100日間で335人にインタビュー 天然ゴムの持続可能な調達を目指して

ブリヂストンには創業期から困難なことに「挑戦」し、「品質にこだわり」、「現物現場」で「お客様の困りごとに寄り添う」というDNAが受け継がれ、さまざまな立場や持ち場で日々、挑戦を続ける多くの仲間達がいます。(株)ブリヂストンでは、挑戦意欲のある従業員の皆さんに挑戦の機会を提供したいという思いから、自分で選んだテーマに対して、自ら立てた課題や仮説の調査、検証に現場で100日間取り組める人事制度「現場100日チャレンジプログラム」(以下、現場100日チャレンジ)が昨年の4月から始まりました。今回は、天然ゴムのサプライチェーンの透明性・トレーサビリティ※の強化を目指し、数多くのゴム農家における実態調査に取り組んだ、グローバル調達部門 原材料調達部 原材料第4課の緑川さんにお話しを伺いました!
※ トレーサビリティ:「Trace(追跡)」と「Ability(可能)」の2つの単語から成る言葉で、商品がいつ、どこで、どのように、誰によって作られたか等を見える化し、原材料の調達から生産、消費や廃棄まで追跡可能な状態にすること
※ トレーサビリティ:「Trace(追跡)」と「Ability(可能)」の2つの単語から成る言葉で、商品がいつ、どこで、どのように、誰によって作られたか等を見える化し、原材料の調達から生産、消費や廃棄まで追跡可能な状態にすること
タイヤメーカーが持つ大きな責任 天然ゴム調達のトレーサビリティ向上を目指して
Arrow編集部 緑川さんが担当されている業務について教えていただけますか?
緑川さん タイヤ製造に欠かせない原材料の一つが天然ゴムですが、この調達におけるサステナビリティの推進が私の業務です。ブリヂストンが今後もビジネスを継続するためには、ゴム農家から安定的に天然ゴムを調達することが不可欠です。天然ゴムの多くは東南アジアで生産されていますが、そのほとんどが小規模なゴム農家によって生産されたもので、農家の数は600万軒以上。また、それらの約70%がタイヤに使用されるため、タイヤメーカー各社は、サプライチェーンの上流まで責任を持ち、透明性やトレーサビリティを向上することが求められています。これを推進するために、私が所属している原材料調達部では、デジタルツールの活用など、さまざまな施策や支援を検討していますが、ゴム農家の実態を知った上で、ゴム農家に寄り添った内容でなくてはいけないと考えています。
緑川さん タイヤ製造に欠かせない原材料の一つが天然ゴムですが、この調達におけるサステナビリティの推進が私の業務です。ブリヂストンが今後もビジネスを継続するためには、ゴム農家から安定的に天然ゴムを調達することが不可欠です。天然ゴムの多くは東南アジアで生産されていますが、そのほとんどが小規模なゴム農家によって生産されたもので、農家の数は600万軒以上。また、それらの約70%がタイヤに使用されるため、タイヤメーカー各社は、サプライチェーンの上流まで責任を持ち、透明性やトレーサビリティを向上することが求められています。これを推進するために、私が所属している原材料調達部では、デジタルツールの活用など、さまざまな施策や支援を検討していますが、ゴム農家の実態を知った上で、ゴム農家に寄り添った内容でなくてはいけないと考えています。
Arrow編集部 膨大な数のゴム農家に対して、トレーサビリティ向上につなげるための施策や支援を検討する…。大変な業務だと思いますが、緑川さんが現場100日チャレンジに挑戦した経緯を聞かせてください。
緑川さん 天然ゴムのトレーサビリティ向上を進める施策を立案・推進するためには、まずは多くのゴム農家を訪問し、現物現場で生活や困りごとを確認したいという思いをずっと持っていました。ただ、コロナ禍により、なかなかその機会がありませんでした。そんなとき、現場100日チャレンジプログラムについて、上司から紹介いただき、良いチャンスだと思いました。また”100日間”という期間もちょうど良いと感じました。短期間では十分な数のゴム農家を見て回れませんし、かといって長い間日本を離れることも業務上避けたいと考えておりました。この期間設定も、私が今回のチャレンジに手を挙げた理由の一つです。
緑川さん 天然ゴムのトレーサビリティ向上を進める施策を立案・推進するためには、まずは多くのゴム農家を訪問し、現物現場で生活や困りごとを確認したいという思いをずっと持っていました。ただ、コロナ禍により、なかなかその機会がありませんでした。そんなとき、現場100日チャレンジプログラムについて、上司から紹介いただき、良いチャンスだと思いました。また”100日間”という期間もちょうど良いと感じました。短期間では十分な数のゴム農家を見て回れませんし、かといって長い間日本を離れることも業務上避けたいと考えておりました。この期間設定も、私が今回のチャレンジに手を挙げた理由の一つです。
多くの関係者の協力を得て、さまざまなゴム農家を訪問
Arrow編集部 まさに”現物現場”で多くのゴム農家の実態を調査できる良い機会だと考えたわけですね。調査先はどのように決めていったのでしょうか?
