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欧州の膨大な車両データと日本の耐久予測技術で新たな価値を

ブリヂストンには、創業期から困難なことに「挑戦」し、「品質へのこだわり」を持ち、「現物現場」で「お客様の困りごとに寄り添う」というブリヂストンDNAを体現しながら、さまざまな立場や持ち場で日々、挑戦を続ける多くの仲間達がいます。(株)ブリヂストンでは、挑戦意欲のある従業員の皆さんに挑戦の機会を提供したいという思いから、自分で選んだテーマに対し、課題や仮説の現場での検証、改善、解決に100日間取り組める人事制度「現場100日チャレンジプログラム」(以下、現場100日チャレンジ)が2023年より始まりました。今回は、「欧州Webfleet Solutionsとトラック・バス用タイヤ耐久予測技術のシナジーによるリトレッド事業拡大への貢献」に取り組んだ、Bridgestone Americas, Inc.の技術センター(以下、ATC)に赴任中の鈴木 浩平さんにお話を伺いました。

欧州と日本の強みを活かしたシナジーを

Arrow編集部 鈴木さんのご経歴と、現場100日チャレンジに応募した当時の担当業務を教えていただけますか?

鈴木さん 2015年に新卒で(株)ブリヂストンに入社し、約4年間、トラック・バス用タイヤの設計部署で経験を積みました。その後、別の部署を経て、現場100日チャレンジに申し込んだ2023年当時は、リトレッドビジネスのソリューションを担当していました。

鈴木さん

Arrow編集部 トラック・バス用タイヤやリトレッドビジネスに関する部署で経験を積まれたんですね。そんななか、現場100日チャレンジに手を挙げたきっかけを教えてください。

鈴木さん 当時の部署ではタイヤの摩耗・耐久予測のロジックづくりを行っていたのですが、日本には車両データの数に限りがありました。一方で、欧州には、デジタルソリューションプロバイダー、Webfleet Solutions (以下、Webfleet)を通じて得られる膨大な車両データがあることもわかっていました。そんななか、現場100日チャレンジのお話を聞いて、Bridgestone Europe NV/SAの技術センター(以下、TCE)の持つ膨大な車両データと、東京・小平にある技術センター(以下、TCJ)で開発した優れた耐久予測技術、この2つを合わせることでシナジーが生まれ、欧州におけるリトレッドビジネスの加速につながるのではないかと考えたのがきっかけです。

日本、欧州、米国の3極の状況を表した図。鈴木さんは日本(TCJ)の優れた耐久予測技術と、欧州(TCE)が持つ膨大な車両データに着目

Arrow編集部 TCEとTCJ、それぞれの特長を上手く活用できると考えたんですね。

鈴木さん はい。他にも、自分自身のキャリア形成として、TCJでの経験を活かし、海外での仕事に携わり、成長につなげたいという思いがあったことも手を挙げた動機の1つです。現場100日チャレンジに応募した当時の部署では、TCJ、ATC、TCEの3極定例会議のファシリテーターを担当していました。担当し始めた頃は、英語での司会進行に四苦八苦していましたが、それにも徐々に慣れ、いつしか「ここで議論している海外の仲間たちと、画面越しの会話だけでなく、対面で協働したい」と考えるようになっていました。

3つのフェーズに分けてテーマを推進 現地にとって「今必要なこと」を提案

Arrow編集部 鈴木さんご自身も海外での業務に意欲があったんですね。実際に現場100日チャレンジでは、どのように設定したテーマを進めていったのでしょうか?

鈴木さん テーマ設定した「欧州Webfleet Solutionsとトラック・バス用タイヤ耐久予測技術のシナジーによるリトレッド事業拡大への貢献」ですが、大きく3つのフェーズに分けて進めました。端的に言うと、それぞれのフェーズのキーワードは「技術」、「ビジネス」、「現物現場」です。TCJの耐久予測技術をTCEに持ち込み、Webfleetから得られた大量の車両データに適用することでのリトレッドビジネスへの貢献について、欧州のビジネス部隊やWebfleetのチームメイトに、リトレッドビジネスを提案していくという取り組みでした。その取り組みの一環として、自分の提案が成り立つのか、自分の目で確かめるべく、リトレッドビジネスのカギである台タイヤの管理状況を現物現場で確認しました。
Arrow編集部 それぞれのフェーズについて、100日間という限られた期間で成し遂げられた成功要因は何ですか?

