イノベーションの壁を乗り越えるために! 解決のヒントは“現物現場”

ブリヂストンには創業期から困難なことに「挑戦」し、「品質にこだわり」、「現物現場」で「お客様の困りごとに寄り添う」というDNAが受け継がれ、さまざまな立場や持ち場で日々、挑戦を続ける多くの仲間達がいます。(株)ブリヂストンでは、挑戦意欲のある従業員の皆さんに挑戦の機会を提供したいという思いから、自分で選んだテーマに対し、課題や仮説の現場での検証、改善、解決に100日間取り組める人事制度「現場100日チャレンジプログラム」(以下、現場100日チャレンジ)が2023年より始まりました。今回は、「自部門課題解決へ向けた別事業での現場体験」に取り組んだ、建築ソリューション事業企画部 配管事業企画課の北村さんにお話を伺いました。
革新的な排水システム「スマートサイホンⓇ」
Arrow編集部 現場100日チャレンジに参加された当時の、北村さんの所属と担当業務について教えてください。
北村さん 当時はブリヂストン化工品ジャパン(株)(以下、BDPJ)で、「スマートサイホン」という樹脂配管の新規営業を担当していました。スマートサイホンは、2016年に上市した、配管事業の中では比較的新しい商品です。
元々は(株)ブリヂストン(以下、BSJ)の配管事業部に所属していましたが、3年間販売会社であるBDPJに派遣されており、100日チャレンジに参加した当時は派遣期間の最終年でした。
Arrow編集部 BDPJに派遣されていたんですね。担当していたスマートサイホンとはどのような商品なんですか?
北村さん スマートサイホンとは、「次世代の排水システム」です。
マンションなどの建物で使用される一般的な排水システムは、室内を縦に貫通している排水立て管から、キッチンや浴室などの水まわりに短距離で勾配をつけた排水管をつなげることで排水しています。そのため、キッチンや浴室は必ず排水立て管の近くにしか配置できず、またマンションの水回りの位置と間取りは1階から最上階まで必ず同じになるという、「排水による建物構造の制約」があるんです。
一方、スマートサイホンは、「水が下の階に落ちることで発生する引く力=サイホン力」を利用して排水することで、長距離で無勾配の排水が可能となります。これによって居室内の水回り配置の制約がなくなり、新築時における間取りの自由度が高くなると共に、ライフスタイルの変化に合わせた間取りの変更も容易になるなど、多様化したライフスタイルやニーズに対応した住まいを実現できるんです。
北村さん 当時はブリヂストン化工品ジャパン(株)(以下、BDPJ)で、「スマートサイホン」という樹脂配管の新規営業を担当していました。スマートサイホンは、2016年に上市した、配管事業の中では比較的新しい商品です。
元々は(株)ブリヂストン(以下、BSJ)の配管事業部に所属していましたが、3年間販売会社であるBDPJに派遣されており、100日チャレンジに参加した当時は派遣期間の最終年でした。
Arrow編集部 BDPJに派遣されていたんですね。担当していたスマートサイホンとはどのような商品なんですか?
北村さん スマートサイホンとは、「次世代の排水システム」です。
マンションなどの建物で使用される一般的な排水システムは、室内を縦に貫通している排水立て管から、キッチンや浴室などの水まわりに短距離で勾配をつけた排水管をつなげることで排水しています。そのため、キッチンや浴室は必ず排水立て管の近くにしか配置できず、またマンションの水回りの位置と間取りは1階から最上階まで必ず同じになるという、「排水による建物構造の制約」があるんです。
一方、スマートサイホンは、「水が下の階に落ちることで発生する引く力=サイホン力」を利用して排水することで、長距離で無勾配の排水が可能となります。これによって居室内の水回り配置の制約がなくなり、新築時における間取りの自由度が高くなると共に、ライフスタイルの変化に合わせた間取りの変更も容易になるなど、多様化したライフスタイルやニーズに対応した住まいを実現できるんです。
イノベーションの壁を乗り越えるために
Arrow編集部 従来の制約を打破した魅力的な商品なんですね!では、現場100日チャレンジに挑戦したいと考えたきっかけは何だったのでしょうか?