緑川さん 天然ゴムの調達先としては、タイやインドネシア等が主な国になります。また同じ国であっても、島によって気候や商慣習が異なりますので、そういう環境の異なるさまざまなゴム農家を調査すべく、グループグローバルの天然ゴム調達の約9割をとりまとめるBridgestone Singapore Pte. Ltd. (BSSG) はもちろん、天然ゴムの内製事業拠点や、現地の天然ゴムサプライヤーなど、多くの関係者にご協力・調整をしていただきました。皆さんにはこの場をお借りして御礼申し上げたいです。
緑川さん 天然ゴムの調達先としては、タイやインドネシア等が主な国になります。また同じ国であっても、島によって気候や商慣習が異なりますので、そういう環境の異なるさまざまなゴム農家を調査すべく、グループグローバルの天然ゴム調達の約9割をとりまとめるBridgestone Singapore Pte. Ltd. (BSSG) はもちろん、天然ゴムの内製事業拠点や、現地の天然ゴムサプライヤーなど、多くの関係者にご協力・調整をしていただきました。皆さんにはこの場をお借りして御礼申し上げたいです。
Arrow編集部 複数の国、また同じ国でもさまざまな場所を訪問されたんですね。
緑川さん 想像はしていたのですが、ゴム農家によってはたどり着くだけで大変な場所もありました。半日の現地調査のために、シンガポールから往復の移動だけで3日半を要しました。また、最寄りの空港から、車で悪路を長時間走行することが多く、アクセス面での苦労は印象に残っていますね。そのような奥地にあるゴム農園に、なかなか現物現場で行く機会が普段ないので、今回の現場100日チャレンジは良い機会になりました。また、村長さんをはじめ、村の大勢の皆さんが歓迎してくれたことが強く印象に残っています。場所柄、タイヤメーカーの関係者が訪問すること自体が珍しく、地元のメディアから取材を受け、記事にもなりました。受け入れてくれた皆さんへの感謝の気持ちと共に、タイヤのサプライチェーンはこういった方々に支えられているんだと感じることができました。結果的にチャレンジ期間中は、東南アジアの中だけで114時間を移動に費やし、地球半周分の約21,100kmを飛び回りました。
緑川さん 想像はしていたのですが、ゴム農家によってはたどり着くだけで大変な場所もありました。半日の現地調査のために、シンガポールから往復の移動だけで3日半を要しました。また、最寄りの空港から、車で悪路を長時間走行することが多く、アクセス面での苦労は印象に残っていますね。そのような奥地にあるゴム農園に、なかなか現物現場で行く機会が普段ないので、今回の現場100日チャレンジは良い機会になりました。また、村長さんをはじめ、村の大勢の皆さんが歓迎してくれたことが強く印象に残っています。場所柄、タイヤメーカーの関係者が訪問すること自体が珍しく、地元のメディアから取材を受け、記事にもなりました。受け入れてくれた皆さんへの感謝の気持ちと共に、タイヤのサプライチェーンはこういった方々に支えられているんだと感じることができました。結果的にチャレンジ期間中は、東南アジアの中だけで114時間を移動に費やし、地球半周分の約21,100kmを飛び回りました。
お互いがサステナブルなビジネスパートナーであり続けるために
Arrow編集部 ゴム農家のリアルな生活や困りごとを肌で感じることができたんですね。
緑川さん 後継者不足や経済面の課題というのは、彼らの生活自体のサステナビリティを左右する大きな問題であると、強く考えさせられました。ブリヂストンがゴム農家の皆さんにすべきサポートや、トレーサビリティ向上に有効な施策について、改めて彼らの生活や困りごとに寄り添ったものを考えていく必要があります。これが今後の大きな挑戦になっていくと考えています。
緑川さん 後継者不足や経済面の課題というのは、彼らの生活自体のサステナビリティを左右する大きな問題であると、強く考えさせられました。ブリヂストンがゴム農家の皆さんにすべきサポートや、トレーサビリティ向上に有効な施策について、改めて彼らの生活や困りごとに寄り添ったものを考えていく必要があります。これが今後の大きな挑戦になっていくと考えています。
Arrow編集部 ゴム農家の生活のサステナビリティを支えられないと、ブリヂストンのサステナビリティも成り立たない。今後の施策を考える上でのポイントはありますか?