鈴木さん 成功要因は、欧州のビジネス部隊が「まさに今必要としていた」という提案をできたことだと考えています。欧州では、従来のタイヤ販売、メンテナンスサービス、内圧管理に摩耗予測を加えた販売プランを考えていました。それに、今回完成させた耐久予測技術を活用することで、台タイヤの耐久予測も販売プランに加えることが可能になり、ブリヂストン独自のリトレッドビジネスとしてソリューションサービスにする提案ができたのです。モノ売りからコト売りへのシフトを加速させる提案で、欧州のビジネス部隊としてもWebfleetが持っている車両データを活用した次のビジネスを検討していた最中だったので、とても前向きに受け止めてもらえました。もう1つの成功要因は、今回、私はTCEを拠点に、TCJとの連携も密に行ないながら取り組みを進められたことです。TCJの予測技術をTCEの車両データに適用するためには、TCJとTCEの双方での密な連携が必要になります。私がTCE側で日中調整を進めたものを夕方にTCJに送り、TCJ側での対応を実施してもらう、というやり方を、両拠点の時差も上手く活用して繰り返すことで、効率よく進められたと思っています。
Arrow編集部 欧州側のタイムリーなニーズともマッチした提案ができたんですね。

鈴木さん ビジネスへ応用できる感触が得られたので、これを実現させる上で重要なカギとなる台タイヤの管理状態を自分の目で確認すべく、フランスやイギリスのリトレッド工場を訪問しました。それらの現場では全ての台タイヤが高いレベルで管理されていて、「これなら大丈夫!」と確信しましたね。
Arrow編集部 まさに「現物現場」で台タイヤの管理状態を見て、ビジネスに応用できることを確認できたんですね。

鈴木さん そのとおりです。その後は、イタリアのお客様にこのビジネスのPoC(Proof of Concept、概念実証)に協力していただけるよう相談・調整を進め、ビジネス展開に向けた試行を始めるめどをつけることができました。現在は、これをTCEの仲間たちが引き継いで取り組みをさらに前進させてくれています。

現在はATCに赴任中の鈴木さん。写真左はチームメイトのLiさん、写真中央は上司のHanchinさん

バリューチェーン全体で仲間たちをリードできる人財を目指したい

Arrow編集部 改めて、今回の現場100日チャレンジで得た学びを教えてください。

鈴木さん 私が得た学びは2つあります。1つ目はFace to Faceの大切さです。同じ場所で働くことで、密な関係を築くことができ、Web会議では掴み切れなった現地の事情や困りごとについても把握することができました。こうしたブリヂストンの「現場」を大切にする文化が大好きです。
Arrow編集部 TCEでの現場100日チャレンジ、鈴木さんにとって得るものは大きかったようですね。最後に今後の意気込みを教えてください。

鈴木さん 現場100日チャレンジの期間中に滞在したTCEでもそうでしたが、現在赴任しているATCでもたくさんの現場で学ぶ機会を頂いています。そこで得られる一つひとつの経験を大切に、バリューチェーン全体でグローバルの仲間たちを巻き込み、リードしていけるような人財を目指していきたいです!

Arrow編集部 これからも鈴木さんの挑戦は続きますね!応援しています!
【(株)ブリヂストン HRXカルチャーチェンジ・DE&I推進部より】
(株)ブリヂストンでは 2023年4月以降、計22名の開発企画職の皆さんが、海外含むさまざまな現場での100日チャレンジに取り組んでいます。普段から自分のやりたいこと、いっしょに働く仲間がやりたいと考えていることを職場内で共有し合い、さまざまな階層で現物現場での挑戦が生まれるようにしていくためにも、普段から、挑戦しようとしている仲間を後押しする気持ちを持つことが大切だと考えています。日々の業務において認識はしているものの、なかなか打破できないと感じている課題をお持ちの方も多くいらっしゃると思います。100日間、現場で集中して課題や仮説の現場での検証、改善、解決させたいという熱い想いをお持ちの方、ぜひ奮ってご応募ください(募集は5/7まで)!

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コメント(1)

にゅるさん

正にDXのど真ん中のような活動ですね。すごい!

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