二次処理技術で新品と遜色ないカーボンブラックを
タイヤの強度を高めるために欠かせないカーボンブラック。この原材料も、使用済タイヤ由来のものを活用することを目指し、ブリヂストンは東海カーボン株式会社(以下、東海カーボン様) との共創を始めています。両社の取り組みがスタートしたきっかけや、これからの意気込みなどについてお話を伺いました。

東海カーボン(株)
知多研究所 主務研究員
桐山 大志さん

(株)ブリヂストン
サステナブル技術戦略・研究部 リサイクル技術・材料研究課
戸田 匠さん
取り組みが持つ「大きな意義」
Arrow編集部 両社の共創が始まったきっかけを教えてください。
戸田さん 使用済タイヤの精密熱分解によって得られる生成物をリサイクルすることで再活用できないか、東海カーボン様と議論する機会があり、この取り組みがスタートしました。生成物の1つとしてrCBも得られるのですが、不純物が多く含まれるため、そのままではタイヤの原材料として活用することができません。この根本的な課題を、豊富なノウハウを持つ東海カーボン様の力をお借りして解決できないかと考えました。
戸田さん 使用済タイヤの精密熱分解によって得られる生成物をリサイクルすることで再活用できないか、東海カーボン様と議論する機会があり、この取り組みがスタートしました。生成物の1つとしてrCBも得られるのですが、不純物が多く含まれるため、そのままではタイヤの原材料として活用することができません。この根本的な課題を、豊富なノウハウを持つ東海カーボン様の力をお借りして解決できないかと考えました。
桐山さん カーボンブラックのもととなる化石燃料は、今後も永続して安定的に採取できる保証はありません。この点からも、rCBからeCBを生成し、再利用することは、当社にとっても大きな意義を持っています。ブリヂストン様と同じく「必ず実現させなければいけない」という思いを共有できたことで、プロジェクトがスタートしました。
「不純物の除去」と「性能発現」の両立を目指す
Arrow編集部 rCBをeCBとして生成する上で難しい点を教えてください。
戸田さん まず前提として、使用済タイヤの精密熱分解から得られるrCBにはタイヤ由来の不純物が含まれています。こうした不純物を含んだままでは、タイヤの原材料に使用した際、新品のカーボンブラック使用時と同等の強度が得られません。そのため、不純物を取り除かなければならないのですが、ブリヂストンの精密熱分解プロセスだけでは完全に取り除くことができません。これを解決する鍵となるのが、東海カーボン様が得意とする「二次処理技術」です。
桐山さん 元々、カーボンブラックに二次処理を加え、狙った機能を発現した製品は当社でも取り扱ってきました。そういった技術やノウハウを応用して取り組んでいるのですが、eCBの場合、rCBの不純物を取り除きつつ、タイヤ向けのカーボンブラックとしてのさまざまな性能を付与することが求められます。これらの両立は技術的なハードルが非常に高いのです。
戸田さん まず前提として、使用済タイヤの精密熱分解から得られるrCBにはタイヤ由来の不純物が含まれています。こうした不純物を含んだままでは、タイヤの原材料に使用した際、新品のカーボンブラック使用時と同等の強度が得られません。そのため、不純物を取り除かなければならないのですが、ブリヂストンの精密熱分解プロセスだけでは完全に取り除くことができません。これを解決する鍵となるのが、東海カーボン様が得意とする「二次処理技術」です。
桐山さん 元々、カーボンブラックに二次処理を加え、狙った機能を発現した製品は当社でも取り扱ってきました。そういった技術やノウハウを応用して取り組んでいるのですが、eCBの場合、rCBの不純物を取り除きつつ、タイヤ向けのカーボンブラックとしてのさまざまな性能を付与することが求められます。これらの両立は技術的なハードルが非常に高いのです。
戸田さん 今後も数多くの課題をクリアする必要がありますが、共創パートナーの皆様と一緒にそれぞれの強みを活かして、引き続き粘り強くアプローチを続けていきます。
桐山さん eCBの性能発現メカニズムなど、まだ未解明の部分も多いため、九州大学様、岡山大学様と一緒に研究を進めています。2032年度までに年間5,000tのeCBを生産できる実証プラントの稼働を目指していますが、とても息の長い、そして困難な挑戦です。
戸田さん プロジェクトの目的やサステナビリティの意識を、幅広いステークホルダーの皆様に理解・共感いただくことも必要だと考えています。特に日本などの採取可能な資源が乏しい国にとって、資源循環へ向けた取り組みは今後ますます重要になっていくはずです。ぜひ多くの方にリサイクルに対する意識をもっと高めていただきたいですし、このプロジェクトがその一助になればと思います。
桐山さん eCBの性能発現メカニズムなど、まだ未解明の部分も多いため、九州大学様、岡山大学様と一緒に研究を進めています。2032年度までに年間5,000tのeCBを生産できる実証プラントの稼働を目指していますが、とても息の長い、そして困難な挑戦です。
戸田さん プロジェクトの目的やサステナビリティの意識を、幅広いステークホルダーの皆様に理解・共感いただくことも必要だと考えています。特に日本などの採取可能な資源が乏しい国にとって、資源循環へ向けた取り組みは今後ますます重要になっていくはずです。ぜひ多くの方にリサイクルに対する意識をもっと高めていただきたいですし、このプロジェクトがその一助になればと思います。
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