北村さん スマートサイホンは非常に魅力的な商品なんですが、建物の完成後に配管をスマートサイホンに切り替えることはできず、設計段階で導入する必要があります。また、排水管は「詰まらずに流れること」が大前提なので、お客様も「素晴らしい技術だ」と評価してくれる一方で、新技術の商品でまだ導入実績が少なかったために、実際に導入には至らず、採用に大苦戦していました。
これまで世の中になかった商品を採用してもらうことに高い壁を感じ、なかなか乗り越えられずにいたんです。
そんな時に、派遣元であるBSJ配管事業部の部長からの勧めで現場100日チャレンジの存在を知りました。
自分で立てた課題・仮説に取り組むことができる点や、100日間という限られた期間の中で多くの学びを得ることができる点に魅力を感じ、3年間の派遣期間でどれだけ経験を積んで配管事業に還元できるかと考えたときに、現物現場でより多様な経験を積むことで、この壁を乗り越えるきっかけをつかみたいと思い応募しました。
Arrow編集部 派遣期間中のチャレンジ参加だったんですね。参加に対して周りの方々の反応はどうでしたか?
北村さん やはり3年間という限られた在籍期間の中で100日間も離脱してしまうことに対して、「迷惑をかけてしまうんじゃないか」と悩んだ部分もありましたが、BSJ配管事業部の部長と派遣先であるBDPJの上司から「長い目で見て必ず必要な経験になるから、多くのことを学び、今後に生かしてほしい」と背中を押されました。
不在期間は、BDPJはもちろんBSJ配管事業部の部長にも業務のサポートしていただき、安心してチャレンジに臨むことができるよう、最大限のサポートをしてもらったことに感謝しています。
Arrow編集部 周囲のサポートや理解、北村さんへの期待がチャレンジの実現に繋がったんですね。ちなみに、今回の挑戦先を「ソフトロボティクス ベンチャーズ」に決めた経緯を教えてください。
北村さん 先ほどお伝えした通り、スマートサイホンは配管市場でまだまだ地位を確立できておらず、既存の配管からの置き換え導入への壁にぶつかり、解決策を見いだせずにいました。
そこで、100日間のチャレンジでは配管事業とは異なる現場で、課題解決に向けた取り組みを体験することで、自部門の課題解決を加速させたいと考えました。
2023年当時は、探索事業の一つだったソフトロボティクス事業が社内ベンチャー化を始めた時期で、起業家精神を持った多様な人財が集結した「ソフトロボティクス ベンチャーズ」(以下、ソフトロボティクス)なら、これまでになかった新たな視点や気づきを得られると考え、挑戦先に決めました。
また、BSJ配管事業部にはソフトロボティクスの立ち上げ期に携わった先輩が何名かいて、その先輩からベンチャーならではの物事の進む速さや、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーたちの多様な意見交換から、何かヒントが得られるんじゃないかと、推薦してもらったこともソフトロボティクスを選んだ大きなきっかけです。
北村さん スマートサイホンは非常に魅力的な商品なんですが、建物の完成後に配管をスマートサイホンに切り替えることはできず、設計段階で導入する必要があります。また、排水管は「詰まらずに流れること」が大前提なので、お客様も「素晴らしい技術だ」と評価してくれる一方で、新技術の商品でまだ導入実績が少なかったために、実際に導入には至らず、採用に大苦戦していました。
これまで世の中になかった商品を採用してもらうことに高い壁を感じ、なかなか乗り越えられずにいたんです。
そんな時に、派遣元であるBSJ配管事業部の部長からの勧めで現場100日チャレンジの存在を知りました。
自分で立てた課題・仮説に取り組むことができる点や、100日間という限られた期間の中で多くの学びを得ることができる点に魅力を感じ、3年間の派遣期間でどれだけ経験を積んで配管事業に還元できるかと考えたときに、現物現場でより多様な経験を積むことで、この壁を乗り越えるきっかけをつかみたいと思い応募しました。
Arrow編集部 派遣期間中のチャレンジ参加だったんですね。参加に対して周りの方々の反応はどうでしたか?
北村さん やはり3年間という限られた在籍期間の中で100日間も離脱してしまうことに対して、「迷惑をかけてしまうんじゃないか」と悩んだ部分もありましたが、BSJ配管事業部の部長と派遣先であるBDPJの上司から「長い目で見て必ず必要な経験になるから、多くのことを学び、今後に生かしてほしい」と背中を押されました。
不在期間は、BDPJはもちろんBSJ配管事業部の部長にも業務のサポートしていただき、安心してチャレンジに臨むことができるよう、最大限のサポートをしてもらったことに感謝しています。
Arrow編集部 周囲のサポートや理解、北村さんへの期待がチャレンジの実現に繋がったんですね。ちなみに、今回の挑戦先を「ソフトロボティクス ベンチャーズ」に決めた経緯を教えてください。
北村さん 先ほどお伝えした通り、スマートサイホンは配管市場でまだまだ地位を確立できておらず、既存の配管からの置き換え導入への壁にぶつかり、解決策を見いだせずにいました。
そこで、100日間のチャレンジでは配管事業とは異なる現場で、課題解決に向けた取り組みを体験することで、自部門の課題解決を加速させたいと考えました。
2023年当時は、探索事業の一つだったソフトロボティクス事業が社内ベンチャー化を始めた時期で、起業家精神を持った多様な人財が集結した「ソフトロボティクス ベンチャーズ」(以下、ソフトロボティクス)なら、これまでになかった新たな視点や気づきを得られると考え、挑戦先に決めました。
また、BSJ配管事業部にはソフトロボティクスの立ち上げ期に携わった先輩が何名かいて、その先輩からベンチャーならではの物事の進む速さや、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーたちの多様な意見交換から、何かヒントが得られるんじゃないかと、推薦してもらったこともソフトロボティクスを選んだ大きなきっかけです。
“現物現場”できっかけをつかむ
Arrow編集部 配管事業とは全く異なる環境で新たな視点を得たいと考えたんですね。実際にソフトロボティクスではどのようなことに取り組まれたのでしょうか?
