【こんにちはアローです!】大切なのは、認め合い、成長につなげる姿勢

今回は(株)ブリヂストン 副社長の森田さんにお話を伺います。
「こんにちは森田さん、今日はよろしくお願いします!」
(株)ブリヂストン 代表執行役 副社長
Global CAO(Chief Administration Officer)・
Global CSO(Chief Strategy Officer)
森田 泰博さん
愛知県出身。1996年に入社し、海外部門(当時)に配属、アジアや欧州を中心に20年以上にわたる海外駐在を経験。2024年 常務役員 BSAPIC Group Presidentを経て2025年1月から現職。
- 幼少時代の将来の夢
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Formula 1®レーサー
子どもの頃からレースが好きでよくテレビで見ていました。大学では自動車部に所属し、ジムカーナやラリー競技に参戦していました。マレーシア駐在時にはBridgestone Tyre Sales (Malaysia) Sdn. Bhd.(BSTM)メンバーと耐久レースに参戦し優勝したこともあります。
(左):マレーシア駐在時に参加した耐久レースの優勝トロフィー
(右):BSTMのレースチームメンバー(左から2番目が森田さん)
- 愛用しているブリヂストン商品
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「241CB アイアン」
ゴルフは長年続けています。スコアは良くなりませんが、自然豊かなゴルフ場で仲間とワイワイ話をしながらコースを回るのは至福の時間です。ブリヂストンスポーツの皆さん、いつもカッコいいクラブをつくっていただき、ありがとうございます。
- ブリヂストンに入社して驚いたこと
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どの国でも「最高の品質で社会に貢献」
私自身も入社当初から大切にしていますが、海外のどの事業所に行っても「最高の品質で社会に貢献(Serving Society with Superior Quality)」を従業員が言えることに驚きました。創業者の想いや私たちがビジネスを通じて果たすべき使命が、世界中のブリヂストンで浸透していることは本当に素晴らしいと感じます。
- 趣味・特技
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ルービックキューブ
ルービックキューブを6面揃えることができます。これ自体は大した特技ではありませんが、幼少期に揃え方を教えた息子が世界大会に出る程の腕前になったのはプチ自慢です。
- リフレッシュ方法
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ランニング
週末は近くの河川敷を5キロぐらい走っています。他にもゴルフや犬の散歩など、週末は外で体を動かしてリフレッシュしています。
お仕事で愛用している品を教えてください。
入社以来、どの国に赴任しても常に持ち歩いているのが、「工場実習ファイル」です。1996年入社直後の新入社員研修で使用していたもので、東京工場(当時)の加硫係での実習内容が記録してあります。

受け入れ先の主任さん、課長さんに業務内容や気づいたことを毎日提出するのですが、お忙しいなか、たくさん赤ペンで書いていただいたアドバイスは、どれも「ブリヂストンが大事にしていること」が伝わってくる言葉ばかりです。このファイルを見ると、いつでも初心に帰ることができるので大切にしています。
今までのキャリアにおいて、印象に残っている「失敗」のエピソードについて教えてください。
「工場実習ファイル」に書いてあるものなのですが、TPM(Total Productive Maintenance)活動で加硫機の清掃を行っていた際、誤って操作盤に触れてしまいました。未加硫の状態で釜が開きスクラップを出してしまったのです。入社後、最初の大きな失敗ですのでよく覚えています。慣れない夜勤の疲れや経験の浅さなど自分なりの反省を日報に記しました。すると課長さんから赤ペンで「あーだ、こうだと失敗を素直に書き出して反省しているのは良しとすべし!」「ただし、これが物だから良かったが自分の身体をぶつけてケガしたとかだったらどうする!社会人となった以上ケガは許されん」というコメント。意気消沈している私への思いやりの深さ、失敗はあるがPDCAをしっかり回すこと、そして「安全はすべてに優先する」ことなど、たくさんのことを教えてくれた主任さんや課長さんには今でも感謝しています。
ご自身の人生におけるターニングポイントを教えてください。
フランスの販売会社に赴任していた2010年頃、欧州本社からの指示と販売現場での実態との間で板挟みとなることがあり、派遣者としてどちらの意向を尊重すべきか、私の果たすべき役割は何なのか、思い悩む日々が続いていました。
そんなある時、ブリヂストン第1号タイヤの写真を使った販促用のポストカードが手元に届きました。この方々がご苦労をされて第1号タイヤをつくってくださったおかげで今日がある訳なので、この方々に聞いてみようと写真を眺めていると、ある答えに導かれたのです。聞こえてくる声は、「『最高の品質で社会に貢献』するために一番正しい選択をしてほしい、それが我々の願いだ」と。この写真と共に苦しい時期を乗り越えたフランスでの日々は会社人生の中でのターニングポイントですし、個人としても社会に貢献するということの大切さをより強く意識するきっかけとなりました。

長年、海外で活躍され、これまでのご経験から学んだこと・大切にしていることを教えてください。
“You can do what I cannot do. I can do what you cannot do. Together we can do great things!”という私の好きな言葉があります。「私にはできないがあなたができることがあります。私にできてあなたにはできないこともあります。だから一緒に協力すれば素晴らしいことができますね!」といった意味です。
2000年頃、初めての海外駐在の準備の一環で、タイヤ館の店長訓練にオブザーバーとして参加させていただく機会がありました。新人店長さんが集まって近所のタイヤ館を視察し、感じたことを発表しました。その店の粗探しのようなコメントをされた受講生に対して、講師の方が「自分の店より悪いところなど誰でも見つけられる!自分の店より優れているところを探し、認め、そして持ち帰る努力をしなさい!」と厳しい口調で叱ったのです。相手よりも自分が優れていることを探して優位に立とうとするのではなく、相手の良いところを探し出し、自分との補完関係を見出す。共に協力して成長につながることを考えるようにと、熱意をもって指導されていました。ブリヂストンFVS(現在のブリヂストンリテールジャパン)の小売りのノウハウを学ぶことが目的でしたが、この後の7カ国にわたる私の海外駐在を支えてくれる大切な「心の持ち方」を得ることができました。
おかげで、どの国で働いても「日本人にあるアレがない」ではなく「日本人にないコレがある」と考えられるようになりました。各地のブリヂストンの仲間とお互いの良い部分を認め合って信頼関係を構築し、共に協力して「最高の品質で社会に貢献」に邁進(まいしん)することができました。

もちろん誠実に仕事に取り組む姿勢があることが前提ですが、周りの方々にあるものと自分にないものを合わせ大きな力にすること。“You or Me”ではなく“You and Me”という関係を私は大切にしています。
最後に従業員の皆さんへのメッセージをお願いします。
2024年度の業績は対前年で増収増益を確保しましたが、調整後営業利益率、ROIC、ROEといった「稼ぐ力」や資本効率が2021年以降低下しています。また、中国EV攻勢などによる自動車業界の構造変化や、廉価輸入タイヤの増加などによるタイヤ業界の構造変化の加速が「新たな脅威」になっています。こうした厳しい事業環境において、2025年は「緊急危機対策年」と位置づけ、質を伴った成長に向けて、「守り」の活動を最優先に、「攻め」の活動で将来への布石を打っていきます。
このような難局に際し、私は常に「活力に溢れるチーム」を意識して、皆さんと共にチャレンジしていきたいと思っています。個人の活力、組織の活力が高ければ、生産性も高まり、想像力も豊かになり、必ずビジネスに好循環を生み出すと信じています。
常に安全第一、健康第一を忘れず、みんなで一致団結して今年の目標を達成し、「真の次のステージ」へと歩を進めていきましょう。
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