地域社会から宇宙・月面へ、モビリティの進化に向けた挑戦
地域社会の安心・安全な移動に貢献する「AirFree」

「AirFree」の現状と、24MBPでの取り組みを教えてください。

空気の代わりに青色の特殊形状のスポークで荷重を支える「AirFree」は、「地域社会のモビリティを支える」ことをミッションに開発に取り組んでいます。特に労働力の減少が進んでいる地域での活用をイメージしています。2026年の社会実装を目指して、用途の更なる検討と技術開発を進めています。

「AirFree」はパンクの心配がなく、空気圧管理も不要で省メンテナンスになります。一方で、現在の技術的な課題は乗り心地の改善です。特に走行時の騒音や振動を抑えるための試行錯誤を重ねています。ブリヂストンのコアコンピタンスである「ゴムを極める」「接地を極める」技術を応用し、改良を重ねていきたいと思っています。

すでに東京・小平の公道で実証実験が始まっています。高い視認性を持つ青色スポークのタイヤは、夕暮れ時でも目立ち、安心・安全につながります。また、珍しさから街中で見かけた一般の方が走行の様子を撮影し、SNSにアップしたり、メディアからも取り上げていただいたりと、注目の高さがうかがえます。今後も「AirFree」の更なるメディア露出を獲得することで、より多くの方に知っていただき、共創パートナーの獲得にもつなげていきたいです。

現在ターゲットにしているのは地域を走る2〜4人乗りの小型モビリティで、将来的には自動運転と組み合わせることで「AirFree」の強みをより生かすことができると考えています。地域のモビリティに「AirFree」を活用することで、安心・安全に移動を止めないという、空気入りタイヤとは異なる価値の創出に取り組んでいきます。
人類の夢を背負った月面探査車を支える

月面タイヤを開発する背景と進捗を教えてください。

月面という極限の環境を走行するタイヤの開発は、ブリヂストンの技術イノベーションの進化に大きく寄与するものです。ブリヂストンは、JAXA様やトヨタ自動車様と共にチームジャパンの一員として、月面探査車「有人与圧ローバ」のタイヤ開発に取り組んできました。

ラクダの足裏から着想を得て砂に沈みにくい接地面を実現した第1世代から、より性能を向上させるべく構造を変更したのが第2世代の月面タイヤです。「AirFree」の技術を活用し、金属スポーク構造で高次元での走破性と耐久性の両立を図っています。

第2世代は4月に米国で開催されたスペースシンポジウムでお披露目され、各国の宇宙開発関係者やメディアから問い合わせを頂くなど、広く関心を集めました。今後も取り組みの背景にあるブリヂストンDNAや担当部門の皆さんの想いをストーリーとして伝え、社会や潜在的なパートナー・お客様からの共感を得ることで、事業活動の更なる後押しをしたいと考えています。

24MBPでは、月面走行実現に向けて更なるタイヤ性能の向上を目指します。タイヤ評価について、月面環境を再現した実サイズでの検証が事実上不可能という課題に対して、我々は地上試験結果の論理的な積み上げと、地上試験で妥当性検証を進めている独自シミュレーション技術を活用し、リアルとデジタルの両面から挑戦を継続します。そこで培われる技術は、将来的な月面社会への貢献、宇宙ビジネスにつながる価値になると考えます。

2031年のブリヂストン創立100周年、更にその先の2050年に花開くことを信じて、皆さんと一緒に良い種まきをし、挑戦を加速させていきます。
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