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ブリヂストン初!テスラ社からのビジネス獲得 無錫工場のグリーン化が寄与

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中国では、国の方針としてCO2排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにカーボンニュートラルを実現すべく、環境規制の強化や、EV産業の発展を推進しています。そんな中、普利司通(無錫)輪胎有限公司 (以下、無錫工場)では、環境に配慮した「グリーンな工場」で「グリーンな製品」をつくる体制づくりを推進し、中国政府から「National Green Factory」として表彰されました。また、この取り組みと連動し、普利司通(中国)投資有限公司(以下、BSCN)では、EV業界大手のテスラ社へのOEタイヤ装着のアプローチを実施。グローバルで初めてビジネスを獲得しました。今回はこの取り組みに関わった皆さんにお話を伺いました。
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普利司通(中国)投資有限公司

Fang HU さん

完成車メーカー向けセールスマネージャーとして、テスラ社との新規・既存ビジネス商談の他、タイヤの開発から量産化までの営業面の調整を担当。

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普利司通(中国)投資有限公司

Ying XUE さん

完成車メーカー向け技術サービスマネージャーとして、テスラ社に対するタイヤ技術提案や、タイヤ開発から量産化までにおいて、テスラ社技術・品質チームと、社内の関連部門との橋渡しを担当。

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普利司通(無錫)輪胎有限公司

Hezhi PENG さん

無錫工場の品質・安全・生産・環境全般を管理するマネージャーとして、今回のプロジェクトでも品質保証・安全体制の構築を担当。

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普利司通(無錫)輪胎有限公司

Bin REN さん

無錫工場における設備・技術部門のシニアマネージャーとして、設備管理や技術面での課題解決を担当。   

サステナビリティ政策を進める中国 これに対応したモノづくり環境を

Arrow編集部 まず、無錫工場における「グリーン化」に取り組んだ背景について教えてください。

PENGさん 中国は2060年までのカーボンニュートラル実現を目指し、国全体でサステナビリティに関する政策を強く推進しています。こういった状況下でお客様からの信頼を獲得し、ブランド力を向上させていくためには、環境に配慮したグリーンな拠点で、環境に貢献できるグリーンな製品をつくる、これを実現する必要がありました。

PENGさん

RENさん 製造工程のグリーン化と一言で言うのは簡単ですが、実現にあたってはさまざまな施策を行いました。排水のリサイクル、VOC※1排出量の削減といった環境負荷の軽減から、太陽光発電の導入やLED照明の導入といった省エネ、これに加え、一部生産ラインの自動化などによる、スマートな工程づくりにも取り組みました。こうした施策が実を結び、政府から「National Green Factory」を受賞することができました。

※1 Volatile Organic Compoundsの略。揮発性を有する有機化合物の総称。塗料、接着剤、インク、洗浄剤、ガソリンなどに含まれるものが多い。

粘り強い取り組みで1つずつ課題をクリア

Arrow編集部 「National Green Factory」の受賞おめでとうございます。「グリーン化」を進める上ではどのような困難や課題があったのでしょうか。

RENさん グリーン化に限らず、新しい設備を工場に導入する際には、想定していなかった異常がしばしば起こります。それらの異常について、仮説を立てて原因を究明し、解決に導いていくことはいつも大変ですね。今回はそれに加えて、RTO※2などを工場に導入する際の政府との調整や、太陽光パネル増設時の安全の確保など、思い返せば困難なことばかりでした。

※2 Regenerative Thermal Oxidizerの略。蓄熱式脱臭装置のこと。

RENさん

PENGさん RENさんの言うとおり、特に製造拠点で何かを変える際は、安全や環境、品質などに関するさまざまなリスクを洗い出しながら進めます。それでも予期せぬ問題が起こることもありますが、対策を徹底し、とにかく粘り強く取り組むことで、一つひとつクリアできたのではないかと思います。

EV業界大手からのビジネス獲得を目指して

Arrow編集部 国がサステナビリティを推進するなか、お客様からの信頼獲得とブランド力向上を目指して、さまざまな面で無錫工場の改善を進めていったわけですね。テスラ社へのアプロ―チについてはいかがですか?

