与えられた持ち場で自分の強みをつくる大切さ

今年の4月に(株)ブリヂストンに入社し、7カ月間の研修を終えた新入社員の皆さん。11月の配属前に、Global CEOの石橋さんとのタウンホールミーティングが開催されました。新入社員の皆さんから石橋さんへ数多くの質問が寄せられ、石橋さんも一人ひとりの質問に、ご自身の経験や思いを交えながら回答されました。今回はその模様をお伝えいたします。
誰にも負けない自分の強みをつくることが大切
まずは、航空タイヤ・ソリューション推進部 技術サービス課に配属された渡邉 聡太朗さんからの質問です。

石橋さんがブリヂストンに入社した頃に、思い描いていたキャリアプランを教えていただけますか?
石橋さん 新入社員の頃は社長を目指そうなんて思ってもなかった。僕は1977年の入社で、初任配属は広島支店。広島へ向かう夜行列車に乗る際に、同期が「シュウ、大変だな」と、駅まで見送りに来てくれた。配属後はとにかく、販売現場の皆さんと一緒になってお客様と向き合う日々。当時はガソリンスタンドでのタイヤ販売が始まった頃で、スタンドの方と一緒になって、一生懸命働いたことが印象に残っている。
ただそうやって、現場での経験を3年、4年と積んでいくと、だんだんと視野が広くなって問題点が見えてくる。現場で働いていると、当時のブリヂストンの高性能タイヤの販売戦略が他社よりも劣っているように感じた。本社にどんどん意見を言っていたら、「じゃあ、本社に来てやってみろ」となり、1983年に国内のマーケティング商品企画に異動に。その翌年の1984年、ブリヂストンが世界に打って出ようとしていた頃、当時、副社長だった家入さん(後の第5代社長)から「お前ちょっと欧米を見てこい」と現地調査の機会を頂いて、1988年には経営企画本部へ異動。ファイアストンの買収などに関わるようになったんだ。そんな風に僕のキャリアは広がっていった。
自分で何かやりたいことに突っ込んでいくと次にやるべきことが見えてきて、またそのことに没頭しているとその次が見えてくる。その繰り返しだったのかなと思う。僕はよく「一点突破・全面展開」という言葉を使う。目の前のことに自分事の意識で取り組んで、「この分野では絶対負けない」というものを持つことが大事。僕は広島にいた頃に、新ビジネス アルミホイールの商品については、支店長よりも勉強して知識をつけていた。そういう強みを生かして実績をつくることで、次のチャンスが生まれていったのを覚えている。
だから、まずは自分の仕事を一生懸命やって、誰にも負けない分野をつくって、職場に貢献する。そういう頑張りは必ず誰かが見てくれていて、次のチャンスにつながって、そうしているうちに自分のやりたいことが見えてくると思う。渡邉さんは航空機タイヤの技術サービスの部署に配属。航空機タイヤはブリヂストンの「断トツ商品」だから、自信を持って仕事をしてほしい。
商材は違うけれど、僕も生産財の技術サービスの先輩と仕事をしていた。運送会社さんのトラックが夕方に帰ってくるのを待ち、暗くなった駐車場で、溝の深さや空気圧などのデータを取って、それをまとめてタイヤ管理をされている担当者に報告して、翌日には運転手さんにフィードバックされるようにしていた。こんな風に、技術サービスはタイヤがどのように使われているかを知ることができる原点。つなぎを着て、爪を真っ黒にして働いた。お客様にタイヤを上手く使っていただくには、お客様の困りごとを知って、解決するための技術サービスの力が必要。そういった現場での「リアル」の活動に、「デジタル」を活用することでブリヂストンは価値を生み出している。渡邉さんには技術サービスの現場で、また、ここにいる他の皆さんも配属先の部署で、しっかりと自分の強みをつくってほしい。