北村さん 自部門の課題解決を加速させるための「アイデア探索」と「対策案の具体化」のために、一つでも多くの学びを得たいと思い、ソフトロボティクスが展開する“全ての施策”に携わることを活動内容として設定しました。
中でも、見込み顧客獲得に繋がる「共感を生み、市場を創造する営業活動」では、実際に食品総合展で説明員の一人として現場に立ち、お越しいただいた皆様の困り事や現状についてお伺いし、一緒に何ができるのかを話し合うことで、共感を生み出すきっかけづくりを経験しました。
そしてそのきっかけをビジネスに昇華させるために、ソフトロボティクスではWebコンテンツなどのデジタルマーケティングにも注力しており、実際にWebサイトの制作や運用に携わり、その効果を実感することで、見込み顧客から「強いファン」になってもらう流れを肌で感じることができました。
北村さん 自部門の課題解決を加速させるための「アイデア探索」と「対策案の具体化」のために、一つでも多くの学びを得たいと思い、ソフトロボティクスが展開する“全ての施策”に携わることを活動内容として設定しました。
中でも、見込み顧客獲得に繋がる「共感を生み、市場を創造する営業活動」では、実際に食品総合展で説明員の一人として現場に立ち、お越しいただいた皆様の困り事や現状についてお伺いし、一緒に何ができるのかを話し合うことで、共感を生み出すきっかけづくりを経験しました。
そしてそのきっかけをビジネスに昇華させるために、ソフトロボティクスではWebコンテンツなどのデジタルマーケティングにも注力しており、実際にWebサイトの制作や運用に携わり、その効果を実感することで、見込み顧客から「強いファン」になってもらう流れを肌で感じることができました。
Arrow編集部 実際の現場で、お客様とのビジネス化に向けた一連の施策全てにチャレンジしたんですね。このチャレンジではどのようなことを学びましたか?
北村さん 「共感」を生むことの重要性を学びました。まだ世に出ていない商品を提供する場合、足元の課題に目が行きがちで、正しい価値をお客様が明確にイメージできていないケースが多いと感じます。スマートサイホンだけでなく、ソフトロボティクスでも同様の課題がありました。
ですが、展示会やセミナーを通じてお客様と共に課題を見つけ、その先に実現したいビジョンを我々が理解し、その実現のためにソフトロボティクスが提供できる価値に「共感」していただくことで、顧客獲得に繋がるんだと感じました。
Arrow編集部 共感が顧客獲得の一歩目なんですね。今回の取り組みを今後にどう生かしていきたいか、意気込みを教えてください!
北村さん 実際にさまざまな場面を現物現場で体験することで、多様なコンテンツツールを活用し、お客様にファンになってもらう活動を通じて「共感」を生むことが重要であると感じました。
振り返ってみると、これまでのスマートサイホンの営業活動は、採用コストや建物の仕様変更など、機能的な訴求が中心で、スマートサイホンの魅力である「無勾配が実現する課題解決」と、お客様と共に実現する「理想の住まいのあり方」に共感していただけるような提案が不足していたように感じます。
現場100日チャレンジが終了し、BDPJでの派遣期間も終了した現在は、営業担当ではなく、事業戦略を担う立場となりました。今回の学びを生かして、スマートサイホンのPR動画を作成しましたが、従来重きを置いていた「この商品を採用いただくユーザー(マンションデベロッパー)」視点ではなく、「この商品で魅力的になったマンションで生活する購入者」視点のドラマ仕立ての内容にしたところ、社内だけでなく、お客様の反応が全く変わりました。「スマートサイホンで実現できるビジョンはこういうことだったのだな」との気づきを与えることで従来よりも壁を乗り越えられるケースが大幅に増えました。自分の中でもこの成功体験で、壁の乗り越え方が1つ見えた気がします。
今後も価値に共感を生むアプローチで、スマートサイホンでしか成しえない「理想の住まいのあり方」の実現に挑戦します!
