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Amazonのラストマイルビジネスを支える フリート向けプログラム

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商品がお客様のもとへ届くまでの最後の区間を示す「ラストマイル」。具体的には倉庫や配送センターからお客様の自宅や店舗までの距離のことを指します。ネット通販ビジネスを展開するAmazon社でも、フリート※1によるラストマイル配送を行っていますが、このフリート向けに新しいソリューションを提案し、ビジネスの獲得に貢献した皆さんにお話を伺いました。

※1 企業などが所有・運営する、商品や資材の輸送に使用される車両群のこと。
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Bridgestone Americas Tire Operations, LLC

Christine Reaganさん

フリートソリューションズ部門で、フリート向けプログラムの最適化や新技術の検証、フリートへの実証テスト・試験導入などを担当。

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Bridgestone Americas Tire Operations, LLC

Samantha McCrackenさん

Amazon社との窓口の1人として、ラストマイル事業の拡大を担当。現在は中距離輸送の車両管理の交渉も推進中。

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Bridgestone Americas Tire Operations, LLC

Douglas Jacobsenさん

Amazon社向けのフリート営業を担当し、フリート向けプログラムの展開に尽力。現在はリプレイス部門にてさまざまな領域を担当。

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Bridgestone Americas, Inc.

Andrew Kimさん

BI(※2)チームに所属し、社内外のデータ基盤構築やレポーティングの自動化を担当。Amazon社やサービスネットワークとのデータ連携も担う。

※2 ビジネスインテリジェンスの略。組織のデータを収集、管理、分析し、ビジネス戦略や業務の意思決定を支援する手法や概念のこと。

Amazon社が直面していた困りごとをビジネスチャンスへ

Arrow編集部 このテーマに取り組むことになった背景を教えてください。

Jacobsenさん Amazon社ではラストマイル輸送において、予期せぬタイヤ交換やメンテナンス対応が発生し、車両の稼働率低下、車両運用コストの上昇が課題となっていました。ブリヂストンとAmazon社との間には、長年のビジネスを通じて築いた信頼関係がありましたので、この困りごとに寄り添い、共に解決を目指すことで、新しいビジネスにもつなげられるのではないかと考えたのが、この取り組みの背景です。

McCrackenさん Jacobsenさんが言ったような困りごとを解決すべく、Amazon社でも2023年頃から、信頼できるメンテナンスプログラムを提供してくれるパートナーを探していました。私たちは、彼らの要望に対応すべく、先方の入札に参加することになったのです。

Amazon社の配送車両。Jacobsenさんたちは先方が抱えていた課題にビジネスチャンスを見出した

Arrow編集部 Amazon社の困りごとを解決すべく、フリート向けプログラムの受注を目指したんですね。このプログラムの内容と、具体的に取り組んだことを教えてください。

Jacobsenさん ブリヂストンのプレミアムタイヤとサービスネットワーク、そして、デジタル活用によるタイヤの状況・点検結果などの迅速な情報共有、これらを組み合わせたソリューションが、私たちがAmazon社に提案したプログラムです。技術サービスを中心に、現物現場でお客様に寄り添ったタイヤ点検・メンテナンス対応でお客様の効率的な運行管理を支え、Amazon社の困りごとを解決することを目指しました。

Reaganさん 私はAmazon社と、フリートソリューションにおける検証やサービス内容のすり合わせ、調整をしました。

Kimさん 私はBIチームの開発責任者として、Amazon社へのレポーティングのためのダッシュボードの基盤構築と運用を担当しました。車両ごとの運行コストや、ダウンタイム、タイヤの点検結果など、デジタルを活用し、パフォーマンスが計測できる仕組みを構築しました。

お互いの認識を丁寧にすり合わせ、パートナーシップを構築

Arrow編集部 このテーマを進める上で直面した困難や課題、そしてそれらをどう乗り越えたかを教えてください。

Reaganさん Amazon社とのフリート運用について、理解のすり合わせや、法務面での交渉が特に難しかったですね。先方からの数多くの要望に継続的に対応しつつ、丁寧に対応事項の優先順位を決めていきました。プログラムの運用が始まった後も、現場でのさまざまな課題に共に向き合っています。双方の信頼関係は以前にも増してより強固なものになっていると思います。

Jacobsenさん 調整を進める過程で、Amazon社のフリート担当の交代が複数回ありましたが、その都度、時間をかけて新しい担当者と信頼関係を築いていきました。私たちのプログラムによるメリットを、データを用いて定量的に示していったことで、先方からの確かな信頼を得られたと考えています。