絶対に誰にも負けないものを3つ、つくること。最初はもちろん1つから。その後に、それが2つ、3つになるよう目指していく。第6代社長の海﨑さんに「負けないものを3つつくれ」と言われていたよ。
ただそうやって、現場での経験を3年、4年と積んでいくと、だんだんと視野が広くなって問題点が見えてくる。現場で働いていると、当時のブリヂストンの高性能タイヤの販売戦略が他社よりも劣っているように感じた。本社にどんどん意見を言っていたら、「じゃあ、本社に来てやってみろ」となり、1983年に国内のマーケティング商品企画に異動に。その翌年の1984年、ブリヂストンが世界に打って出ようとしていた頃、当時、副社長だった家入さん(後の第5代社長)から「お前ちょっと欧米を見てこい」と現地調査の機会を頂いて、1988年には経営企画本部へ異動。ファイアストンの買収などに関わるようになったんだ。そんな風に僕のキャリアは広がっていった。
自分で何かやりたいことに突っ込んでいくと次にやるべきことが見えてきて、またそのことに没頭しているとその次が見えてくる。その繰り返しだったのかなと思う。僕はよく「一点突破・全面展開」という言葉を使う。目の前のことに自分事の意識で取り組んで、「この分野では絶対負けない」というものを持つことが大事。僕は広島にいた頃に、新ビジネス アルミホイールの商品については、支店長よりも勉強して知識をつけていた。そういう強みを生かして実績をつくることで、次のチャンスが生まれていったのを覚えている。
だから、まずは自分の仕事を一生懸命やって、誰にも負けない分野をつくって、職場に貢献する。そういう頑張りは必ず誰かが見てくれていて、次のチャンスにつながって、そうしているうちに自分のやりたいことが見えてくると思う。渡邉さんは航空機タイヤの技術サービスの部署に配属。航空機タイヤはブリヂストンの「断トツ商品」だから、自信を持って仕事をしてほしい。
商材は違うけれど、僕も生産財の技術サービスの先輩と仕事をしていた。運送会社さんのトラックが夕方に帰ってくるのを待ち、暗くなった駐車場で、溝の深さや空気圧などのデータを取って、それをまとめてタイヤ管理をされている担当者に報告して、翌日には運転手さんにフィードバックされるようにしていた。こんな風に、技術サービスはタイヤがどのように使われているかを知ることができる原点。つなぎを着て、爪を真っ黒にして働いた。お客様にタイヤを上手く使っていただくには、お客様の困りごとを知って、解決するための技術サービスの力が必要。そういった現場での「リアル」の活動に、「デジタル」を活用することでブリヂストンは価値を生み出している。渡邉さんには技術サービスの現場で、また、ここにいる他の皆さんも配属先の部署で、しっかりと自分の強みをつくってほしい。
絶対に誰にも負けないものを3つ、つくること。最初はもちろん1つから。その後に、それが2つ、3つになるよう目指していく。第6代社長の海﨑さんに「負けないものを3つつくれ」と言われていたよ。
「サステナブルなモータースポーツ」を核として、サステナブルなプレミアムブランドを目指していく
次は、ブリヂストンタイヤソリューションジャパン(株) PCソリューション事業本部 PCソリューション事業企画開発部に配属された松田 大樹さんからの質問です。

お客様に、よりブリヂストンのことを知っていただくために、今後はどのような活動を進められますか?
