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空気の要らないタイヤが日本各地で走る日は近い!

今年4月に公道デビューを果たした空気の要らない次世代タイヤ「AirFree®」。実証実験データを活用した改良が進められ、10月24日には東京・小平のBridgestone Innovation Park (以下、BIP)内のB-Mobilityで自治体および報道関係者向けの試乗会が行われました。

日本各地で「AirFree」が走る日は近い!

時速20㎞未満で公道を走る電動車「グリーンスローモビリティ」に「AirFree」の装着を検討している複数の自治体が今回の試乗会に参加。実際の乗り心地や操作性を確認し、「空気入りタイヤに迫るレベルで違和感なし」「乗り心地として違和感なく、ハンドリングも軽快」、「次回は『グリーンスローモビリティ』に実際に装着して、自分たちの自治体でイベントを実施してもらいたい」といった期待の声が聞かれました。

参加した滋賀県東近江市、富山県富山市、群馬県みなかみ町、東京都杉並区の自治体関係者の皆さんと「グリーンスローモビリティ」の専門である東京大学の三重野先生

公道走行でのリアルな体験が改良につながった

4月の公道デビューから今回の試乗会に向けて改良を進めてきた(株)ブリヂストン ソリューション開発第5課の小川さんにお話を伺いました。

「AirFree」の改良を担当した小川さん。2021年の入社後、乗用車用タイヤの開発業務を経験し、現在は「AirFree」の開発を担当

Arrow編集部 4月の公道デビューから今回の試乗会までの間に、どのような改良をされたのでしょうか。

小川さん 主に乗り心地の改良を行いました。4月に公道デビューした際、ハンドリング性能については、市販の乗用車用タイヤとほぼ同等であることを確認できました。しかし、公道では路面環境が多様で、わだちやマンホールなどが存在するため、乗り心地が少し硬く感じられることが課題になっていました。自分たちもB-Mobilityから公道に出て試乗したことで、「さらに改良を重ね、社外のお客様にも自信を持って提供できる製品にしよう」と、強く思いました。

初めて社外の方に乗っていただく機会となった試乗会

Arrow編集部 公道での実証実験結果も改良に生かされているのでしょうか。

小川さん そうですね。デジタル技術を活用して設計変更と性能予測を繰り返し、改良を進めていますが、公道走行で得られたデータは、設計値と実際の使用環境を結び付けるための重要な役割を果たしました。実際に使用する場面において、優先すべき性能を明確にでき、以前から性能向上の余地があると考えられていたスポーク形状の改良を行うことで、乗り心地を改善できました。

Arrow編集部 公道走行で得られたデータが鍵となり、乗り心地の改善へつながったんですね。他に改善につながったポイントなどはありますか?

小川さん 開発チームの皆さんから頂いたさまざまなアドバイスです。「AirFree」の開発チームにはタイヤのエキスパートが多く、私が公道で感じた乗り心地や現象を共有すると、皆さんは自分には無い視点から、改良につながるたくさんのアドバイスをくれました。それらのアドバイス一つひとつに対応してできあがった改良品の装着車両にチーム全員で試乗し、乗り心地が大幅に改善されたことを確認できたときは、とてもうれしかったです。 

Arrow編集部 今後、実際に日本各地を走る日が来るのが待ち遠しいですね!

第1~3世代の「AirFree」。第3世代は「地域社会の安心安全な移動をエンパワーする(力を与える/支える)青」の「Empowering Blue」が特徴

「AirFree」は高齢化や過疎化、労働力不足といった課題に直面する「地域社会のモビリティを支える」ことをミッションに、2026年の社会実装を目指して各自治体へのアプローチやPR活動などが進められており、日本各地で走る姿を見られる日は近いかもしれません。今後の活躍に期待しましょう!

自治体・メディア向け試乗会を企画・運営した(株)ブリヂストンの皆さん


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コメント(7)

カミ猫さん

こういったものは低速・低荷重のものが向いていると思います。
逆に高荷重・加減速や転回が急な乗り物にはあまり向いていない様に感じます。
例えばラストマイル配送用トラックやコミュニティーバス(ワゴン)、自治体の見回り用など。
是非これらでの実証実験を進めて、実用化に向けてすすんでください。

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I.Fさん

乗用車もですが、TBのほうが効果が大きいと思います。
先行開発しているMi社に置いてかれないように開発に力を入れるべきかと。

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エアフリー開発部門さん

コメントありがとうございます。
“効果の大きさ”を正しく捉えるために、まずは社会実装を通じてAirFreeが提供できる価値を明確にした上で、
事業の方向性を見極めながら、より一層力を入れて開発に取り組ませていただきます。

うーちゃんさん

いたずらでスポークの間に石を入れられたり、一本に切れ込みを入れられた場合はどう対処するのでしょうか。

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エアフリー開発部門さん

コメントありがとうございます。
いたずらに石を入れらた場合でも走行時のスポークの変形により石はAirFreeの外に出てきます。
スポーク1本を破損した場合ですが、直ぐに走行不能になることはありませんが、異音と振動が発生します。
もし走行中にスポークが破損したとしても異音と振動で気付くことができ、且つ安全に停止することが可能です。
その後は空気入りタイヤ同様にサービス店等でのAirFree交換となります。

ホバーさん

AirFreeって、形が扇風機みたいですけど、内側に折り曲げて高速回転させたらホバーみたいにならないですかね(笑)タイヤにはできない使い道。。

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うーなさん

AirFreeが適用できるシーンはある程度制限があるとは思います(車体重量や走行速度など)
が、そもそも高齢者の足を止めない、などスコープがしっかりと設定されており、
制約下でも非常に素敵な価値創出ができています。
言葉だけで繕われたハリボテではない、中身のぎっしり詰まった断トツで素晴らしい商品だと感じています。

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