McCrackenさん 一般的に、何らかのメンテナンスプログラムを活用してフリート管理をしている企業が多いなか、Amazon社ではまだ自社でのフリート運用の歴史が浅かったので、一緒に基盤をつくっていくことに苦労しました。双方で密に連携し、一つひとつ課題を乗り越えことが、前向きなパートナーシップの構築につながりました。

Kimさん Amazon社専用のデータソリューションを開発する必要があったため、既存の仕組みを流用できないことも多く、大変な道のりでしたね。社内外の関係者が密に連携し、コアとなる枠組みを固め、最終的にはAmazon社専用のレポーティング環境を構築することができました。

ラストマイル配送を支えるタイヤメンテナンス

より強いブリヂストンを目指して お客様のニーズへ応え続ける

Arrow編集部 BGA2024受賞時の感想や今後の意気込みについて教えてください。

Reaganさん 先方の入札を勝ち取った結果、Amazon社が運用するフリートへのタイヤ・サービスの提供において、ブリヂストンが大きなシェアを獲得できたことが大変誇らしいです。全米規模のフリート管理をサポートすることにプレッシャーも感じますが、ブリヂストンにとっての大きな一歩であり、今回のBGAの受賞は私のキャリアの中でも最も輝かしい瞬間です。また今回成し遂げたことは、今後、他のお客様に向けたソリューションを提案する際の土台になると思います。これからもお客様のニーズへ対応できる力を高め、より強いブリヂストンへの進化へ貢献していきます。

McCrackenさん チーム全体の努力が評価されて本当にうれしいです。当初想定していた以上の大きなビジネスを獲得できたことはチームワークの賜物であり、これからも大きな価値を生んでくれると思います。今後もフリートにおける技術の進化やデータの統合を進め、長期的なパートナーシップを強化していきたいです。

Jacobsenさん この取り組みがグローバルで評価されたことに大きな誇りを感じます。Reaganさんの言ったとおり、ブリヂストンで働けること、そして受賞できたことは、キャリアの中での大きな誇りです。私はその後、担当業務が変わり、現在はリプレイス部門で働いていますが、Amazon社とブリヂストンのビジネスがさらに発展してことが楽しみです。

Kimさん BGA受賞を聞いたとき、チーム全員で喜びを分かち合いました。また東京で開催される表彰式の場で、この取り組みを発表できることにも感激しています。今回のプロジェクトでは基盤となるレポートソリューションを構築しましたが、今後はさらなるデータ環境の強化と新技術導入を進めていきます。これからもさまざまな課題が出てくると思いますが、このプロジェクトで成し遂げた成果と経験を自信に変えて、それらに対応していくつもりです。

ブリヂストンには数多くの頼もしい仲間たちがいる

Arrow編集部 改めて、この取り組みやBGA2024受賞を振り返って、ブリヂストンの仲間たちにメッセージをお願いします。

Reaganさん 新しいビジネスや市場開拓を恐れないで今後も挑戦していきたいですね。ブリヂストンにはさまざまな経験と強みがあり、チームで力を合わせて粘り強く挑戦すれば、どんなことも成し遂げられます。

McCrackenさん Amazon社向けプロジェクトの成功は、ブリヂストンのスペシャリストたちが協力することで成果を生み出した素晴らしい事例だと思います。この会社には困ったときは必ずサポートしてくれる頼もしい仲間たちがたくさんいます。そんなチームメイトたちと、ブリヂストンの文化は大きな誇りです。

Jacobsenさん ブリヂストンは本当に素晴らしい会社です。多くの頼れる同僚や共創パートナーと、やりがいのある仕事ができていると思います。また、そんな仲間たちに囲まれていることを誇りに思います。

Kimさん Amazon社とのプロジェクトは想定していた以上の大きな成果につながりました。力を貸してくれた社内の仲間や、社外のパートナーに、改めてお礼を言いたいですね。

プロジェクトメンバーの皆さん


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コメント(2)

Congrats !さん

Thank you Arrow editorial team, for this very interesting interview of Christine and hear team.
The total number of inspections captured in our Toolbox application has jumped by 15%b instantly.
Today, 150,000 tires are inspected each month in the application by dealers and Bridgestone just for Amazon business.
True Bridgestone Genba !!

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受賞おめでとうございますさん

将来的に自動運転車が出てきたら、ラストマイルビジネスの要はタイヤなどのメンテナンスになる気がしてます。そうした将来的なサービス向上のためのデータを集積できるという意味では、Amazonのシェアを獲得するというのはブリヂストンにとって大きいのではないかと感じました。おめでとうございます<(_ _)>

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