石橋さん ブリヂストンにはさまざまなお客様、関係者がいる。実際に商品をお使いいただいているお客様、ブリヂストンの拠点がある地域に住んでいらっしゃる方々、株主様や政府関係者の方々、そして従業員の皆さん、全てが重要なステークホルダー。こういった方々に対して、適切にコミュニケーションしていくことはとても大切。
具体的な話をすると、消費財のお客様にはTVCMや雑誌、新聞、イベントなどを通じた宣伝・広報活動でアプローチをしている。一方で生産財のお客様に対しては、どちらかというと現場での対応を通じて、困りごとを解決していくことが大切。株主様についてはIR(インベスター・リレーションズ)というコミュニケーションをしているし、僕もGlobal CEOとして四半期に1回、会社の業績の進捗について発表をしている。また、ブリヂストンは世界中でビジネスを行っているので、各拠点の近隣住民の皆様や各国の政府関係者の方々に対して、それぞれの地域でしっかりとコミュニケーションをすることが大切。
こういう風に、さまざまなタッチポイントがあるわけだけど、今のブリヂストンのコーポレートブランディングは、「サステナブルなグローバルモータースポーツ」を核にコミュニケーションを進めようとしている。米国のモータースポーツ「インディ500®」には長年参戦しているし、日本では「SUPER GT」にも注力している。自分たちのタイヤ、自分たちの商品で挑戦する、そういうモータースポーツを通じていろんなことを伝えていくことを軸に考えている。
そして、ブリヂストンは「サステナブルなプレミアム」ブランドを目指していて、2026年からは、電気自動車のF1といわれる「フォーミュラE」に参戦する。”サステナブル”、”プレミアム”について、「フォーミュラE」でもっと訴求していきたい。ただ、最初に伝えたような、日頃のさまざまなコミュニケーションがあるから、「フォーミュラE」のような、シンボリックな活動が成り立っていることを忘れてはいけない。
具体的な話をすると、消費財のお客様にはTVCMや雑誌、新聞、イベントなどを通じた宣伝・広報活動でアプローチをしている。一方で生産財のお客様に対しては、どちらかというと現場での対応を通じて、困りごとを解決していくことが大切。株主様についてはIR(インベスター・リレーションズ)というコミュニケーションをしているし、僕もGlobal CEOとして四半期に1回、会社の業績の進捗について発表をしている。また、ブリヂストンは世界中でビジネスを行っているので、各拠点の近隣住民の皆様や各国の政府関係者の方々に対して、それぞれの地域でしっかりとコミュニケーションをすることが大切。
こういう風に、さまざまなタッチポイントがあるわけだけど、今のブリヂストンのコーポレートブランディングは、「サステナブルなグローバルモータースポーツ」を核にコミュニケーションを進めようとしている。米国のモータースポーツ「インディ500®」には長年参戦しているし、日本では「SUPER GT」にも注力している。自分たちのタイヤ、自分たちの商品で挑戦する、そういうモータースポーツを通じていろんなことを伝えていくことを軸に考えている。
そして、ブリヂストンは「サステナブルなプレミアム」ブランドを目指していて、2026年からは、電気自動車のF1といわれる「フォーミュラE」に参戦する。”サステナブル”、”プレミアム”について、「フォーミュラE」でもっと訴求していきたい。ただ、最初に伝えたような、日頃のさまざまなコミュニケーションがあるから、「フォーミュラE」のような、シンボリックな活動が成り立っていることを忘れてはいけない。
逆境の中で行ったスピーチ どんなプレゼンも準備は入念に
次は、サステナブル技術戦略・研究部 MCN向上材料研究課に配属された山本 紗玖楽さんからの質問です。

石橋さんが、これまでで一番緊張したプレゼンテーションを教えてください。
石橋さん 今でもいつも緊張しているよ(笑)。ただ、一番と言われるとファイアストンの大規模リコールの際に行った発表かな。リコールの渦中だった2000年10月に、ラスベガスでディーラー向けのミーティングがあり、約3,000名がその場に集まっていた。そこで「絶対にファイアストンは潰さない」というスピーチをした時が一番緊張したかな。本当にマスコミは強く叩いてくるし、業績もどんどん落ちていて、お金の面でも回らなくなっていた。その翌年に増資をしてもらって、さまざまなことを乗り越えて、2002年にやっと黒字に転換したものの、その渦中で開催されたディーラーミーティングでのスピーチは本当に緊張した。失敗したら本当に「終わり」だと思った。だけどスピーチの後、ディーラーの皆さんは「応援するよ」と言ってくれるようになった。
僕もこれまでいろんな先輩を見てきて、プレゼンの前は一生懸命準備するように心がけている。今でも、どんなスピーチやプレゼンでも、事前に5回は声に出して練習するようにしているし、若い時からずっと続けていることだね。人前で話すということは、相手にこちらの説明が伝わらないと意味がないから、準備は本当に大切。また、人によっては緊張してしまうのも仕方がない。こういうのは慣れだから、経験を積んでいくことが大事。
僕もこれまでいろんな先輩を見てきて、プレゼンの前は一生懸命準備するように心がけている。今でも、どんなスピーチやプレゼンでも、事前に5回は声に出して練習するようにしているし、若い時からずっと続けていることだね。人前で話すということは、相手にこちらの説明が伝わらないと意味がないから、準備は本当に大切。また、人によっては緊張してしまうのも仕方がない。こういうのは慣れだから、経験を積んでいくことが大事。
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