緑川さん 一点だけ忘れてはいけないのは、ブリヂストンはNGOではなく、ゴム農家との関係は”ビジネスパートナー”ということです。ただ支援する、ということではなく、天然ゴム調達というビジネスを通して適切なサポートは何なのか?数多くのゴム農家へ効率的にアプローチできる方法は何なのか?こういう視点が重要で、“ビジネスパートナー”としてゴム農家に共感いただき、お互いにとってWIN-WINなアプローチ方法を考えるというのがこれからの挑戦です。これからも私の挑戦は続いていきますが、将来的にはビジネスとサステナビリティ、それぞれの側面からものごとを考え、会社や社会に貢献できるような人財を目指していきたいです!
緑川さん 一点だけ忘れてはいけないのは、ブリヂストンはNGOではなく、ゴム農家との関係は”ビジネスパートナー”ということです。ただ支援する、ということではなく、天然ゴム調達というビジネスを通して適切なサポートは何なのか?数多くのゴム農家へ効率的にアプローチできる方法は何なのか?こういう視点が重要で、“ビジネスパートナー”としてゴム農家に共感いただき、お互いにとってWIN-WINなアプローチ方法を考えるというのがこれからの挑戦です。これからも私の挑戦は続いていきますが、将来的にはビジネスとサステナビリティ、それぞれの側面からものごとを考え、会社や社会に貢献できるような人財を目指していきたいです!
Arrow編集部 ゴム農家の皆さんとブリヂストン、お互いがサステナブルなビジネスパートナーであり続けるために、緑川さんの挑戦は続きますね!これからも頑張ってください!
ブリヂストンは創業時から、事業を通じて社会に貢献するために絶えず挑戦してきました。「挑戦」はまさにブリヂストンのDNAであり、自身はもちろん、誰かの挑戦を周りの仲間が後押しすることで、また新たなチャレンジが生まれます。そうして一人ひとりの成長と会社の成長が両輪となることで、変化に対応できるレジリアントな“エクセレント”ブリヂストンを実現できます。だからこそ、ブリヂストンはさまざまな施策を通じて、一人ひとりの挑戦をサポートしていきます。グループ報Arrowではそれぞれの立場・持ち場で挑戦を続ける仲間を紹介していきます!
【(株)ブリヂストン HRXカルチャーチェンジ・DE&I推進部より】
(株)ブリヂストンでは 2023年4月以降、計15名の開発企画職の皆さんが、海外含むさまざまな現場での100日チャレンジに取り組んでいます。新しいことへのチャレンジ、ハードルが高いと感じる方も多いと思いますが、普段から自分のやりたいこと、いっしょに働く仲間がやりたいと考えていることを職場内で共有し合い、色々な階層で現物現場での挑戦が生まれるようにしていくためにも、普段から、挑戦しようとしている仲間を後押しする気持ちを持つことが大切だと考えています。日々の業務において認識はしているものの、なかなか打破できないと感じている課題をお持ちの方も多くいらっしゃると思います。100日間、現場で集中して仮説の調査や検証を行い、それらを解決させたいという熱い想いをお持ちの方、ぜひ奮ってご応募ください!次回のプログラム募集開始は今春(3-4月頃)を予定しています!また、緑川さんも含めた当プログラムの経験者の方に体験談を語って頂くセッションを3/29(木)に本社地区で開催予定です。
(株)ブリヂストンでは 2023年4月以降、計15名の開発企画職の皆さんが、海外含むさまざまな現場での100日チャレンジに取り組んでいます。新しいことへのチャレンジ、ハードルが高いと感じる方も多いと思いますが、普段から自分のやりたいこと、いっしょに働く仲間がやりたいと考えていることを職場内で共有し合い、色々な階層で現物現場での挑戦が生まれるようにしていくためにも、普段から、挑戦しようとしている仲間を後押しする気持ちを持つことが大切だと考えています。日々の業務において認識はしているものの、なかなか打破できないと感じている課題をお持ちの方も多くいらっしゃると思います。100日間、現場で集中して仮説の調査や検証を行い、それらを解決させたいという熱い想いをお持ちの方、ぜひ奮ってご応募ください!次回のプログラム募集開始は今春(3-4月頃)を予定しています!また、緑川さんも含めた当プログラムの経験者の方に体験談を語って頂くセッションを3/29(木)に本社地区で開催予定です。
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