XUEさん サステナビリティに力を入れている中国では、EV産業の発展と拡大も進んでいます。そしてこの分野において、大きな存在感を放つテスラ社とビジネスを開始することは、BSCNにとって大きな目標でした。技術・営業・品質といった複数の部門がCFT※3で協力し、お客様のニーズに応えながら、競合他社対比での優位性をつくっていきました。

※3 Cross Functional Teamの略。課題の解決を目指し、部門を横断してさまざまなメンバーが協働することを狙い結成される。

XUEさん

HUさん テスラ社からの厳しい要求もありましたが、無錫工場のグリーン化とも連動する形で、グローバルで初めて、テスラ社からビジネスも獲得することができました。プレミアムな市場で勝つことを目指しているブリヂストンにとって、間違いなく大きな一歩だと思いますし、この成果は、他のSBUにとってのビジネスチャンスの拡大にもつながると思います。

先方が優位な状況からビジネスを取りに行く難しさ

Arrow編集部 テスラ社へのアプローチについて、特に難しかったポイントを教えてください。

HUさん 当初、テスラ社が従来のタイヤサプライヤーに大きな不満を持っているわけではなかったので、難しい状況から交渉がスタートしたことを覚えています。しばらくはテスラ社側が優位な状況で商談が進んでおり、先方の高いニーズを満たしていくことは難しかったですね。

HUさん

XUEさん 困難な状況は続きましたが、チームとして諦めることなく、先方のニーズや、競合他社の動向を常に把握し、さまざまなアプローチに取り組みました。先程お話ししたCFTの団結力と、メンバー間の信頼、そして諦めない姿勢が、最終的な成果につながったと思っています。これからも、競合他社との競争や、コスト面での改善など、継続的な課題はありますが、テスラ社とのコミュニケーションを密に行い、ニーズに柔軟に対応できる体制を築いています。

アイデアとチャレンジで仲間たちと成長し続ける

Arrow編集部 皆さんが成し遂げた成果やBGA受賞に対する想い、そしてブリヂストンの仲間たちへのメッセージがあればお願いします。

XUEさん グリーン工場による生産、グローバルな供給網、そしてプレミアムなブランド力。ブリヂストンが誇るこれらの強みをフルに活用して、完成車メーカーとのビジネスを維持・拡大していきたいですね。これからもさまざまな課題に対応できるよう、自分自身も成長していきたいです。

HUさん 私たちが成し遂げたことはゴールではなくスタートです。これからもテスラ社や他EVメーカーとの、高品質なビジネスを推進・継続していきたいと思います。アイデアを考え続けること、チャレンジを恐れないこと、これらができればブリヂストンはこれからもまだまだ成長できると思いますし、そんな会社の一員であることを誇りに思っています。

BSCN完成車メーカー担当の皆さん

PENGさん BGA2024の受賞は、チーム全体にとって大きな喜びです。現物現場で一つひとつの課題に対応していった結果が、大きな価値につながったことを誇りに思います。

RENさん 私たちはブリヂストンの一員であることをとても誇りに思っています。私たちはこの会社を愛していますし、グローバルの仲間たちと一緒に成長していければと思います。この気持ちを忘れずに、これからも挑戦を続けていきたいです。

無錫工場の皆さん


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コメント(2)

シンチャオさん

BSCN、直需の皆様、おめでとうございます!色々とチャレンジングな要求もあったと思いますが、素晴らしいです!

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じしゅんさん

テスラ社からのビジネス獲得おめでとうございます!
中国自動車メーカーにはまだまだBSタイヤの良さが分かってもらえず、あまり浸透していないように思えますが、裏を返せばまだまだ中国ビジネスの伸びしろが多いということ…
これからもグローバル一体となって中国ビジネスを発展させていきましょう!

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