が目指すモノホンの音楽に近づいていくのではないかと思います」と井貝さん

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そうだね。楽団が音楽を届けることができるのは、皆さんのサポートのおかげだと思っている。皆さんのサポートに感謝しながら、しっかりとその期待に応えていきたいね。そして地域社会への貢献も楽団の大事な活動の1つだね。

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はい。音楽を通じた地域貢献活動の1つとして、地元の中高生に指導をしています。最近では、今まで県大会に出たことのなかった中学校が、指導を通じて九州大会にまで出場することができました。私たちの指導を通じてもっと音楽を好きになってもらったり、上達するきっかけになったり、音楽を通じて社会に貢献できたことを実感できました。

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また、地域貢献の一環として、楽団員のお子さんを対象にしたレッスンも実施しているけど、職場の皆さんからも我が子を入れたいという声をよく聞くよ。子どもたちに音楽を楽しんでもらうことはもちろん、音楽を始めるきっかけを楽団が担えたらうれしいね。うちの子も大きくなったら指導してもらいたいなあ。奈良くんにはとても懐いているしね。

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いつか3人でセッションできたらいいですね!

観客席から見て、指揮台のすぐ左隣がコンマスの指定席。久しぶりに練習を見に来た井貝さんとの会話も盛り上がります。

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楽団は今年で創設70周年を迎えますが、11月30日に東京・サントリーホールで「ブリヂストン吹奏楽団久留米 東京公演 創設70周年記念チャリティコンサート」が開かれます。70周年用の特別プログラムでそこでしか聴けない曲もあるので、普段から楽団の演奏を聴いてくださっている方はもちろん、東京で開催されるこの機会にぜひ、関東の皆さんにも足を運んでいただけたらうれしいです。

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楽団OBとして、そしてコンマスの先輩として、コンサートの成功を祈っているよ。

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私たちは国内トップレベルの社会人吹奏楽団として、音楽を通じて感動や喜びをお届けするために日々研鑽を重ねています。仕事にも音楽にも本気で取り組んでいますので、これからも応援よろしくお願いします!

久留米工場のそばにある練習場。楽団員が集まって週3回、2時間の通常練習を行う他、演奏会やコンクールの前は個別練習も行われます。「全員が同じ時間帯のシフト。同じ寮の仲間も多く、自然と一体感が深まる、恵まれた環境で練習させていただいています」と奈良さん


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コメント(1)

🎺 音楽の力で地域と心をつなぐ、素晴らしい師弟の絆に大感動。さん

ブリヂストン吹奏楽団久留米の皆さんが、仕事(特に3交代勤務は夜勤キツイですよね)と音楽を両立しながら、地域に感動と喜びを届けている姿に深く心を打たれました。

特に、地元の中高生への指導や、子どもたちへのレッスンなど、音楽を通じた地域貢献の取り組みは本当に素晴らしく、未来の音楽文化を育む大きな力になっていると感じます。

井貝さんから奈良さんへと受け継がれた“音楽への情熱”と“仲間への思いやり”が、これからも地域に温かい音色を響かせていくことを願っています。

最後に70周年、本当におめでとうございます!

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