Arrow編集部 現場100日チャレンジで培った「共感が生み出すスマートサイホンのビジョン実現」への北村さんの挑戦を応援しています!
北村さん 「共感」を生むことの重要性を学びました。まだ世に出ていない商品を提供する場合、足元の課題に目が行きがちで、正しい価値をお客様が明確にイメージできていないケースが多いと感じます。スマートサイホンだけでなく、ソフトロボティクスでも同様の課題がありました。
ですが、展示会やセミナーを通じてお客様と共に課題を見つけ、その先に実現したいビジョンを我々が理解し、その実現のためにソフトロボティクスが提供できる価値に「共感」していただくことで、顧客獲得に繋がるんだと感じました。
Arrow編集部 共感が顧客獲得の一歩目なんですね。今回の取り組みを今後にどう生かしていきたいか、意気込みを教えてください!
北村さん 実際にさまざまな場面を現物現場で体験することで、多様なコンテンツツールを活用し、お客様にファンになってもらう活動を通じて「共感」を生むことが重要であると感じました。
振り返ってみると、これまでのスマートサイホンの営業活動は、採用コストや建物の仕様変更など、機能的な訴求が中心で、スマートサイホンの魅力である「無勾配が実現する課題解決」と、お客様と共に実現する「理想の住まいのあり方」に共感していただけるような提案が不足していたように感じます。
現場100日チャレンジが終了し、BDPJでの派遣期間も終了した現在は、営業担当ではなく、事業戦略を担う立場となりました。今回の学びを生かして、スマートサイホンのPR動画を作成しましたが、従来重きを置いていた「この商品を採用いただくユーザー(マンションデベロッパー)」視点ではなく、「この商品で魅力的になったマンションで生活する購入者」視点のドラマ仕立ての内容にしたところ、社内だけでなく、お客様の反応が全く変わりました。「スマートサイホンで実現できるビジョンはこういうことだったのだな」との気づきを与えることで従来よりも壁を乗り越えられるケースが大幅に増えました。自分の中でもこの成功体験で、壁の乗り越え方が1つ見えた気がします。
今後も価値に共感を生むアプローチで、スマートサイホンでしか成しえない「理想の住まいのあり方」の実現に挑戦します!
Arrow編集部 現場100日チャレンジで培った「共感が生み出すスマートサイホンのビジョン実現」への北村さんの挑戦を応援しています!
【(株)ブリヂストン HRXカルチャーチェンジ・DE&I推進部より】
(株)ブリヂストンでは 2023年4月以降、計22名の開発企画職の皆さんが、海外含むさまざまな現場での100日チャレンジに取り組んでいます。普段から自分のやりたいこと、いっしょに働く仲間がやりたいと考えていることを職場内で共有し合い、さまざまな階層で現物現場での挑戦が生まれるようにしていくためにも、普段から、挑戦しようとしている仲間を後押しする気持ちを持つことが大切だと考えています。日々の業務において認識はしているものの、なかなか打破できないと感じている課題をお持ちの方も多くいらっしゃると思います。100日間、現場で集中して課題や仮説の現場での検証、改善、解決させたいという熱い想いをお持ちの方、ぜひ奮ってご応募ください(募集は5/7まで)!
また、当プログラムの経験者の方に体験談を語って頂くセッションを4月2日(水)に本社地区で開催予定ですので、プログラムに関心がある方はこちらもぜひご参加ください。
(詳しくはこちら ※社内環境からのみ閲覧可能です)
(株)ブリヂストンでは 2023年4月以降、計22名の開発企画職の皆さんが、海外含むさまざまな現場での100日チャレンジに取り組んでいます。普段から自分のやりたいこと、いっしょに働く仲間がやりたいと考えていることを職場内で共有し合い、さまざまな階層で現物現場での挑戦が生まれるようにしていくためにも、普段から、挑戦しようとしている仲間を後押しする気持ちを持つことが大切だと考えています。日々の業務において認識はしているものの、なかなか打破できないと感じている課題をお持ちの方も多くいらっしゃると思います。100日間、現場で集中して課題や仮説の現場での検証、改善、解決させたいという熱い想いをお持ちの方、ぜひ奮ってご応募ください(募集は5/7まで)!
また、当プログラムの経験者の方に体験談を語って頂くセッションを4月2日(水)に本社地区で開催予定ですので、プログラムに関心がある方はこちらもぜひご参加ください。
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